
皆さま、おかげさまです。
明工建設 代表取締役、一級建築士の仁藤 衛です。
今日は、少し地味に見えて、実は災害時にものすごく重要なテーマについてお話しします。
それは、
「トイレ」です。
防災というと、
水。
食料。
懐中電灯。
モバイルバッテリー。
非常用発電。
こうしたものを思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん全部大切です。
でも、私は最近あらためて、
「人は食べることを少し我慢できても、排せつは我慢し続けられない」
という当たり前のことを、もっと真剣に考えなければいけないと思っています。
先日、災害時のトイレ問題を扱ったニュース記事を読みました。
そこで紹介されていたのは、水や電気が使えない状況でも使える災害用トイレ。
臭いを抑える。
持ち運べる。
衛生状態を保ちやすい。
そういった工夫が進んでいるという内容でした。
これを見て、
「防災グッズの話だね」
で終わらせてしまうのは、少しもったいない。
私は住宅屋なので、どうしても次のことを考えます。
「そもそも、災害が起きた後も家で暮らし続けられる設計になっているだろうか?」
今日はそこまで踏み込んで考えてみたいと思います。
■地震に耐えた。その次に起こる問題があります
防災住宅というと、
「耐震等級3です」
「制震装置が入っています」
という話になりがちです。
明工建設でも、
耐震性や制震は非常に重要だと考えています。
ただ、地震に耐えて建物が倒れなかった。
そこで防災は終わりではありません。
むしろ、
そこから生活が始まります。
電気は使えるか。
水は出るか。
冷蔵庫は動くか。
暑さ寒さをしのげるか。
スマートフォンを充電できるか。
そして、
トイレを使えるか。
ここがものすごく大事です。
■断水したら、いつものトイレは使えるとは限らない
普段の住宅では、
レバーを回す。
ボタンを押す。
それだけで排せつ物が流れていきます。
私たちは、
「トイレは使えて当たり前」
だと思っています。
ところが大地震や大規模災害では、
給水が止まる可能性があります。
さらに重要なのは、
水があったとしても、勝手に流していいとは限らない
ということです。
下水管や宅地内配管が損傷していた場合、
排水した水が正常に流れない可能性があります。
マンションなどでは、上階で流した排水が下階で問題になることも考えられます。
ですから災害直後は、
「水があるからトイレへ流そう」
ではなく、
まず排水系統の安全確認が必要になることがあります。
ここは防災で非常に大切なポイントです。
■「お風呂に水をためておけば流せる」だけでは不十分
昔から、
「災害に備えて浴槽に水をためておけばいい」
と言われます。
生活用水として役立つ場面はあるでしょう。
ただし、
トイレについては、
排水設備が壊れていないことが確認できてから使う
という視点も必要です。
つまり、
非常時に本当に頼りになるのは、
「水を流す方法」だけではありません。
水を使わずに排せつ物を処理できる方法を持っておくこと。
ここで、
携帯トイレ。
簡易トイレ。
凝固剤。
防臭袋。
といった備えが重要になってきます。
■食料より先に必要になる可能性があるのがトイレ
例えば、
地震が朝8時に起きたとします。
非常食は、
お昼まで食べなくても何とかなるかもしれません。
でも、
トイレはどうでしょう。
小さなお子さん。
高齢の方。
持病のある方。
家族によっては、
災害発生から数時間以内に必要になります。
だから私は、
防災備蓄を考える時、
水や食料と同じくらい、
「トイレ何回分を備えているか」
を確認してほしいと思います。
家族4人なら、
1日で何回使うでしょう。
それが3日。
7日。
もし物流が止まったら。
こうやって具体的に考えると、
「携帯トイレを2、3個買っておけば大丈夫」
では足りない可能性があることに気づきます。
■災害時に怖いのは「トイレへ行きたくない」と思ってしまうこと
トイレが汚い。
臭い。
暗い。
遠い。
寒い。
水がない。
そうなると人は、
「なるべくトイレへ行かなくて済むようにしよう」
と考えることがあります。
つまり、
水分を控える。
食事を控える。
動かなくなる。
でも、
これは健康上好ましい方向とは言えません。
特に、
子ども。
高齢者。
妊婦さん。
持病のある方。
こうした方にとっては、
非常時の排せつ環境を整えることは、
単なる快適性ではありません。
健康を守るための生活インフラ
なんです。
■「防災トイレ」は買っただけでは備えにならない
ここも、私は重要だと思います。
非常用トイレを買った。
押入れの奥へ入れた。
それで終わり。
これでは、
いざという時、
「どうやって使うの?」
となる可能性があります。
袋をどうセットするのか。
凝固剤はいつ入れるのか。
使用後はどう密閉するのか。
どこへ一時保管するのか。
子どもでも使えるのか。
高齢者は座れるのか。
夜間に照明はあるか。
こういうことを、
一度でも家族で試してみる。
これが大事です。
私は防災用品というものは、
「持っていること」
より、
使えること
の方が大切だと思っています。
■住宅会社として考えるなら「保管場所」まで設計したい
例えば、
災害用トイレを100回分備蓄する。
いいですね。
では、
どこに置きますか?
