
皆さま、おかげさまです。
明工建設 代表取締役の仁藤 衛(にとう まもる)です。
今日は、少し住宅の「見えない性能」の話をしたいと思います。
家づくりを検討されている方なら、
「断熱等級6です」
「UA値は○○です」
「高性能な断熱材を使っています」
そんな説明を聞く機会が増えたと思います。
これは、とても良いことです。
ところが私は、そこで一つ質問してほしいんです。
「ところで、この家のC値はいくつですか?」
そしてもう一つ。
「そのC値は、実際に建てた家で測っていますか?」
ここまで聞いてみてください。
なぜなら、
断熱性能は設計できますが、気密性能は最終的に現場でつくるものだからです。
どれほど高性能な断熱材を入れても、
配管の周り。
コンセント。
窓の周囲。
壁と床の取り合い。
玄関。
こうしたところに隙間が残れば、空気はそこを通ります。
だから明工建設では、
断熱と気密は二つで一つ。
そう考えています。
そして私たちが一つの基準として大切にしているのが、
C値0.3cm²/m²前後という気密性能です。
ただし今日は、
「0.3だから他社よりすごいでしょう」
という自慢話をしたいのではありません。
C値0.3の先に、
何を実現したいのか。
そこをお話しします。
■そもそも「C値」って何?
C値とは、
住宅全体にどれくらいの隙間があるのか
を示す指標です。
単位は、
cm²/m²。
床面積1m²当たり、何cm²相当の隙間があるかを表します。
例えば延床面積100m²の住宅なら、
C値1.0の場合、単純計算で住宅全体の相当隙間面積は約100cm²。
C値0.3なら約30cm²です。
つまり、
数字が小さいほど隙間が少ない。
これがC値です。
■UA値とC値は、そもそも別の性能です
ここを混同してはいけません。
UA値は主に、
壁。
屋根。
床。
窓。
などを通して、どれくらい熱が逃げやすいかを表す指標です。
一方、C値は、
建物にどれくらい隙間があるか。
です。
私はよく、
断熱材を「ダウンジャケット」に例えます。
どれほど厚いダウンジャケットでも、
ファスナーが開いていたら寒いですよね。
断熱材を厚くすることと、
隙間を減らすこと。
役割が違います。
だから、
高断熱だけではなく、高断熱+高気密。
この二つが必要なんです。
■「断熱等級6なのに寒い」はあり得るのか?
あり得ます。
ただし、
「等級6なのに朝9℃だった=気密が悪い」
と一つの原因だけで決めつけることもできません。
室温は、
外気温。
日射。
暖房の運転状況。
間取り。
窓面積。
蓄熱。
換気量。
家族の生活。
そして気密。
さまざまな条件で決まります。
それでも、
断熱性能が高いのに隙間が多ければ、
意図しない外気流入が増えて、せっかくの断熱性能を十分生かせない可能性があります。
だから、
「断熱等級はいくつですか?」
だけでは足りない。
設計上の断熱性能と、現場で実測する気密性能の両方を見る。
私はこれが大切だと思っています。
■断熱等級と「最低室温○℃」は同じものではありません
ここも住宅会社として正確にお伝えしておきたいところです。
時々、
「断熱等級4なら最低室温8℃」
「等級5なら10℃」
「等級6なら13℃」
という表現を見かけます。
これは一定条件のシミュレーションや資料を分かりやすく説明したものとして使われる場合がありますが、
断熱等級そのものが室温を保証する制度ではありません。
断熱等級は、地域区分などに応じたUA値等の基準によって評価されます。
ですから、
「等級6なら暖房を切っても絶対13℃を下回らない」
という意味ではないんです。
ここは、カタログの数字と実際の暮らしを混同してはいけません。
■そして重要なのは、C値は図面だけでは分からないこと
ここがUA値との大きな違いです。
断熱性能は、
この断熱材を何mm。
この窓を使う。
この面積。
という設計情報から計算できます。
でも気密は、
最後は、
現場の施工精度
に左右されます。
設計図に、
「C値0.3」
と書くだけでは0.3になりません。
だから明工建設では、
全棟で気密測定を行います。
「高気密仕様です」
ではなく、
実際に測る。
私は、これが大切だと思っています。
■C値0.3は「目的」ではありません
私は現場に、
「とにかく数字を小さくしろ」
と言っているわけではありません。
C値0.3は、
目的ではなく、結果です。
本当の目的は、
不要な隙間風を減らすこと。
計画した換気経路をつくること。
温度ムラを抑えること。
壁の中へ湿った空気が流れ込むリスクを減らすこと。
そして、
明工建設が考える「深呼吸する正圧の家」を成立させること。
こちらなんです。
■高気密にすると「息苦しい家」になる?
