【仁藤流・お金と家づくり編】NISAだけが「投資」ではない。家族の未来にお金を使うことも、立派な資産形成です

皆さま、おかげさまです。
明工建設 代表取締役、一級建築士の仁藤 衛です。

最近、本当に「投資」という言葉をよく聞くようになりました。

NISA。

投資信託。

インデックスファンド。

高配当株。

米国株。

SNSを開けば、

「今年は何%増えた」

「この銘柄が上がった」

「暴落が来る」

そんな話が毎日のように流れてきます。

資産形成を考えること自体は、とても大切です。

ただ私は、家づくりに携わる立場から、一度だけ立ち止まって考えてほしいと思っています。

「あなたは、何のためにお金を増やしたいのですか?」

数字を増やすためでしょうか。

それとも、

自分と家族の人生を、

より安心して、

より快適に、

より豊かにするためでしょうか。

今日は、

「投資」と「投機」という言葉から、

家づくりとお金について、

仁藤流で考えてみたいと思います。


■最初に。「株を買う=全部投機」ではありません

まず、ここは正確にしておきたいところです。

NISAで投資信託や株式を買うことを、

すべて「投機」と呼ぶのは適切ではありません。

株式投資にも、

長期的に企業の成長へ資金を投じる考え方があります。

インデックス投資も、

短期売買ではなく、

長期・積立・分散を前提として資産形成を行う方法として使われています。

一方で、

「来週上がりそうだから買う」

「SNSで話題だから買う」

「短期間で2倍にしたい」

というように、

価格変動そのものへ賭ける色合いが強くなれば、

投機的な性質が強くなります。

つまり大事なのは、

金融商品かどうかではなく、“何を目的に、どう向き合っているか”

