御前崎で家を建てるなら、間取りより先に「水の行き先」を考えてほしいんです。

【仁藤流】豪雨被害への支援ニュースから考える、土地選びと水害に備える家づくり

おかげさまです。明工建設の仁藤です。

今日は、水の話をしたいと思います。

水といっても、飲み水やお風呂の話ではありません。

雨水です。

最近、豪雨による住宅被害のニュースを目にする機会がありますよね。

そんな中、住宅の防腐・防蟻関連事業などを手掛ける日本ボレイトさんが、豪雨で被災した住宅を支援する「水害対応キット」の無償提供を全国に広げるというニュースが紹介されていました。

被災した住宅の復旧を支える取り組みが広がるのは、ありがたいことです。

ただ、私はこのニュースを見て、現場監督として別のことも考えました。

それは、

「家が水につかった後のことも大切だけど、そもそも水がどこから来て、どこへ流れていくのかを、家を建てる前に考えているだろうか」

ということです。

家づくりというと、間取りやキッチン、断熱性能に目が向きます。

もちろん、それも大切です。

でも、家を建てる土地に大雨が降ったとき、雨水がどう動くのか。

これも、実は家づくりの大切な仕事なんです。

雨は、屋根に降るだけではありません

例えば、同じ広さの土地が二つあったとします。

どちらも日当たりがいい。

学校も近い。

買い物にも便利。

価格もほとんど同じ。

さて、どちらを選びますか。

ここで私は、もう一つ見てほしいことがあります。

道路との高さです。

周囲の土地との高さです。

そして、雨が降ったとき、水がどこへ流れていくかです。

雨水というのは、当然ですが、低い方へ流れます。

自分の敷地に降った雨だけなら、排水計画を考えることができます。

でも、周囲の道路や隣地から水が集まってくる場所だったらどうでしょう。

自分の家の屋根に降る雨だけを計算していても、十分とは限りません。

私は長く現場に関わってきましたが、家というのは建物だけを見ていても分からないことがあると思っています。

土地と建物は、セットで考えなければいけないんです。

御前崎だからこそ、確認しておきたいこと

御前崎市といっても、海に近い場所もあれば、内陸側の土地もあります。

高低差のある場所もあります。

川や水路の近くもあります。

ですから、「御前崎だから危ない」とひとくくりにはできません。

反対に、「この土地は海から離れているから安心」とも言い切れません。

豪雨による浸水と、津波や高潮では、起こる仕組みが違うからです。

土地を検討するときには、御前崎市や静岡県が公表しているハザードマップを確認してほしいと思います。

洪水。

高潮。

津波。

そして、利用できる地域では内水氾濫に関する情報。

それぞれを分けて見ることが大切です。

ただし、ハザードマップで色がついていない土地なら、絶対に浸水しないという意味ではありません。

地図には想定条件があります。

小さな水路や道路の排水状況、局地的な大雨などによって、地図だけでは読み取れないこともあります。

だから私は、土地を見るときに、現地も確認してほしいんです。

できれば晴れた日だけでなく、雨の日の様子も。

土地というのは、晴れた日に見ると、どこもきれいに見えるものですからね(笑)。

水害に備えるなら、家の高さも考えたい

家を建てるとき、建物の高さをどう決めるか。

これは見た目だけの話ではありません。

道路から玄関までの高さ。

敷地の地盤面。

基礎の高さ。

雨水が流れる方向。

こうしたことを一緒に考える必要があります。

例えば、周囲より低い土地なら、敷地を高くするという方法が考えられる場合もあります。

ただし、盛土をすれば必ず安全になるわけではありません。

隣地への排水や擁壁、地盤の安定性、法令上の制限なども関係します。

基礎を高くする場合も、費用や出入りのしやすさとのバランスがあります。

車椅子やベビーカーを使うことも考えたいですよね。

つまり、水害対策だけを優先して、暮らしにくい家になってしまっても困るんです。

家づくりは、いろいろな条件のバランスを取る仕事です。

だからこそ、設計する前に土地の条件を知っておくことが大切なんです。

床下に水が入ると、見えないところが心配です

住宅の水害というと、室内に泥水が入った写真を思い浮かべる方が多いと思います。

でも、建築屋として気になるのは、床下です。

床上まで水が来なくても、床下に浸水することがあります。

水が引いたからといって、それで終わりではありません。

泥やごみが残っていないか。

断熱材が濡れていないか。

木材の含水状態はどうか。

設備配管や電気配線に問題がないか。

こうしたことを確認する必要があります。

水分が残った状態が続けば、カビや材料の劣化につながるおそれがあります。

特に床下は、普段の生活ではなかなか見ない場所です。

だから、被災したときには、見えるところだけを掃除して安心しないでほしいんです。

住宅の構造や被害の程度によって、必要な清掃、乾燥、部材交換などは変わります。

自己判断で床下へ入ったり、電気設備に触れたりせず、安全を確認したうえで専門業者に相談することが大切です。

「乾いたように見える」と「きちんと乾いている」は違います

これも、現場監督としてお伝えしたいことです。

水に濡れた建材は、表面だけを見ると乾いているように感じることがあります。

でも、内部まで十分に乾燥しているとは限りません。

例えば、床材の下。

壁の内部。

断熱材の中。

こうした場所は、見た目だけでは判断しにくいんです。

だから、被災後の復旧では、必要に応じて含水状態を確認しながら進めることが大切です。

早く元の暮らしに戻りたい。

その気持ちは当然です。

でも、十分な確認をしないまま仕上げ材で覆ってしまうと、後から問題が見つかる場合もあります。

