おかげさまです。明工建設の仁藤です。
皆さんは、家の換気扇に毎月どのくらいの電気代がかかっているか、ご存じでしょうか。
「換気扇の電気代なんて、そんなに気にしたことがないよ」
という方も多いと思います。
ところが、これから家を建てようとすると、住宅会社からこんな説明を受けることがあります。
「第一種換気は機械を使うので、電気代が高いですよ」
「第三種換気は設備がシンプルなので、経済的ですよ」
反対に、
「熱交換型の第一種換気なら、冷暖房費を抑えられます」
という話も聞きます。
さて、どちらが正しいのでしょうか。
実は、どちらの説明にも一理あります。
でも、私はこの話を聞くたびに、少し気になることがあります。
それは、換気扇を動かす電気代と、家全体で使う電気代が、同じものとして語られてしまうことです。
換気設備だけを見れば、電気代の安いものがあるでしょう。
しかし、その換気によって冬の暖かい空気がどれくらい失われるのか。
夏に外から入ってくる熱を、どれくらい冷房で処理する必要があるのか。
さらに、設備の清掃や交換にいくらかかるのか。
ここまで考えると、答えは少し変わってきます。
今日は、掛川市で家づくりを考えている皆さんへ、第一種換気と第三種換気の違いを、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。
1.最初に結論。換気扇の電気代だけなら、第三種換気が有利な場合があります
まず、結論からお伝えします。
換気設備そのものの消費電力や初期費用では、第三種換気が有利になる場合があります。
一方、熱交換型の第一種換気は、換気によって失われる熱を減らし、冷暖房の負担を抑えられる場合があります。
つまり、比べるべきものが二つあるのです。
一つは、換気設備を動かすための電気代。
もう一つは、換気による熱の出入りも含めた、家全体の冷暖房費です。
さらに、フィルターや機器の交換費用まで含めれば、比較はもっと複雑になります。
ですから私は、住宅会社にこう聞いていただきたいと思っています。
「換気設備の電気代はいくらですか?」
それだけでなく、
「冷暖房費とメンテナンス費まで含めると、どう違いますか?」
と。
家は、換気扇だけを動かして暮らすものではありませんからね(笑)。
2.第一種換気と第三種換気の違いを、簡単に説明します
少し専門的な話になりますが、難しく考える必要はありません。
家の換気は、基本的に「外から空気を入れること」と「室内の空気を外に出すこと」で成り立っています。
この二つを、どのように行うかが違います。
第一種換気は、給気も排気も機械で行う方式
第一種換気は、外から空気を取り入れる給気と、室内の空気を外へ出す排気の両方を、ファンなどの機械で行う方式です。
給気量と排気量を機械で計画しやすいという特徴があります。
また、第一種換気には、熱交換機能を備えた製品があります。
熱交換とは、外へ捨てる室内の空気が持っている熱を、取り入れる外気へ一部移す仕組みです。
例えば、冬の室内が暖かく、外が寒いとします。
そのとき、暖かい室内の空気をそのまま排気するだけでは、熱も一緒に外へ出ていきます。
熱交換型なら、その熱の一部を回収し、外から入ってくる空気を暖めることができます。
夏は逆に、冷房された室内の空気を利用して、取り入れる外気の熱を一部減らすことができます。
ただし、第一種換気のすべてが熱交換型というわけではありません。
また、熱交換効率は製品や運転条件によって異なります。
第三種換気は、排気を機械で行う方式
第三種換気は、室内の空気を機械で外へ排出し、外の空気を給気口などから取り入れる方式です。
一般に、設備構成をシンプルにしやすく、初期費用や機器の消費電力を抑えられる場合があります。
ただし、一般的な第三種換気では、外気を熱交換せずに取り入れます。
冬には冷たい外気が入り、夏には暖かい外気が入ることになります。
その空気を室内の快適な温度に近づけるために、冷暖房のエネルギーが必要になる場合があります。
だからといって、第三種換気が悪いわけではありません。
適切な給気口の配置、気密性能、必要な換気量が確保されていれば、十分に機能する換気方式です。
大切なのは、第一種か第三種かという名前ではなく、どのように設計されているかなのです。
3.冬の朝を想像すると、熱交換の意味がわかりやすくなります
例えば、掛川市の冬の朝。
外は冷え込んでいます。
家の中ではエアコンを使って、リビングを暖かくしています。
そこで、窓を開けて換気したらどうでしょう。
新鮮な空気は入ってきますが、同時に冷たい空気も入ってきます。
室内の温度が下がれば、エアコンは再び部屋を暖めようとします。
換気というのは、空気を入れ替えることですから、空気と一緒に熱も移動します。
ここがポイントです。
第三種換気では、基本的に外気をそのまま取り入れます。
