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見積もりの安さだけで「住宅会社」を決めてはいけない理由#仁藤流(一級建築士+一級施工管理技士)

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見積もりの安さだけで「住宅会社」を決めてはいけない理由#仁藤流(一級建築士+一級施工管理技士)
見積もりの安さだけで「住宅会社」を決めてはいけない理由#仁藤流(一級建築士+一級施工管理技士)
ロビー邸

今回は、見積もりの安さだけで「住宅会社」を決めてはいけない理由を見ていきます。※本連載では、オーガニックで豊かな暮らしの家づくり推進協議会・会長で、明工建設株式会社の代表取締役・仁藤 衛氏の著書、『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)の中から一部を抜粋し、家づくりに潜む「7つの落とし穴」を明らかにし、それらを回避するためのポイントを解説します。

最初の見積もりは「安く見せる工夫」がされている!?

あなたに問いたいのは、「何社か見積もりを取って、一番安いところで決めてしまって大丈夫ですか?」ということです。

住宅会社といっても、ピンからキリまであります。建設業許可(一般、特定等)を持っているかどうかは、当然チェックしてください。無許可業者が家を売っている(仲介している)こともあるので、そういうところはやめましょう。

そして、家は30年以上のローンを組んで、長い時間をかけて購入していくものです。途中でメンテナンスが必要になったり、何かアクシデントが起こったり、災害もあるかもしれません。何が起こるか本当にわかりません。最初の価格が安いからという理由だけで決めると、後で何かあったとしても会社がなくなってしまって大変ということもあります。

じつは、見積もりの内容でもめることもよくあるのです。

たとえば、契約事項には入っていなくて、実際に工事が進む中で追加オプションの費用がかかることが判明し、しかも値段が高いといったようなことがあります。

最初の見積もりは、極力安く見せる工夫がされていると思ったほうがいいのです。見積もりに書かれていないことをどれだけ読み取れるか、そこは本当に信頼できる人と相談しながら、見積もりには書かれていない、目に見えない部分についてきちんとわかるように説明をしてくれる会社とタッグを組んだほうが良いということです。

2番目に安い会社に、価格差を精査させるのも手

何社かを比べたいと思ったら、同じ図面、同じ仕様で出してもらってください。素人でもパッと見て比べられるように、条件を揃えて見積もりを取ることです。その上で見積もり金額が出たら、どの業者に決めるかが重要です。私なら迷わず安いほうから2番目の業者とまずは話を進めます。

逆に一番安い業者に決めてもいい場合は、お客さま(施主)と施工業者の間に、図面、仕様、価格などの精査ができる人(設計事務所等)が監理業務で入るケースです。

しかし、多くは直接のやりとりでしょう。その場合、2番目の価格の会社に、最安値会社の見積もりを精査してもらうのです(これは裏ワザで業者泣かせにはなりますが)。安ければ安いほうが良いと思うかもしれませんが、安易に安い業者に決めてしまうと、じつは、見積もり外の別途工事が多い、安い材料を使っているなどの可能性もあります。それも含めて、2番目の会社に価格の差を明確にしてもらうわけです。

2番目の会社から、あなたの希望にそった価格にしてもらえるか否かの答えをもらうのは、安い会社の金額を精査してからにしてください。私が仮に2番目の会社の立場だったら、違いを明確に説明して、できるものはできる、できないものはできないとお答えするようにしています。

実際、金額が安い理由は、見積もりの書き方の違いに隠れていることが多いのです。お客さまが価格だけで判断するのは、危険です。私の会社でも、提案型の競争見積もりを提出する機会はたくさんあります。安いところに決めたお客さまに結果を確認すると、やはり別途工事が多かったり、仕様、グレードが低かったりで、追加工事まで含めると私たちのほうが安かったという意見を多く聞くからです。

余談ですが、私も最後まで見届けたい性格ですから、結果にはこだわります。工事完成後は、必ず家を拝見しています。そこで改めて信頼を得て、太陽光発電システムの設置工事や外構工事を受けることも多々あります。

見積書の内容について納得するまで質問を

話を戻しますが、見積書に何が書いてあるかわからなかったら、納得するまで質問してください。曖昧にしたまま契約をするのは絶対にやめましょう。

最終的にはあなたの予算が大事なのです。いくらなら払えるのかをしっかり見積もってください。「絶対にはずせないもの」と、「あったらいいもの」の仕分け、優先順位をしっかりつけておくことです。

「長い人生の間、どのような生活を送りたいのか」

何度も言うようですが、それが家づくりの重要ポイントです。

営業マンが、「これはいいものですから、入れておきましょう」「最新の設備を付けておいたほうが、ゆくゆくはお金がかからないですよ」「オススメです」といろいろ提案してきたら、その根拠を確認することです。説明してもらった内容について、第三者にも質問してみましょう。まったく別の見解があるかもしれません。

見積もりが安いからといって、安易に決めないこと。肝に銘じておいてください。