家づくりでも、修繕でも、見えなくなる部分ほど丁寧に。

これは、私が大切にしていることです。

太陽光や蓄電池も、水害への備えと一緒に考える

明工建設では、太陽光発電や蓄電池を組み合わせたスマートオフグリッドハウスを提案しています。

停電への備えとして、こうした設備には可能性があります。

でも、水害を考えるなら、もう一つ大切なことがあります。

その設備を、どこに置くか。

例えば、蓄電池やパワーコンディショナー、分電盤などです。

設置する高さや場所によって、浸水時の被害リスクが変わる場合があります。

せっかく停電に備えて蓄電池を設置しても、その設備自体が浸水して使えなくなってしまったら困りますよね。

だから、設備の容量や価格だけでなく、設置場所も考えたいんです。

もちろん、太陽光発電や蓄電池があれば、どんな災害でも電気が使えるわけではありません。

浸水や設備故障によって使用できなくなることもあります。

停電時に使える回路や電力量も、設備の仕様によって違います。

水害時には感電や火災の危険もありますから、浸水した電気設備を安易に操作したり、再通電したりしないことが大切です。

電気をつくることと、災害時に安全に使えること。

この二つは、分けて考える必要があります。

被災した後の支援が広がるのは、ありがたいことです

今回の日本ボレイトさんのニュースで、私が良いと思ったのは、被災した住宅の復旧に目を向けていることです。

災害対策というと、どうしても被害を防ぐ話が中心になります。

でも、現実には、どんな備えをしても被害を完全にゼロにできるとは限りません。

そのとき、どう立ち直るか。

誰に相談できるか。

どんな支援があるか。

これも大切です。

ただし、水害対応キットの具体的な内容や提供条件、対象となる方については、最新の案内を確認する必要があります。

無償提供という言葉だけで、誰でもいつでも受け取れると思い込まない方がいいでしょう。

また、キットがあれば住宅の復旧をすべて自分でできるわけでもありません。

被害の程度によっては、専門的な調査や工事が必要です。

私は、こうした支援の輪が広がることと同時に、地域の住宅会社が被災後の相談先として役割を果たせることも大切だと思っています。

水害の修繕費は、家計にとっても大きな問題です

家づくりでは、住宅ローンの返済額を一生懸命考えますよね。

月々いくらなら大丈夫か。

金利が上がったらどうするか。

教育費と両立できるか。

これは、とても大切です。

でも、家を建てた後に、予想していなかった修繕費が発生することもあります。

水害も、その一つです。

床材の交換。

断熱材の交換。

設備機器の修理や交換。

清掃や乾燥の費用。

場合によっては、一時的に別の場所で暮らすための費用も必要になります。

もちろん、被害の程度によって費用は大きく違います。

だからこそ、家を建てる前に水害リスクを調べておくことが、将来の家計を守ることにもつながるんです。

そして、火災保険の水災補償についても確認しておきたいところです。

水災補償は、契約内容によって対象となる事故や支払条件が違います。

「火災保険に入っているから水害も全部大丈夫」とは限りません。

建物だけでなく、家財の補償も含めて確認しておくと安心です。

家を建てる前に、住宅会社へ聞いてほしいこと

私は、これから御前崎で土地を探す方に、住宅会社へこんな質問をしてほしいと思っています。

「この土地に大雨が降ったら、水はどこへ流れますか?」

そして、もう一つ。

「もし床下に水が入ったら、どんな確認や復旧が必要になりますか?」

この二つです。

土地を見て、間取りを考えて、家を建てる。

それだけでなく、住んでから起こり得ることまで一緒に考えてくれるか。

私は、そこが住宅会社を選ぶうえで大切なポイントだと思っています。

もちろん、住宅会社だけですべての災害を予測できるわけではありません。

必要に応じて、自治体の資料や地盤・排水の専門家の知見も活用する必要があります。

でも、分からないことを分からないままにしない。

それが大切なんです。

最後に。家は、建てる場所から考えてほしいんです

私は、家の性能を大切にしています。

断熱。

気密。

換気。

耐震。

太陽光発電や蓄電池。

どれも、住んでからの暮らしに関係する大切なものです。

でも、今日のニュースを見て、改めて思いました。

どんなに高性能な家でも、建てる場所の条件を無視してはいけない。

土地に水が集まるなら、そのことを考える。

浸水の可能性があるなら、建物や設備の配置を考える。

そして、万一被災したときの復旧や保険のことまで考える。

これも、家づくりです。

家を建てるときには、どうしても新しいキッチンや素敵なリビングに目が向きます。

それはそれで、楽しいことです。

私も、そういう話は好きですよ(笑)。

でも、家族が何十年も暮らす場所ですから。

晴れた日のことだけでなく、雨の日のことも考えてほしいんです。

御前崎で家づくりを考えている皆さん。

土地を見に行くとき、ぜひ足元も見てください。

そして、水がどこへ流れていくのか、少し想像してみてください。

その小さな確認が、将来の大きな安心につながるかもしれません。

ご縁を大切に唯一無二の家造り。

住んでからがお付き合いの始まり。

おかげさまでありがとうございます。


参考ニュース

リフォーム産業新聞「日本ボレイト、豪雨被害住宅への支援を全国へ拡大 『水害対応キット』無償提供」(2026年10月)

※水害対応キットの内容・提供条件は、提供元の最新情報をご確認ください。土地ごとの浸水リスクは、自治体のハザードマップや現地調査などを組み合わせて判断する必要があります。

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