一方、熱交換型の第一種換気では、排気する空気の熱を一部回収してから外気を取り入れます。
そのため、条件によっては暖房負荷を減らせるわけです。
ただし、ここで勘違いしてはいけません。
熱交換型の換気設備を付けたからといって、暖房が不要になるわけではありません。
また、必ず電気代が安くなるとも限りません。
建物の断熱性能、気密性能、外気温、家族の生活時間、換気量、機器の消費電力などによって結果が変わるからです。
熱交換は、冷暖房の負担を減らすための一つの手段。
私は、そう理解していただくのが良いと思います。
4.電気代を比較するとき、三つのお金を分けて考えてください
私は、換気設備の経済性を考えるとき、三つのお金を分けて考えることをおすすめしています。
① 換気設備を動かす電気代
まずは、換気設備そのものの消費電力です。
例えば、24時間連続で運転する機器の場合、消費電力が20Wなら、
20W × 24時間 × 30日 = 14.4kWh
となります。
仮に電気料金を1kWh当たり31円として計算すると、
14.4kWh × 31円 = 約446円
です。
同じ条件で消費電力が40Wなら、約893円になります。
ただし、これは説明のための仮定です。
実際の消費電力は製品や風量設定、運転状態によって異なりますし、電気料金単価も契約によって変わります。
大切なのは、機器の名前ではなく、実際に採用する製品の消費電力を確認することです。
② 換気によって変わる冷暖房費
次に、換気によって出入りする熱の影響です。
例えば、冬に冷たい外気が入れば、暖房でその空気を暖める必要があります。
熱交換型の換気設備なら、この負担を一部減らせる可能性があります。
ただし、回収できる熱の量は、外気温や室温、換気量、機器の性能によって変わります。
また、熱交換による省エネ効果と、換気機器の消費電力増加を比較する必要があります。
ここを考えずに、
「第一種換気は電気代が高い」
あるいは、
「熱交換型なら必ず得をする」
と判断するのは、少し早いと思います。
③ フィルターや機器の維持管理費
そして、もう一つ忘れてはいけないのが、メンテナンス費です。
フィルターの清掃や交換。
ファンの点検。
必要に応じた部品や機器の交換。
ダクトがある場合には、その点検や清掃方法も確認したいところです。
設備は、取り付けて終わりではありません。
10年、20年、30年と暮らしていく中で、維持管理が必要になります。
私は、住宅設備を選ぶときには、購入時の価格だけでなく、将来の維持費も含めて考えていただきたいと思っています。
これが、私のよくお話しする生涯住宅費という考え方につながります。
5.断熱と気密が不十分なら、換気方式だけを比較しても意味がありません
ここで、もう一つ大切な話をします。
それは、換気は家全体の性能と関係しているということです。
例えば、どんなに優れた熱交換型の換気設備を採用しても、家の隙間が多く、想定していない場所から外気が入り込むようでは、計画した空気の流れをつくりにくくなります。
また、断熱性能が十分でなければ、壁や窓から熱が出入りし、冷暖房の負担が大きくなることがあります。
つまり、換気設備だけを高性能にしても、それだけで快適な家になるわけではありません。
断熱。
気密。
換気。
空調。
日射遮蔽。
これらを一つの仕組みとして考える必要があります。
明工建設では、UA値やC値などの性能も大切にしています。
しかし、数字が良ければそれで完成とは考えていません。
実際に住んだとき、冬の朝はどう感じるのか。
夏の二階はどうなのか。
寝室に必要な空気は届いているのか。
設備の手入れはしやすいのか。
そうした暮らしの場面まで考えることが、住宅設計だと思っています。
数値は手段、住み心地が目的。
この考え方は、換気設備を選ぶときにも同じです。
6.換気と健康の関係は、正しく理解しておきたいところです
最近は、室内の空気環境に関心を持つ方が増えているように感じます。
花粉。
ハウスダスト。
湿気。
におい。
二酸化炭素濃度。
こうしたことが気になる方もいらっしゃるでしょう。
特に小さなお子様がいるご家庭では、空気の質を大切にしたいと思うのは自然なことです。
ただし、私はここでも、過度な期待を持たせるような説明はしたくありません。
第一種換気だから健康になる。
正圧の家だからアレルギーが治る。
そういう単純な話ではありません。
室内の空気質には、換気量、フィルター性能、建材、掃除、湿度、家族の生活習慣など、多くの要素が関係しています。
また、花粉や微粒子をどの程度除去できるかは、採用するフィルターの性能や設置・管理状態によって異なります。
だからこそ、住宅会社には、
「どのような空気を、どこから取り入れるのですか?」
「フィルターには、どのような性能がありますか?」
「寝室のドアを閉めた状態でも換気できますか?」