これも、よくある誤解です。
「そんなに隙間をなくしたら、息苦しくないですか?」
と聞かれます。
逆です。
隙間が多い家は、
どこから空気が入るか分からない。
床下からかもしれない。
壁の中を通ってくるかもしれない。
コンセント周辺かもしれない。
それを、
「自然換気」
とは私は呼びたくありません。
高気密化する目的は、
空気を入れないことではなく、空気の入口と出口を設計できる状態にすること。
必要な空気は、
換気設備から入れる。
不要な隙間からの空気は減らす。
そして計画した経路で排気する。
だから、
高気密と計画換気はセットです。
■ここで「正圧」という考え方が出てきます
明工建設が目指しているのが、
「深呼吸する正圧の家」
です。
第一種全熱交換換気などを利用して給気と排気を機械的に管理し、住宅の圧力バランスも意識する。
そして条件に応じて室内を外部に対してわずかに正圧側へ管理することで、
無計画な隙間から外気を吸い込みにくい環境
を目指します。
ここで大切なのは、
「正圧だから外のものを完全にシャットアウトできる」
という意味ではないことです。
玄関も開きます。
窓も開きます。
フィルターにも捕集性能の限界があります。
風圧もあります。
レンジフードなど大風量の排気設備を使えば、室内の圧力条件も変化します。
だから、
高気密+給排気設計+圧力バランス。
この三つを一緒に考えるんです。
■気密性能が低いと、換気設備が思った通りに働きにくい
例えば、
ストローを想像してください。
ストローの途中にたくさん穴が開いていたら、
吸っても先端から思うように飲み物が上がってきません。
住宅も似ています。
給気口から空気を入れる。
家の中を通す。
排気口から出す。
そう計画していても、
建物に想定外の隙間が多ければ、
空気はそこからも出入りします。
つまり、
換気設備だけ高性能でもダメ。
その設備が働ける「器」が必要です。
その器をつくる技術が、
気密なんです。
■気密が重要なのは、暖かさだけではありません
もう一つ、
非常に大切なのが、
壁の中の湿気です。
水蒸気が壁を移動する経路には、
材料を通じた拡散だけでなく、
隙間を通る空気そのものによって水蒸気が運ばれる現象があります。
いわゆる、
移流による水分移動
です。
冬なら、
室内の暖かく湿った空気が壁の中へ入り、
そこで冷やされる。
条件がそろえば、
壁内結露のリスクにつながります。
夏には、地域や空調条件、壁構成によって逆方向の問題も考えなければなりません。
■フォグ実験を見ると「空気は想像以上に動く」と分かる
建物の気流を確認する実験では、
煙などをトレーサーとして使う方法があります。
例えば、
床下側に煙を発生させ、
レンジフードのような大風量排気を動かす。
隙間があれば、
圧力差によって煙が建物内部へ引き込まれる様子が確認できる場合があります。
目に見えない空気が、
煙を入れた瞬間に見えるようになる。
これを見ると、
「たったこれくらいの隙間」
という感覚が変わります。
■ただし「隙間があれば必ず壁内結露する」でもありません
ここも大切です。
壁内結露は、
気密だけで決まりません。
室内外温湿度。
壁の構成。
防湿層。
透湿抵抗。
通気層。
日射。
空調。
施工。
いろいろな条件が関係します。
ですから、
C値0.3なら結露しない
とも言いません。
逆に、
C値が悪ければ必ず構造材が腐る
とも言えません。
住宅は一つの数字だけでは判断できないんです。
だから明工建設では、
気密を単独で見るのではなく、
断熱。
防湿。
透湿。
換気。
空調。
これを一つのシステムとして考えます。
■気密施工で最も大切なのは「一筆書き」
現場で私が重要だと思っている言葉があります。
「気密ラインを一筆書きできますか?」
これです。
床。
壁。
天井・屋根。
窓。
玄関。
全部つながっていなければいけない。
途中で、
「ここは誰がやるんだっけ?」
という場所をつくってはいけないんです。
住宅の不具合は、
材料そのものより、
材料と材料の境目
で起こることがあります。
■コンセントの裏側まで見る
例えばコンセント。
完成すると、
ただの白いプレートです。
でもその裏側には、
配線が通っています。
気密層を貫通する位置であれば、適切な気密処理が必要です。
専用の気密カバー。
配線貫通部。
テープ。
シール。
