
おかげさまです。明工建設の仁藤です。
今日は、これから家を建てる方にも、リフォーム・リノベーションを考えている方にも、ぜひ最後まで読んでいただきたい話をします。
テーマは「断熱」です。
今の住宅業界では、
「断熱等級6です」
「高性能な断熱材を使っています」
「UA値は〇〇です」
こんな言葉を当たり前のように聞くようになりました。
もちろん、断熱性能は大切です。
明工建設も断熱性能には徹底してこだわっています。
しかし、私はここで一つ質問したい。
断熱性能を高くすれば、本当にその家は暖かくなるのでしょうか?
実は、ここに今の高性能住宅づくりで見落とされがちな「落とし穴」があります。
断熱材をたくさん入れた。
高性能な窓を使った。
断熱等級も高い。
それなのに、
「なんとなく足元が寒い」
「暖房を止めるとすぐ寒くなる」
「部屋によって温度差がある」
「コンセントのところから冷たい空気を感じる」
こんな家は現実に存在します。
なぜなのか。
その答えは、断熱材だけを見ていても分かりません。
家の中で起きている、
「熱」「空気」「水蒸気」の動き
まで理解する必要があるのです。
断熱材は「セーター」。気密は「ウインドブレーカー」です
私はお客様に、断熱と気密の違いを説明するとき、服に例えることがあります。
真冬に分厚いセーターを着たとします。
ウールの高級なセーターです。
確かに暖かい。
ところが、その格好で遠州の冷たい強風の中に立ったらどうでしょう。
セーターの繊維を風が抜けてきます。
寒いですよね。
そこで上からウインドブレーカーを着る。
すると、途端に暖かくなる。
セーターそのものの性能が変わったわけではありません。
風を止めたから、セーター本来の断熱性能が発揮できるようになったのです。
家も同じです。
断熱材は、熱が移動しにくくするためのもの。
一方、気密は、意図しない空気の移動を抑えるためのものです。
どれほど素晴らしい断熱材を使っても、家に隙間が多く、そこを空気が自由に通ってしまえば、期待した快適性は得にくくなります。
だから私は、
「断熱」と「気密」はセットで考えてください
とお伝えしています。
なぜ「顔は暑いのに足元が寒い家」ができるのか?
ここから少し物理の話をします。
でも難しく考える必要はありません。
暖かい空気は密度が小さくなり、上昇しやすくなります。
冬に暖房すると、暖められた空気は家の上部へ移動します。
そして建物上部に隙間があれば、そこから外へ空気が漏れます。
出ていった空気の分だけ、どこかから空気が入らなければなりません。
そこで床周辺や壁の取り合い、配管・配線部分・コンセントなどの隙間から冷たい空気が入ってくる。
いわゆる煙突効果です。
これが、
「エアコンをつけているのに足元が寒い」
という現象の一因になります。
室温計は22℃を示している。
でも足元では冷気を感じる。
だから設定温度を24℃、25℃と上げる。
すると顔の周辺は暑い。
でも足元はまだ寒い。
暖房費まで増えていく。
これでは高断熱住宅を建てた意味が薄れてしまいます。
大切なのは単なる「室温」ではありません。
家の中の温度差と、意図しない気流をどう小さくするか。
ここまで考えて初めて「住み心地」になるのです。
さらに怖いのは、空気と一緒に「湿気」も動くこと
そして、気密について私が本当に怖いと思っているのは、寒さだけではありません。
水蒸気です。
冬の室内を想像してください。
人が呼吸する。
料理をする。
お風呂に入る。
洗濯物を室内に干す。
必要に応じて加湿する。
生活しているだけで、家の中では水蒸気が発生します。
暖かい空気は、冷たい空気より多くの水蒸気を含むことができます。
その暖かく湿った室内空気が、隙間を通って壁の中へ入り込み、外気側へ近づいて冷やされていく。
やがて露点に達すれば、水蒸気は水滴へ変わります。
これが、
「壁体内結露」
です。
窓ガラスの結露なら目で見えます。
「結露しているな」と気づいて拭くこともできます。
ところが壁の中は見えません。
これが厄介なのです。
見えない壁の中で何が起きるのか
壁体内で結露が繰り返されれば、断熱材や木材などに水分が蓄積する可能性があります。
断熱材の種類や施工状態によっては、湿潤によって本来期待していた性能を発揮しにくくなることもあります。