「フィルターの掃除は、どのくらいの頻度で必要ですか?」
といったことを確認していただきたいと思います。
家族の健康を大切に考えるからこそ、仕組みを正しく知ることが重要なのです。
7.明工建設が「正圧の家」に取り組む理由
ここからは、明工建設の家づくりについて少しお話しします。
私たちは、第一種換気の仕組みを活用しながら、室内の空気の流れや圧力を考えた住宅づくりに取り組んでいます。
その一つが、**「深呼吸する正圧の家」**です。
正圧とは、室内の気圧が屋外よりわずかに高い状態のことです。
適切な気密性能と給排気のバランスが整えば、建物の隙間から外気が無秩序に入り込むことを抑えやすくなります。
ただし、第一種換気を採用しただけで、必ず正圧になるわけではありません。
換気設備の設定、建物の気密性能、外の風、室内の換気扇の使い方などによって、圧力の状態は変わります。
ですから、正圧の家は換気設備だけの話ではないのです。
基礎や構造の考え方。
階段や吹き抜けの配置。
空気の通り道。
エアコンの配置。
外付けブラインドによる日射遮蔽。
こうしたものを組み合わせて考えています。
私は以前、新潟県上越市にある正圧の家のモデルハウスに宿泊し、冬の室内環境を実際に体感したことがあります。
寒い地域での体験は、設備のカタログを見るだけではわからないことを考える機会になりました。
ただし、ある一日の体感や温度記録だけで、すべての住宅が同じ環境になると保証できるわけではありません。
建物の条件や外気温、運転方法によって結果は変わります。
だからこそ私は、住宅の性能は、数値と実際の暮らしの両方から考えることが大切だと思っています。
8.今の家でも、換気について見直せることがあります
ここまで読んで、
「うちはまだ家を建てる予定がないから、関係ないかな」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、換気は新築住宅だけの話ではありません。
今お住まいの家でも、確認できることがあります。
例えば、24時間換気設備がある場合、普段どのように運転しているでしょうか。
音が気になるからといって、長時間停止していませんか。
給気口を家具でふさいでいませんか。
フィルターにほこりがたまっていませんか。
換気設備は、適切に運転・管理してこそ、本来の性能を発揮しやすくなります。
また、窓を開けて換気する場合も、ただ一か所を開けるだけでなく、空気の入口と出口を意識すると効率が変わることがあります。
ただし、窓開け換気だけで必要な換気量が常に確保できるとは限りません。
機械換気設備がある場合は、取扱説明書や建物の換気計画に従って適切に使用してください。
今の住まいの空気の流れを意識すること。
それだけでも、これからの家づくりを考える良いきっかけになると思います。
9.掛川市で家を建てる前に、住宅会社へ聞いてほしい質問
もしこれから掛川市や菊川市、袋井市などで注文住宅を検討されるなら、換気設備について、次のことを確認してみてください。
第一に、どの換気方式を採用しているのか。
第一種なのか、第三種なのか。
熱交換機能はあるのか。
その方式を選んだ理由は何か。
第二に、実際の消費電力はどのくらいか。
機器の仕様や想定運転条件を確認し、年間の電気代を試算してもらいましょう。
第三に、冷暖房費への影響をどう考えているか。
熱交換の有無だけでなく、断熱・気密・空調計画を含めた説明があるかどうかです。
第四に、必要な換気量が確保される設計か。
給気と排気の位置、空気の通り道、寝室への給気方法などを確認してください。
第五に、メンテナンスの方法と費用。
フィルターの清掃や交換、将来の機器交換について、事前に知っておくと安心です。
私は、こうした質問に対して、良いことだけでなく、注意点まで説明してくれる住宅会社を選んでいただきたいと思っています。
10.家づくりは「一番安い設備」を選ぶことではありません
住宅会社を比較していると、どうしても価格が気になります。
当然です。
家は大きな買い物ですからね。
でも、私はいつも考えるのです。
建てるときに少し安かった家が、住んでからもずっと経済的とは限りません。
反対に、最初にお金をかけた設備が、必ず元を取れるとも限りません。
だから、必要なのは比較です。
初期費用。
毎月の光熱費。
設備の維持費。
将来の交換費。
そして、毎日の住み心地。
こうしたものを総合的に考える。
私は、これが本当の意味での経済的な家づくりだと思っています。
家族が20年、30年と暮らしていく中で、無理のない生活を続けられること。
暑さや寒さを我慢しすぎずに暮らせること。
設備が故障したときにも、修理や交換について相談できること。
それが、住宅会社として大切にしたいことです。
よくある質問|第一種換気と第三種換気
Q.第一種換気と第三種換気では、どちらが電気代が安いですか?