です。


■「投資」と「投機」は、時間軸が違う

私は、この二つの違いを、

難しい金融用語より、

もっと簡単に考えています。

投機は、

値段の変化から利益を得ようとする行為。

投資は、

将来、価値を生み続けるものへ資本を振り向ける行為。

もちろん現実にはきれいに二つへ分けられるわけではありません。

株式投資の中にも投機的要素がありますし、

不動産にも投資的要素と投機的要素があります。

ただ、

短期的な価格ばかりを見るのか。

長期的に生み出す価値を見るのか。

ここには大きな違いがあります。


■家づくりにも「投機」と「投資」がある

これは住宅も同じです。

例えば、

「この土地は値上がりしそうだから買おう」

「数年後に高く売れそうだから建てよう」

こういう目的なら、

不動産投機の要素が強くなります。

一方で、

家族がこれから30年、40年暮らす家をつくる。

冬に寒すぎない。

夏に暑すぎない。

少ないエネルギーで暮らせる。

災害時にも生活を続けやすい。

子どもが安心して帰ってこられる。

家族の時間をつくれる。

そういう家にお金を使う。

私はこれは、

「暮らしへの長期投資」

だと思っています。


■家は「値上がりするから価値がある」のではない

住宅を投資というと、

すぐ、

「資産価値が上がりますか?」

という話になります。

もちろん、

土地や建物の市場価値も重要です。

でも、

自宅には市場価格だけでは測れない価値があります。

毎朝起きる。

朝食を食べる。

子どもを送り出す。

疲れて帰る。

お風呂に入る。

眠る。

休日を家族で過ごす。

人生のかなりの時間を、

人は家の中で過ごします。

つまり住宅は、

単なる不動産ではなく、

毎日使い続ける生活インフラ

なんです。


■高性能住宅は「設備投資」に近い

例えば、

断熱性能を高める。

気密性能を高める。

窓を良くする。

日射遮蔽を考える。

計画換気をきちんとする。

こうしたものは、

見た目には派手ではありません。

でも、

これらによって、

少ない冷暖房エネルギーで室温を整えやすくなる。

家の中の大きな温度差を抑えやすくなる。

結露リスクを減らしやすくなる。

空調設備を必要以上に大きくせずに済む可能性がある。

つまり、

住宅そのものの“基礎体力”を上げる投資

なんです。

工場に高効率な設備を入れるのと、

少し似ています。

最初の金額だけを見ると高い。

でも、

その設備を何十年も使うなら、

運用まで考えなければ本当のコストは分かりません。


■家づくりで一番怖いのは「初期費用しか見ないこと」

家を建てる時、

どうしても、

「坪単価はいくら?」

「本体価格はいくら?」

となります。

もちろん予算は非常に大切です。

でも、

家は完成した日に使い終わる商品ではありません。

そこから、

30年。

40年。

場合によっては50年以上使います。

だったら考えるべきは、

建てる時の価格+住んでからの価格

です。

冷暖房費。

給湯費。

設備交換。

外壁。

屋根。

防水。

修繕。

場合によっては、

太陽光。

蓄電池。

EV。

こうしたものまで含めて、

家計全体を考える。

私はこれを、

住宅のライフサイクルコストだと思っています。


■「安い家」が、本当に一番安いとは限らない

例えば、

最初に300万円安く建てられた。

でも、

断熱や窓性能が弱くて、

冷暖房負荷が大きい。

設備も大きい。

快適性も低い。

将来の改修費も増える。

こうなれば、

建てた瞬間だけ見れば安くても、

30年後には違う結果になる可能性があります。

逆に、

最初に少し多く投資して、

住宅そのものの性能を高める。

日々のエネルギー消費を抑える。

設備を必要以上に大きくしない。

長持ちする材料を選ぶ。

この方が、

長期的には合理的になる場合があります。

だから、

「安いか高いか」ではなく、「何にお金を使っているか」

を見る必要があります。


■家族への投資という考え方

もう一つあります。

それが、

家族への投資です。

例えば、

冬の朝、

布団から出るのがつらいほど寒くない。

洗面所だけ極端に冷えない。

夏の夜、

寝室が蒸し暑くて眠れない状態を減らす。

家の中で、

子どもが安心して過ごせる。

家族が集まる場所がある。

これは株価のように、

毎日数字で表示されるものではありません。

でも、

毎日の生活品質として積み上がっていくリターン

です。


■ただし「家を建てれば健康になる」とは言いません

ここも大切です。

高性能住宅を建てたから、

病気にならない。

健康寿命が必ず延びる。

子どもの自己肯定感が必ず上がる。

そんな単純な話ではありません。

健康や成長は、

食事。

運動。

睡眠。

人間関係。

医療。

教育。

さまざまな要素によって決まります。

住宅ができるのは、

その中の一つとして、

身体へ余計な負担をかけにくく、安心して暮らしやすい環境をつくること

です。

私はそれでも十分、大きな価値だと思っています。


■「株は家族を温めてくれない」は半分正しく、半分違う

少し刺激的な言い方をすれば、

株式の数字だけでは、

今日のリビングを暖めてはくれません。

雨も防ぎません。

地震から家族を守ってもくれません。

ただ、

金融資産は金融資産で、

老後資金。

教育資金。

非常時資金。

選択肢を増やす力があります。

だから私は、

「NISAなんてやめて家を買え」

とは言いません。

むしろ、

金融資産と生活資産、両方をバランスよくつくる

ことが大切だと思っています。

全部を住宅へ入れる。

全部を投資信託へ入れる。

どちらも極端です。


■家を建てることは「純度100%の投資」でもありません

住宅には、

資産としての側面だけでなく、

消費の側面もあります。

大きすぎる家。

使わない部屋。

豪華すぎる設備。

流行だけで選んだ仕上げ。

これらは、

必ずしも将来価値を生むとは限りません。

だから、

家づくりも、

何でもお金を掛ければ投資になるわけではありません。

重要なのは、

将来の暮らしへ本当に価値を返してくれるところへお金を使うこと。

です。

私なら、

まず、

構造。

断熱。

気密。

窓。

換気。

防水。

耐久性。

メンテナンス性。

こういう、

後から変えにくいところへお金を使います。


■「見える設備」より「見えなくなる性能」

キッチンは、

後から交換できます。

照明も変えられます。

家具も変えられます。

でも、

壁の中の断熱。

気密ライン。

構造。

基礎。

窓の位置。

こういったものは、

完成後に直そうとすると大変です。

だから私は、

家づくりのお金を、

後から変えにくいものから優先して使う

ことをおすすめしています。

これは投資の考え方と似ています。

短期の見栄えではなく、

長期的に価値を生む基盤へ資本を入れる。


■では「家は今すぐ建てた方が得」なのか?

