徳川家康は、なぜ江戸という「何もない土地」を選んだのか? 家づくりも、目先の安さで決めると後悔するかもしれません。

【仁藤流・歴史経済編】家康の経済戦略から考える、インフレ時代の賢い家づくり

おかげさまです。明工建設の仁藤です。

今日はちょっと歴史の話をさせてください。

住宅会社のブログなのに、徳川家康です(笑)。

でも、私の中では結構つながっているんです。

先日、「経済で読み解く戦国史」という内容を勉強していて、改めて思ったことがあります。

徳川家康という人は、戦に勝つことだけでなく、勝った後にどうやって国を維持するかを考えていた人なんじゃないか。

もちろん、歴史上の人物の本当の胸の内は分かりません。

家康だって失敗していますし、最初からすべてを見通していたわけでもないでしょう。

それでも、江戸という町がどのようにつくられていったのかを知ると、私は建築屋として非常に興味を引かれるんです。

なぜか。

家も、建てたときが完成ではないからです。


家康が江戸へ行ったとき、そこは今の東京ではありませんでした

1590年。

豊臣秀吉の命によって、徳川家康はそれまでの領地から関東へ移ることになります。

拠点となったのが江戸です。

今なら東京。

日本の政治・経済の中心地ですね。

でも、当時の江戸は、今のように整った大都市ではありません。

海が今より内陸へ入り込み、低湿地もあり、川の流れも現在とは違っていました。

そんな土地を、どうやって人が集まり、物資が集まり、商売ができる町にするのか。

ここが面白いんです。

家康が江戸への移封を本当に喜んでいたのか、それとも不本意だったのか。

そこは断定できません。

ただ、結果として徳川政権は江戸を中心に、長く続く政治と経済の仕組みを整えていきました。

私はここに、家づくりと似たところを感じるんです。


見た目のいい土地と、将来価値が生まれる土地は違う

例えば皆さんが土地を探しているとします。

Aという土地。

きれいな分譲地です。

道路も整っている。

周りには新しい家が建っている。

価格は少し高い。

一方、Bという土地。

見た目は地味。

古い建物が残っている。

造成や解体が必要かもしれない。

でも、生活するには便利な場所です。

さて、どちらがいいでしょうか。

私は、これだけでは答えられません。

地盤は?

災害リスクは?

上下水道は?

日当たりは?

道路との高低差は?

土地を整えるのにいくら掛かる?

将来も使いやすい場所なのか?

こうしたことを調べてから考えます。

安い土地には、安い理由がある場合もあります。

逆に、見た目が地味でも、きちんと調べれば良い選択肢になることもあります。

土地の値段と、土地の本当の価値は、必ずしも同じではない。

私はそう思っています。


家康の江戸づくりで驚くのは「見えないところ」にお金と時間を掛けたこと

江戸の発展を支えたものの一つに、河川の改修があります。

例えば利根川。

現在の利根川は千葉県の銚子方面へ流れ、太平洋に注いでいます。

でも、もともとは違いました。

江戸時代の初めに、川の流れを大きく変える工事が始まります。

いわゆる「利根川東遷」です。

これがまた、すごい。

1594年に始まった一連の工事は、1654年まで約60年間にわたって続きました。

つまり、家康一人の時代で終わった工事ではありません。

後の世代へ引き継がれながら、少しずつ形になっていったんです。

その結果、治水だけでなく、農地の開発や舟運の発展にもつながりました。

私はこれを知ったとき、こう思いました。

町を発展させるために、まず川の流れから考えたのか。

普通、町を立派に見せたいなら、お城や大きな建物に目が向きますよね。

でも、人が暮らすには水が必要です。

食料も必要です。

物を運ぶ仕組みも必要です。

水害への備えも必要です。

そういう土台があって初めて、町は長く機能する。

これ、家もまったく同じだと思うんです。


家も、完成すると見えなくなる部分に価値がある

住宅展示場へ行くと、きれいなキッチンがあります。

大きなリビング。

立派な玄関。

おしゃれな照明。

いいですよね。

私も、デザインは大切だと思っています。

でも建築屋としては、もう少し違うところも見てほしい。

基礎はどうなっているのか。

構造はどう考えているのか。

壁の中の断熱材は?

気密は?

換気は?

雨水が入らない工夫は?

配管を将来交換できるか?