換気設備そのものの消費電力では、第三種換気が有利になる場合があります。一方、熱交換型の第一種換気は、冷暖房負荷を減らせる場合があります。家全体の電気代は、断熱・気密性能、機器の仕様、気候、生活習慣などによって異なります。
Q.第一種換気なら、必ず熱交換できますか?
いいえ。第一種換気は給気と排気を機械で行う方式の名称です。熱交換機能のある製品と、ない製品があります。
Q.第三種換気は、高気密住宅に向いていないのでしょうか?
そのようなことはありません。第三種換気でも、適切な気密性能と給気・排気計画によって必要な換気を行うことができます。
Q.第一種換気にすれば、花粉やハウスダストを完全に防げますか?
完全に防げるわけではありません。取り入れる空気に含まれる粒子をどの程度捕集できるかは、フィルターの性能や管理状態などによって異なります。
Q.正圧の家は、第一種換気の家と同じですか?
同じではありません。第一種換気は給気と排気を機械で行う方式です。正圧は室内の気圧が屋外より高い状態を指します。第一種換気でも、給排気のバランスや建物の条件によって圧力の状態は変わります。
まとめ|換気の電気代より、家族が長く心地よく暮らせることを考えたい
今日のお話をまとめると、第一種換気と第三種換気には、それぞれメリットと注意点があります。
第三種換気は、設備構成をシンプルにしやすく、初期費用や機器の電力消費を抑えられる場合があります。
熱交換型の第一種換気は、換気による熱の損失を減らし、冷暖房の負担を抑えられる場合があります。
ただし、どちらが家計に有利になるかは、住宅全体の条件によって変わります。
私は、家づくりで一番大切なのは、設備の名前やカタログの数字ではないと思っています。
冬の朝、寒さを我慢せずに起きられること。
夏の夜、寝室で気持ちよく過ごせること。
家族が安心して、無理のない光熱費で暮らせること。
そして、住み始めてからも、設備を適切に維持できること。
そうした毎日の暮らしの積み重ねが、家の価値になるのだと思います。
明工建設では、掛川市を中心に、換気、断熱、気密、空調、日射遮蔽を一体として考えた家づくりに取り組んでいます。
「第一種換気と第三種換気、うちの家族にはどちらが合っているのだろう?」
「熱交換の効果を、もう少し具体的に知りたい」
「正圧の家は、普通の住宅と何が違うの?」
そんな疑問があれば、どうぞ遠慮なく聞いてください。
家づくりは、住宅会社の説明をそのまま受け入れることではありません。
疑問を持ち、質問し、納得して選ぶことが大切です。
私たちも、メリットだけでなく、注意点や維持費まで含めてお話ししたいと思っています。
掛川市宮脇では、新しいショールームの2026年11月末完成を予定しています。見学開始日などの最新情報は、明工建設へお問い合わせください。
ご家族のこれからの暮らしについて、一緒に考える機会になればうれしいですね。
ご縁を大切に唯一無二の家造り。
住んでからがお付き合いの始まり。
おかげさまでありがとうございます。
お読みいただき、ありがとうございます。
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