納戸の一番奥?
2階の収納?
外の物置?
地震で家具が倒れた時でも取れるでしょうか。
夜でも取り出せるでしょうか。
家族全員が場所を知っているでしょうか。
だから私は、
防災住宅とは、
設備を付けるだけではなく、
備蓄品の“住所”まで決めてある家
だと思っています。
食料。
水。
携帯トイレ。
乾電池。
モバイルバッテリー。
ラジオ。
簡易照明。
救急用品。
これらがどこにあるか、
家族全員が分かっている。
それだけでも、
災害時の行動はかなり変わると思います。
■トイレ問題と「換気」は切り離せない
災害時の簡易トイレを使う場合、
気になるのが、
臭いです。
そこで住宅として重要になるのが、
換気。
ただし、
ここには少し注意があります。
「高性能な換気設備があるから、停電時でも安心」
というわけではありません。
第一種換気は、
給気も排気もファンを使います。
停電すれば、
電源がなければ停止します。
だから、
災害時まで換気を維持したいのであれば、
換気設備へ非常時にどう電力を供給するのか
まで考える必要があります。
蓄電池。
太陽光発電。
非常用回路。
V2H。
これらと換気設備が、
実際にどう接続される設計なのか。
ここまでが防災設計です。
■「蓄電池がある=家中全部いつも通り」ではありません
これもよくある誤解です。
太陽光。
蓄電池。
V2H。
これらがあれば、
停電しても普段と同じ生活が100%できる。
そうとは限りません。
使える電気は、
蓄電池の容量。
残量。
パワーコンディショナの出力。
非常用回路の構成。
太陽光の発電量。
天候。
EVの残量。
機器同士の対応。
によって変わります。
だから、
災害時には、
何を優先するか。
私はこれを、
「電気の避難順位」
だと思っています。
冷蔵庫。
照明。
スマートフォン。
換気。
給湯。
必要に応じて空調。
こうしたものを、
限られたエネルギーでどう維持するのか。
そこまで考える必要があります。
■本当に強い家は「壊れない家」だけではない
私は以前から、
災害に強い住宅について、
こう考えています。
地震に耐えることは第一段階。
その後、
暮らし続けられることが第二段階です。
耐震等級3。
制震。
これは、
建物を守る技術です。
でも、
家族の暮らしを守るには、
その先があります。
電気。
水。
空気。
温度。
通信。
そして、
排せつ。
私はこれを、
家の中の「生活インフラ」だと思っています。
■「避難所へ行けばいい」と単純には言えない
もちろん、
自宅が危険であれば、
ためらわず避難しなければいけません。
津波。
火災。
倒壊危険。
土砂災害。
そうした状況では、
命を守る行動が最優先です。
一方で、
建物が安全で、
地域として在宅避難が可能な状況なら、
自宅で生活を続けられることには大きな意味があります。
小さなお子さんがいる。
高齢の親がいる。
ペットがいる。
プライバシーの問題がある。
そういう家庭にとって、
「安全な自宅で暮らしを継続できる」
というのは大きな安心です。
だから私は、
住宅を建てる時に、
「大地震でも倒れない家」
だけではなく、
「大地震の翌朝も生活できる家」
を考えてほしいんです。
■災害時にも高断熱・高気密が役に立つ理由
停電したら、
エアコンが使えない可能性があります。
そうなると、
住宅そのものが持っている性能が重要になります。
断熱性能が低い家なら、
冬はどんどん冷えていく。
夏はどんどん暑くなる。
でも、
高断熱・高気密の家なら、
外気温の影響を受けるスピードを抑えやすい。
つまり、
エネルギーが使えない時ほど、建物そのものの性能が効いてくる。
私はこれも、
高性能住宅の重要な防災性能だと思っています。
もちろん、
断熱等級が高ければ災害時に絶対安全という意味ではありません。
でも、
少ないエネルギーで温熱環境を維持しやすい家は、
停電時にも有利になり得ます。