ここは少し冷静に考えなければいけません。

建築費。

人件費。

金利。

土地価格。

これらが将来どう動くかを、

誰も完全には予測できません。

ですから、

「今日が絶対に人生で一番安い」

とは言い切れません。

住宅価格が調整する可能性もあります。

金利が変わる可能性もあります。

経済状況も変わります。

ただ一方で、

建築資材。

物流費。

人件費。

職人不足。

住宅性能基準の高度化。

こうしたコスト要因がありますから、

昔とまったく同じ仕様・価格へ簡単に戻ると期待するのも危険です。


■家づくりで「待つ」ことにも価格がある

そして、

お金だけではないんです。

「あと5年待てば安くなるかも」

そう考えたとします。

5年間、

賃貸で暮らす。

これ自体が悪いことではありません。

賃貸には、

転居しやすい。

大きな修繕リスクを持たない。

ライフスタイルの変化へ対応しやすい。

というメリットがあります。

ですから、

「家賃は全部捨て金」

とも私は言いません。

家賃は、

住む権利や柔軟性に対して支払う対価です。

ただ、

家を建てたい目的が明確で、

長く住む場所も決まっているのに、

「なんとなく不安だから」

という理由だけで何年も先送りするなら、

待つことにもコストがあります。


■一番取り戻せないのは「時間」

私が家づくりで、

お金以上に大切だと思っているもの。

それが、

時間です。

例えば、

子どもが3歳。

家を建てるか迷って、

7年待つ。

その時、

子どもは10歳です。

庭で遊ぶ時間。

リビングを走り回る時間。

一緒にお風呂に入る時間。

親のところへ甘えてくる時間。

これは、

株価が上がっても、

あとで買い戻すことができません。

家を建てる最大のリターンは、

もしかすると、

「家族でその家を使えた時間」

なのかもしれません。


■35歳で建てる家と、55歳で建てる家では「使える年数」が違う

仮に、

35歳で家を建てる。

85歳まで暮らせば、

50年間その家を使えます。

55歳なら、

同じ85歳まででも30年間です。

もちろん、

だから若いうちに無理して住宅ローンを組め、

という話ではありません。

大切なのは、

住宅への投資効果には“使える時間”という要素がある

ということです。

少し高性能にした家でも、

長く使えば使うほど、

快適性。

省エネ性。

暮らしやすさ。

その恩恵を受ける期間は長くなります。


■ただし「早く買うこと」より「無理なく持てること」が先です

ここは絶対に忘れてはいけません。

住宅は、

人生最大級の買い物です。

「早い方が得です」

という言葉だけで、

無理なローンを組むべきではありません。

教育費。

老後資金。

車。

旅行。

趣味。

病気や転職。

人生には住宅以外にもお金が必要です。

だから、

家を買うことが人生を苦しくしたら、本末転倒です。

家は家族を守るためのもの。

住宅ローンのために、

家族が毎日我慢する。

それでは、

何のための家なのか分からなくなります。


■住宅ローンも「借金」ではある。でも何を残す借金なのか

以前、財政の話でも書きましたが、

借金だから全部悪い、

とも限りません。

例えば、

住宅ローンは負債です。

でも、

その負債によって、

長く使える住宅という資産を手に入れます。

重要なのは、

借りたかどうかだけではありません。

借りたお金で、何をつくったのか。

です。

見栄のために大きな家を建てたのか。

それとも、

長く使える性能。

家族の安全。

省エネ。

メンテナンス性。

そういう価値をつくったのか。

同じ3,000万円でも、

中身はまったく違います。


■私は「住宅ローン=悪」とも「賃貸=損」とも言いません

この二択論、

私は好きではありません。

賃貸が合う人もいます。

持ち家が合う人もいます。

転勤が多い。

将来住む地域が決まっていない。

親の家を相続する可能性がある。

こういう人なら、

急いで建てない方が合理的な場合もあります。

逆に、

住む地域が決まっている。

子育て環境を整えたい。

長く暮らす予定。

住宅性能にもこだわりたい。

そういう人なら、

早めに検討する意味があります。