こうしたものを、
一つ一つ処理する。
完成したら見えません。
でも、
完成したら見えない仕事ほど、住宅の性能を左右する。
私はそう思っています。
■配管の穴は「開けた人が責任を持つ」
水道管。
エアコン配管。
電気配線。
換気ダクト。
住宅にはたくさんのものが壁や床を貫通します。
当然、
穴を開けます。
問題は、
その穴を最後に誰が閉じるのか。
ここが曖昧だと、
大工さんは設備屋さんがやると思っている。
設備屋さんは大工さんがやると思っている。
電気屋さんは、
「自分は線を通しただけ」
となる。
その結果、
誰も最後まで見ていない。
だから施工ルールを明確にする必要があります。
■サッシ周り、入隅、基礎。地味な場所ほど大事です
窓自体の性能が良くても、
窓と構造体の取り合いに隙間があれば意味がありません。
入隅。
出隅。
サッシ周囲。
床と壁。
基礎周辺。
配管貫通部。
こうした場所を、
気密ラインとして連続させる。
玄関土間や基礎周辺の細部も、
設計した気密ラインに応じて適切に処理する。
これが、
C値0.3前後を安定して出すための、
派手ではないけれど、とても重要な仕事
です。
■「1mmの穴=シロアリ侵入」と単純には言いません
元の資料には、
「わずか1mmの隙間でもシロアリの侵入経路になる」
という表現がありました。
シロアリ対策は重要ですが、
気密性能と防蟻性能は分けて考える必要があります。
基礎の打継ぎ。
配管貫通部。
玄関周辺。
こうした箇所は防蟻上も重要なポイントですが、
使用する部材や工法に応じて適切な防蟻処理を行うことが重要です。
気密を取ったから防蟻も完璧
ではありません。
ここも家全体で考えます。
■私が一番怖いのは「スーパー職人がいないと建てられない家」
ここからは、明工建設の施工哲学です。
腕のいい大工さん。
もちろん大切です。
私たちも職人さんの技術に支えられています。
でも、
「この人が施工すればC値0.3」
「別の人なら0.8」
では困ります。
お客様から見れば、
どの職人さんが担当しても、
明工建設の家
だからです。
だから私たちは、
技術を個人技だけにしない。
■職人の「腕」を、会社の「仕組み」に変える
専用部材を使う。
施工方法を決める。
誰が施工するか決める。
誰が確認するか決める。
写真を残す。
測定する。
改善する。
これを繰り返す。
コーキング一本でも、
人によって施工量が違う。
テープ一本でも、
押さえ方が違う。
だから可能なところでは、
専用の気密部材なども利用して、
施工品質を平準化する。
これが重要です。
■「C値0.3を約束する」なら、測らなければ意味がない
私は、
「うちは高気密ですよ」
という言葉だけでは、
お客様は判断できないと思っています。
だったら測る。
住宅一棟一棟、
気密測定する。
そして、
数字で確認する。
もし目標に届かなければ、
漏気箇所を探す。
直す。
もう一度確認する。
測らないものは、改善できません。
これは住宅も会社経営も同じです。
■本当に見るべきなのは「0.3か0.4か」だけではない
ここまでC値0.3の話をしておいて、
最後に少し意外なことを言います。
私は、
0.3と0.4だけを比べて、
「0.3だから絶対こちらの家の方が快適です」
とは言いません。
住宅性能は、
UA値。
窓性能。
日射取得。
日射遮蔽。
換気。
空調。
湿度。
間取り。
施工。
さまざまな要素で決まります。
だから、
C値競争をしたいわけではありません。
重要なのは、
高い気密性能を安定して実現し、それを家全体の設計に生かせているか。
こちらです。
■「外気の影響を物理的に遮断する」わけでもありません
C値0.3でも、
熱はゼロにはなりません。
換気も必要です。
玄関も開けます。
窓から熱も伝わります。
風や日射の影響も受けます。
ですから、
「C値0.3なら外気の影響を遮断できます」
ではなく、
「意図しない隙間からの外気流入を大幅に抑え、外気との付き合い方を設計しやすくする」
これが、より正確な表現です。
私はこの違いを大切にしたい。
■「深呼吸する正圧の家」は、密閉する家ではない
ここまで読んで、
「明工建設の家って、ものすごく密閉するんですね」
と思われたかもしれません。
違うんです。
むしろ、
きちんと空気を入れるために、余計な穴を塞ぐ。
これなんです。
どこから来たか分からない空気ではなく、