■C値0.3前後にこだわる理由も、ここにつながる
明工建設では、
気密性能について、
全棟で気密測定を行い、
C値0.3前後を一つの目標として家づくりをしています。
気密は、
暖房費を下げるためだけの性能ではありません。
意図しない隙間からの外気流入を抑える。
計画換気を成立させやすくする。
外部環境の影響を受けにくくする。
少ない空調エネルギーで室温を維持しやすくする。
つまり、
平時の省エネ性能が、そのまま災害時の粘り強さにもつながる。
ここが大事です。
■「深呼吸する正圧の家」と防災
明工建設では、
第一種熱交換換気や圧力バランスを活用した、
「深呼吸する正圧の家」
という考え方を大切にしています。
ただし、
正圧だから臭いも菌も全部外へ出してくれる。
そんな魔法の仕組みではありません。
トイレには適切な排気計画が必要ですし、
非常時に換気設備を維持するなら電源も必要です。
大切なのは、
気密。
換気。
給排気経路。
フィルター。
空調。
非常用電源。
これらを、
一つのシステムとして考えること。
です。
■水は「飲む水」と「流す水」を分けて考える
災害時には、
水も非常に貴重になります。
その時、
飲料水をトイレにどんどん使ってしまったらどうでしょう。
これはもったいないですよね。
だから、
飲むための水。
調理するための水。
身体を拭くための水。
トイレへ使う可能性がある生活用水。
用途を分けて考える必要があります。
そして、
下水が使えない状況では、
トイレを流すのではなく、
簡易トイレへ切り替える。
つまり、
「水を持っている」だけではなく、「水を何に使うか決めておく」
ことが重要です。
■子どもがいる家庭ほど「トイレ訓練」をしておく
特に、
30代。
40代。
子育て世代の皆さん。
私は一度、
家族で非常用トイレを使う練習をしてみてほしいと思います。
もちろん実際に排せつしなくても構いません。
袋を取り付ける。
凝固剤を確認する。
閉じる。
保管方法を確認する。
これだけでもいい。
子どもに、
「地震の時はトイレを勝手に流しちゃダメなこともあるんだよ」
と教えておく。
これは、
立派な防災教育です。
■非常用トイレは何回分必要か?
必要量は、
家族人数や想定する備蓄日数によって変わります。
だから、
「この数字だけ買えば絶対大丈夫」
とは言えません。
おすすめなのは、
まず、
家族が1日に何回トイレを使っているか
を数えてみることです。
例えば家族4人なら、
想像以上の回数になるはずです。
それを、
最低何日分備えるのか。
保管スペースはどこか。
定期的に使用期限や袋の劣化を確認する。
ここまで決めて、
初めて「備蓄」になります。
■防災用品は“ローリングストック”の発想で管理する
食料では、
ローリングストックという言葉がよく使われます。
普段使いながら、
減った分を補充する。
非常用トイレでも、
考え方は近いと思います。
キャンプ。
断水。
配管工事。
トイレ故障。
災害以外にも使える場面があります。
実際に一度使って、
使い方を覚えて、
減ったら買い足す。
「永久保存して忘れる防災」から、「普段から確認する防災」へ。
私は、この方が実践的だと思っています。
■明工建設が考える防災住宅は「足し算」ではありません
耐震等級3。
制震装置。
太陽光。
蓄電池。
V2H。
HEMS。
非常用トイレ。
全部付ければ、
防災住宅完成。
私は、そうは思いません。
設備をたくさん付けることではなく、
それぞれが災害時にどうつながって働くか。
ここが重要です。
例えば、
太陽光がある。
では、停電時にどの回路へ電気を送れる?
蓄電池がある。
では、換気設備はそこにつながっている?
V2Hがある。
では、その車は対応している?
高気密住宅。
では、停電時に換気が止まった場合どう運用する?
トイレ。
では、断水時に何回分備えている?