さらに木材が長期間湿った状態になれば、腐朽やカビなど耐久性上の問題にもつながります。
つまり気密というのは、
「暖かくするためだけの技術」ではありません。
建物内部への空気移動に伴う水蒸気の侵入を抑え、建物を長く健全な状態に保つためにも重要なのです。
だから明工建設では、
断熱・気密・防湿・換気を別々に考えません。
すべてつながっています。
リフォームでは、もっと注意が必要です
この話は新築だけではありません。
むしろ断熱リフォーム・リノベーションでは、さらに慎重に考える必要があります。
例えば築30年の住宅。
壁を開けて古い断熱材を撤去し、最新の高性能グラスウールをぎっしり入れた。
これだけを見ると、
「これで暖かくなる!」
と思いますよね。
ところが、床下と壁のつながり、壁と天井のつながりなどに空気の通り道が残っていたらどうでしょう。
床下の冷たい空気が壁の内部へ入り、壁の中を上へ流れてしまうことがあります。
せっかく新しい断熱材を入れても、その周辺で冷たい空気が動いていたら、期待した性能を発揮できません。
そこで重要になるのが、
「気流止め」
です。
床・壁・天井などの取り合いで、意図しない空気の流れを止める。
そして必要に応じて室内側の防湿・気密層を連続させ、接合部分や貫通部まで丁寧に処理する。
私はここに、施工会社の本当の技術力が現れると思っています。
完成したら見えなくなる場所です。
だから写真映えもしません。
豪華なキッチンのように、お客様から
「わあ、素敵!」
と言われる場所でもありません。
しかし、
家が本当に暖かいか。
20年、30年後も健全でいられるか。
その答えは、むしろ完成したら見えなくなるところに隠れているのです。
UA値だけ見て家を選ぶことの危うさ
ここで、これから家を建てる方に知ってほしいことがあります。
住宅会社へ行くと、
「うちはUA値〇〇です」
と説明されることがあります。
UA値は非常に重要な指標です。
建物の外皮を通して、どの程度熱が逃げやすいのかを見るための指標だからです。
でも、UA値だけでは分からないものがあります。
それが、
実際の建物にどれだけ隙間があるのか
です。
そこで登場するのがC値です。
C値は、住宅の気密性能を表す指標です。
そして重要なのは、設計図を見て計算するだけでは分からないということ。
実際に完成していく建物を測定しなければ、本当の気密性能は確認できません。
だから明工建設では、全棟で気密測定を行っています。
一つの基準としているのが、
C値0.3程度。
ただし、ここで誤解してほしくありません。
私たちは、
「C値0.3だからすごいでしょう」
と言いたいわけではないのです。
本当の目的は「C値自慢」ではありません
C値を小さくすること自体が目的になってしまったら、本末転倒です。
なぜ気密を高めるのか。
答えは、
住む人が快適に暮らし、計画した換気を機能させ、建物を長持ちさせるためです。
ここが大切です。
気密性能を高めることで、家の空気の出入口をより計画的に管理できるようになります。
そして、ここから前回お話しした「換気」が重要になってきます。
高気密にしたら、次は「空気をどう動かすか」
高気密住宅にした。
そこで終わりではありません。
むしろ、
高気密になってからが空気設計の始まりです。
家の隙間を減らしたのであれば、今度は必要な空気をどこから入れ、どこを通し、どこから排出するのかを考えなければならない。
これが計画換気です。
だから私は前回、
「第三種換気は悪で、第一種換気なら全部良いという考え方も間違っています」
とお話ししました。
換気方式の名前だけではなく、
給気量はどうなのか。
排気量はどうなのか。
フィルターはどうなのか。
熱と湿度をどう扱うのか。
そして、
家の中と外の気圧差をどうコントロールするのか。
ここまで見なければ、本当の空気設計にはなりません。
そこで明工建設が考えた「深呼吸する正圧の家」
明工建設が採用しているのが、気圧調整式第一種全熱交換換気システム「エクリア」です。
私たちは、単に家を高気密にするだけではなく、給気と排気を機械でコントロールし、室内を外部に対して正圧側に保つという考え方を取り入れています。
負圧の家では、隙間があれば外から中へ空気が入りやすくなります。
だからこそ高気密化したうえで、フィルターを通した必要な空気を計画的に取り入れ、排気をコントロールする。