計画した場所から入れる。
フィルターを通す。
熱交換する。
家の中を流す。
排気する。
そして圧力バランスを整える。
私はこれを、
「家が深呼吸する」
と表現しています。
■空気を「止める」のではなく、「デザインする」
高気密住宅の本質は、
空気を止めることではありません。
空気をデザインできる状態をつくること。
です。
これは、これまでお話ししてきた水と同じです。
水も、
ただ蛇口から出ればいい
ではなく、
どこから入り、
どう処理し、
どう使うのかを考える。
空気も、
ただ外から入ればいい
ではありません。
入口。
経路。
出口。
温度。
湿度。
圧力。
全部を考える。
■35年後に差が出るのは、完成写真に写らないところ
新築した日に、
C値0.3の家と、
気密施工をあまり意識していない家を並べて写真を撮る。
Instagramでは、
違いが分からないかもしれません。
キッチン。
外観。
照明。
クロス。
こちらの方が写真には写ります。
でも、
5年。
10年。
20年。
35年。
住み続ける。
その時に、
冬の足元。
夏の湿気。
空調効率。
換気。
壁の中。
そういう、
写真には写らない部分
が効いてきます。
私は家というものは、
完成した日に一番評価される商品ではなく、
住んでから評価が積み上がっていく商品
であるべきだと思っています。
■仁藤流の結論。断熱等級を聞いたら、次に「C値」を聞いてください
これから家を建てる皆さん。
住宅会社へ行ったら、
「断熱等級はいくつですか?」
ぜひ聞いてください。
そして、その次です。
「C値はいくつを目標にしていますか?」
さらに、
「それは計算値ですか? 実際に全棟測っていますか?」
ここまで聞いてみてください。
私は、
この質問が住宅会社の家づくりに対する姿勢を知る一つの材料になると思っています。
明工建設は、
高断熱だから暖かい。
C値0.3だから健康。
正圧だから絶対安心。
そんな単純な説明はしたくありません。
私たちが目指しているのは、
断熱・気密・換気・空調・湿度・圧力を、一つのシステムとして設計すること。
その土台として、
高い気密性能が必要なんです。
だから、
C値0.3前後にこだわる。
だから、
全棟測る。
そして、
その性能を使って、
「深呼吸する正圧の家」
をつくる。
朝起きた時、
家の中で大きな温度差を感じにくい。
足元に冷たい隙間風を感じにくい。
必要な空気が、
計画したところから入ってくる。
思わず、
深呼吸したくなる。
そんな家をつくりたい。
気密は、数字を競うための性能ではありません。
家族がこれから何十年も、
「不快じゃない」
を当たり前にするための、
見えない品質です。
完成すると見えなくなるからこそ、
建築中に徹底する。
そして、
測定して証明する。
それが、明工建設の気密に対する考え方です。
ご縁を大切に唯一無二の家造り。
住んでからがお付き合いの始まり。
おかげさまでありがとうございます。
お読みいただき、ありがとうございます。
もし今回の内容に少しでも共感いただけたなら、
こちらもきっとお役に立てると思います。
明工建設が選ばれる理由とは?
第1位 住む人の幸せを考え抜いた高性能住宅

明工建設の家は強い方が売れる、省エネだから売れる・・・
そんな安っぽい理由で、住宅を高性能にしているわけではありません。
高性能な家に住んでもらった先にある『家族の幸せ』を手に入れてもらいたいから高性能にしているのです。
第2位 圧倒的省エネ住宅で1,000万円以上の節約に

明工建設の考える住宅は、住むだけでお金が貯まります。
光熱費が0円以下にすることが出来る、圧倒的省エネ住宅であなたの家計を守ります。
第3位 売ることが仕事じゃない!お客様のありがとうを考えるご提案

明工建設は住宅を売ることを仕事だと考えていません。
お客様の幸せをとことん考え、その結果『ありがとう』を頂くことを仕事にしています。
その対価としてお金を頂く。これが明工建設のポリシーです。
第4位 最新の技術提供なのに、圧倒的なコスパを実現

M-THE BESTに代表されるように、明工建設の家は常に最新の技術を提供します。
それなのに誰もが納得、いやそれ以上のコスパの良さで皆様に選ばれています。
それを実現出来るのは、圧倒的な仕入れ力と無駄なお金を使わない工事力があるからです。