これを全部つなげる。
■これを私は「家庭のロジスティクス」だと思っています
歴史の話でも、
戦争は兵士の数だけでは決まりません。
食料。
水。
弾薬。
輸送。
情報。
これらが届かなければ、
どれだけ強い軍隊でも動けなくなる。
家も同じです。
災害時、
電気。
水。
空気。
温度。
通信。
食料。
排せつ。
この流れが止まれば、
生活は続けられません。
だから私は、
家にもロジスティクス設計が必要
だと思っています。
■「スマートオフグリッドハウス」もトイレ問題につながっている
明工建設が考える、
スマートオフグリッドハウス。
これは、
電力会社と完全に切り離した家
という意味ではありません。
普段は電力網につながりながら、
太陽光。
蓄電池。
HEMS。
必要に応じてEVやV2H。
こうした設備によって、
社会インフラへの依存度を下げておく家
です。
その目的は、
電気代だけではありません。
災害時、
少しでも長く生活を維持できる。
これが大きな意味を持ちます。
ただし、
水道や下水まで自立するわけではありません。
だからこそ、
トイレは別の備えを持っておく。
■住宅は「災害を防ぐもの」ではなく「被災後の負担を減らすもの」
どれだけ性能の高い家でも、
災害そのものをなくすことはできません。
南海トラフ巨大地震を、
住宅会社が止めることはできない。
台風を消すこともできません。
でも、
被災した後の家族の負担を減らすことはできます。
揺れに耐える。
室温が急激に変化しにくい。
電気を少し自給できる。
通信を維持できる。
冷蔵庫を使える。
換気ができる。
そして、
トイレが使える。
一つ一つは小さなことに見えます。
でも、
全部そろうと、
家族の生活継続力は大きく変わります。
■「トイレ」を考えると、本物の防災住宅が見えてくる
実は、
災害時のトイレを真剣に考えると、
家づくりの本質が見えてきます。
大きな吹抜け。
格好いいキッチン。
ホテルのような洗面。
もちろん素敵です。
でも、
大地震の翌日、
家族が一番欲しいものは、
豪華な設備ではないかもしれません。
普通に眠れる。
普通に水が飲める。
普通にトイレへ行ける。
普通にスマートフォンが使える。
普通に家族と過ごせる。
つまり、
災害時に最も価値があるのは「普通の暮らしをどこまで残せるか」
なのだと思います。
■仁藤流の結論。「強い家」とは、災害の後に家族が頑張らなくてもいい家
耐震性能が高い。
それは大事です。
でも、
私はもう一歩先まで考えたい。
家が残った。
その後、
家族が水を求めて走り回る。
スマートフォンの充電場所を探す。
暑さ寒さに耐える。
トイレを我慢する。
これでは、
まだ家族が戦わなければいけません。
だから私が考える、
本当の意味での「強い家」は、
災害の後に、家族が頑張らなくてもいい家。
です。
耐震。
制震。
高断熱。
高気密。
計画換気。
太陽光。
蓄電池。
HEMS。
EV・V2H。
そして、
非常用トイレ。
これらを一つの暮らしとして設計する。
その中で、
トイレは決して脇役ではありません。
むしろ、
人間が人間らしく暮らし続けるための、
とても基本的なインフラです。
家づくりを始める皆さん。
間取りを考える時、
収納を考える時、
キッチンを考える時、
ぜひ一度、
ご家族でこんな質問をしてみてください。
「もし今日、1週間水道が止まったら、この家でどうやってトイレを使う?」
すぐ答えられるなら、
かなり防災意識の高い家です。
答えられないなら、
家づくりをしている今が、
考える一番いいタイミングです。
防災とは、
怖がることではありません。
未来の困りごとを、元気な今のうちに一つずつ減らしておくこと。
私はそう考えています。
家は、
地震の日のためだけにつくるものではありません。
でも、
もしその日が来た時に、
「この家をつくっておいてよかった」
と思える。
そんな家づくりを、
明工建設はこれからも続けていきたいと思っています。
ご縁を大切に唯一無二の家造り。
住んでからがお付き合いの始まり。
おかげさまでありがとうございます。
お読みいただき、ありがとうございます。
もし今回の内容に少しでも共感いただけたなら、
こちらもきっとお役に立てると思います。
明工建設が選ばれる理由とは?
第1位 住む人の幸せを考え抜いた高性能住宅

明工建設の家は強い方が売れる、省エネだから売れる・・・
そんな安っぽい理由で、住宅を高性能にしているわけではありません。
高性能な家に住んでもらった先にある『家族の幸せ』を手に入れてもらいたいから高性能にしているのです。
第2位 圧倒的省エネ住宅で1,000万円以上の節約に

明工建設の考える住宅は、住むだけでお金が貯まります。
光熱費が0円以下にすることが出来る、圧倒的省エネ住宅であなたの家計を守ります。
第3位 売ることが仕事じゃない!お客様のありがとうを考えるご提案

明工建設は住宅を売ることを仕事だと考えていません。
お客様の幸せをとことん考え、その結果『ありがとう』を頂くことを仕事にしています。
その対価としてお金を頂く。これが明工建設のポリシーです。
第4位 最新の技術提供なのに、圧倒的なコスパを実現

M-THE BESTに代表されるように、明工建設の家は常に最新の技術を提供します。
それなのに誰もが納得、いやそれ以上のコスパの良さで皆様に選ばれています。
それを実現出来るのは、圧倒的な仕入れ力と無駄なお金を使わない工事力があるからです。