これが私たちの、
「深呼吸する正圧の家」
という考え方です。
断熱だけではありません。
気密だけでもありません。
換気設備を付ければ終わりでもありません。
断熱 × 気密 × 防湿 × 換気 × 温度 × 湿度 × 気圧。
全部をつなげて考える。
それが明工建設の家づくりです。
「断熱等級はいくつですか?」の次に聞いてほしい質問
これから住宅会社へ行く方に、一つ提案があります。
もちろん、
「断熱等級はいくつですか?」
「UA値はいくつですか?」
と聞いてください。
でも、そこで終わらないでください。
次にこう聞いてみてください。
「C値は実測していますか?」
そして、
「全棟測っていますか?」
さらに、
「床と壁、壁と天井の気流止めはどうしていますか?」
「壁の中へ湿気が入らないよう、どう考えていますか?」
「換気した時、家の中は正圧ですか、負圧ですか?」
ここまで聞いてみる。
少し専門的な質問に感じるかもしれません。
でも一生に一度になるかもしれない家づくりです。
聞いていいのです。
むしろ聞くべきだと私は思います。
目に見える豪華さより、見えないところにお金を使う
キッチン。
お風呂。
照明。
タイル。
家具。
もちろん大切です。
デザインは暮らしを豊かにしますから、明工建設も大切にしています。
でも家を建てて10年後。
本当にありがたいと思うものは何でしょう。
真冬の朝、布団から出ることが苦痛ではない。
廊下へ出ても極端に寒くない。
脱衣室へ行っても震えない。
エアコンを必要以上に動かさなくても快適。
壁の中が健全な状態に保たれている。
そして家族が、
「この家、本当に住みやすいね」
と言ってくれる。
私は、それこそ住宅にお金をかける本当の意味だと思っています。
仁藤流の結論。「暖かい家」は断熱材だけではつくれない
最後に、今日一番覚えて帰っていただきたいことをお伝えします。
断熱は、熱をコントロールする。
気密は、意図しない空気の動きを抑える。
防湿は、水蒸気をコントロールする。
換気は、必要な空気を計画的に動かす。
この4つは、別々の話ではありません。
一つの家の中で、同時に起きている現象です。
だから、
断熱等級だけで家の住み心地を判断しないでください。
数字は大切です。
でも、その数字を現場で本当に実現する施工技術はもっと大切です。
そして最後に問われるのは、
「その家で暮らした家族が、どう感じるのか」
です。
家は性能表の中で暮らすものではありません。
家族が毎朝起きて、料理をして、お風呂に入り、眠り、子どもが育ち、何十回もの夏と冬を過ごす場所です。
だから明工建設は、
「建てた時に高性能な家」ではなく、「住み続けて良かったと思える家」をつくりたい。
断熱性能を高める。
全棟で気密測定をする。
気流を止める。
湿気を考える。
換気を設計する。
そして家の気圧まで考える。
一つひとつを見ると地味な仕事です。
しかし、その地味な仕事の積み重ねが、
「なんだか、この家は気持ちいい」
という、住んだ人にしか分からない大きな違いになっていく。
それが、私たち明工建設が考える高性能住宅です。
これから家を建てる皆さん。
モデルハウスを見学した時には、ぜひ壁やキッチンだけではなく、
「この壁の向こうで、空気と湿気はどう動いているんですか?」
と聞いてみてください。
その答えの中に、その住宅会社が本当に「住んでからの暮らし」まで考えているのかが見えてくるかもしれません。
家族が安心して深呼吸できる家を。
ご縁を大切に唯一無二の家造り。
住んでからがお付き合いの始まり。
明工建設は、見えるデザインだけでなく、目には見えない空気まで設計する家づくりを続けていきます。
おかげさまでありがとうございます。
お読みいただき、ありがとうございます。
もし今回の内容に少しでも共感いただけたなら、
こちらもきっとお役に立てると思います。
明工建設が選ばれる理由とは?
第1位 住む人の幸せを考え抜いた高性能住宅

明工建設の家は強い方が売れる、省エネだから売れる・・・
そんな安っぽい理由で、住宅を高性能にしているわけではありません。
高性能な家に住んでもらった先にある『家族の幸せ』を手に入れてもらいたいから高性能にしているのです。
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