だから、

「全員買うべき」ではなく、「自分の人生設計から逆算する」

ことが大切です。


■投資で本当に大切なのは「リターンの種類」

一般的な投資では、

何%増えた。

何円儲かった。

と数字でリターンを測ります。

でも、

人生には数字にできないリターンがあります。

毎朝寒くない。

よく眠れる。

家事動線が短い。

収納でイライラしない。

災害時に少し安心できる。

家族で食卓を囲める。

子どもが友達を連れてくる。

休日に家にいることが心地いい。

こういうものは、

証券口座には表示されません。

でも、

人生全体で見れば、非常に大きな配当

ではないでしょうか。


■明工建設が考える「暮らしへの投資」

明工建設が、

高断熱。

高気密。

全棟気密測定。

第一種熱交換換気。

「深呼吸する正圧の家」。

耐震等級3。

制震。

太陽光発電。

蓄電池。

HEMS。

必要に応じてEV・V2H。

こうしたものを考える理由も、

設備をたくさん売りたいからではありません。

目的は一つです。

将来、家族が使うエネルギーと、頑張らなければいけない量を減らすこと。

です。

寒いから厚着する。

暑いから一部屋へ集まる。

電気代が怖いから我慢する。

災害時に電気が全部なくなる。

そういう暮らしの負担を、

住宅そのものの性能で減らしていく。


■「家は住む場所」から「家族の生活基盤」へ

私は住宅を、

単に寝る場所だとは思っていません。

働く。

休む。

食べる。

眠る。

育てる。

学ぶ。

遊ぶ。

災害から身を守る。

人生のさまざまな活動の、

基盤

です。

だから、

家へのお金の使い方は、

単なる消費ではありません。

適切に計画すれば、

未来の生活を支える資本形成にもなります。


■仁藤流の結論。「いくら増えるか」だけが投資ではない

NISAをやる。

いいと思います。

投資信託を積み立てる。

それも大切でしょう。

老後資金を準備する。

必要です。

でも、

それだけが投資ではありません。

自分の技術を高める。

子どもの教育へ使う。

健康へ使う。

事業へ使う。

そして、

毎日を過ごす住環境へお金を使う。

これも立派な投資だと、

私は思っています。

ただし、

家なら何でもいいわけではありません。

大きければいいわけでもない。

豪華ならいいわけでもない。

将来にわたって、

どんな価値を返してくれる家なのか。

そこを見る。


最後に、

これから家づくりを考えている20代、30代、40代の皆さんへ。

証券口座を開いて、

毎日、

「今日は上がった」

「今日は下がった」

と見る前に、

一度だけ、

自分自身に聞いてみてください。

「私は、何のために資産をつくっているのだろう?」

最後に欲しいのは、

口座残高でしょうか。

それとも、

安心して過ごせる時間でしょうか。

家族との思い出でしょうか。

健康的に暮らしやすい環境でしょうか。

人生の目的は、

お金そのものではありません。

お金は、

人生をより良くするための道具

です。

そして家も、

建てることそのものが目的ではありません。

その家で、どんな人生を過ごすのか。

ここが目的です。

だから私は、

「投機は悪、投資は善」

という単純な話ではなく、

お金を“未来の価値”へ変えられているか

を考えてほしいと思っています。

家づくりでも同じです。

一番大切なのは、

「今いくら得するか」

ではありません。

30年後、

40年後、

振り返った時に、

「あの時、この家にお金を使ってよかった」

そう思えるかどうかです。

それこそが、

仁藤流で考える、

本当の意味での「住宅投資」です。

ご縁を大切に唯一無二の家造り。

住んでからがお付き合いの始まり。

おかげさまでありがとうございます。

NISAだけが「投資」ではない。家族の未来にお金を使うことも、立派な資産形成です - YouTube

この動画の概要NISAや株だけが「投資」ではありません。毎日を過ごす家も、30年・50年先の家族の健康・時間・光熱費・安心を支える大切な「生活資産」です。初期価格だけ…

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