こういうところです。

正直に言いますと、あまり華やかな話ではありません(笑)。

でも、住み始めてから差が出るのは、こうした部分なんです。

家康の時代の川や水路が町を支えたように、住宅では構造や断熱、気密、換気、給排水といった仕組みが暮らしを支えます。

私は、家の中にもインフラがあると思っています。

そしてインフラは、完成したときより、使い続けて初めて価値が分かるものなんです。


家康は「お金」そのものの仕組みも整えようとした

もう一つ面白いのが貨幣です。

戦国時代には、地域によってさまざまな貨幣が使われ、取引の仕組みも複雑でした。

徳川家康は金銀山の支配を進め、1601年には慶長金銀を発行します。

その後、徳川政権の下で銭貨も整備され、金・銀・銭を使う三貨制度が形になっていきました。

これも、家康一人で全部完成させたという話ではありません。

でも、お金の仕組みを整えることが、経済活動を支える重要な仕事だったことは確かでしょう。

私はここでも、家づくりを考えてしまいます。

「お金がある」ということと、

「安心して暮らせる仕組みがある」ということは、同じではありません。

例えば住宅ローン。

銀行から5,000万円借りられる。

だから5,000万円の家を建てる。

本当にそれでいいのでしょうか。

私は違うと思っています。

大切なのは、

その家を建てた後、家族のお金がどう動いていくのか。

こちらです。


インフレ時代の家づくりは、今まで以上に難しい

最近は、建築資材も設備も以前と同じ価格ではありません。

電気料金も変動します。

住宅ローンの金利も、ずっと同じとは限りません。

私は昔から、家づくりの資金計画で気になることがありました。

それは、

「月々の住宅ローンは○万円です」

という説明だけで話が進んでしまうことです。

もちろん返済額は大切です。

でも、その家に住み始めたら電気代が掛かります。

給湯費も掛かります。

修繕費も掛かります。

設備の交換もあります。

固定資産税や保険もあります。

家を買うということは、建物の代金だけを払うことではないんです。

ここを、私はもっと皆さんに知っていただきたい。


例えば、300万円安い家。本当に安いのでしょうか?

ちょっと計算してみましょう。

Aという家は3,000万円。

Bという家は3,300万円。

差額は300万円です。

当然、Aの方が安い。

でも仮に、Bの方が年間10万円ほどエネルギー費を抑えられるとしたら?

30年間で単純計算300万円です。

もちろん、実際にはそう簡単ではありません。

電気料金は変わります。

設備も交換します。

太陽光や蓄電池を付ければ初期費用も掛かります。

将来の修繕費も違います。

だから、この計算だけでBがお得とは言えません。

でも反対に、

最初の300万円だけでAを選ぶのも、まだ早い。

そう思いませんか?

私は、ここまで比べて初めて、家の値段が見えてくると思っています。


家康の時代と現代は違う。でも、長い時間で考える大切さは同じです

ここで一つ、誤解してほしくないことがあります。

徳川家康が現代のような「生涯コスト計算」をしていた、と言いたいわけではありません。

そんな資料があるわけでもありません。

また、江戸幕府が約260年続いた理由を、家康一人の経済政策だけで説明することもできません。

ただ私は、歴史を学ぶときに、

「この考え方は、今の仕事に何を教えてくれるだろう?」

と考えるのが好きなんです。

目の前の勝ち負けだけでなく、その後の仕組みをどうつくるか。

これは現代の家づくりにも通じると思っています。


家を建てるとき、私は「30年後の家族」を想像します

例えば今、小さなお子さんがいるご家庭。

30年後、その子は大人になっています。

ご夫婦も年齢を重ねています。

家族の人数が変わっているかもしれません。

働き方も違うでしょう。

車がEVになっているかもしれません。

電気料金がどうなっているかも分かりません。

そんな未来に、

「この家、建ててよかったね」

と言ってもらえるだろうか。

私は、ここを考えたいんです。

断熱等級6。

気密測定。

耐震等級3。

制震。

第一種全熱交換換気。

太陽光。

蓄電池。

HEMS。

明工建設が大切にしているものはいろいろあります。

でも、それぞれの設備や性能が目的ではありません。

30年後も、家族が無理なく、気持ちよく暮らしていること。

そのための手段なんです。


「高性能な家は資産になる」と言いますが……

ここも少しお話ししておきたい。

私は、高性能住宅には長期的な価値があると考えています。

ただし、

「高性能なら資産価値が絶対に落ちません」

とは言いません。

住宅の売却価格は、立地や土地の条件、市場環境、築年数、維持管理などにも左右されます。

どれだけ良い家でも、未来の売却価格を保証することはできません。

でも、性能が分かる。

施工記録がある。

定期点検をしている。

修繕履歴が残っている。

将来も直せる。

そういう家は、次の人が判断するための材料を残せます。

私は、これも家の価値だと思っています。

家康の時代のインフラも、完成したから終わりではありませんでした。

使いながら直し、改良し、次の世代へ引き継いでいった。

住宅も同じではないでしょうか。


私が考える「本当のコストパフォーマンス」

最近はコスパという言葉をよく聞きます。

コストパフォーマンス。

費用対効果ですね。

でも、家のコスパって何でしょう。

坪単価が安いこと?

設備がたくさん付いていること?

補助金が多くもらえること?

もちろん、どれも判断材料にはなります。

でも私は、

家族が払ったお金に対して、どれだけ長く、良い暮らしを得られるか。

これが住宅のコストパフォーマンスだと思っています。

だから、高ければいいわけでもありません。

安ければいいわけでもありません。

必要のない設備まで付ける必要もない。

無理な住宅ローンを組む必要もない。

そのご家族にとって、本当に必要なものを考える。

それが一番大切です。


家康の江戸づくりから、私が一番学びたいこと

ここまで書いてきて、私が一番心に残っているのは、やはり利根川の話です。

約60年掛けて、川の流れを変える。

家康が生きている間に、すべて完成したわけではありません。

でも、その後の人たちが仕事を引き継ぎ、町の発展を支える仕組みになっていった。

私はここに、何か大きなものを感じます。

自分が始めた仕事の価値が、自分の目の届かない未来にも残っていく。

建築屋も、そういう仕事なんじゃないでしょうか。

私たちが建てた家で、

子どもが育つ。

家族が年齢を重ねる。

何十年も暮らす。

そして、次の世代へ引き継がれることもある。

考えてみれば、責任の重い仕事です。

だからこそ、面白い。

私はそう思っています。


家は、契約した日がゴールではありません

掛川、菊川、御前崎、牧之原、袋井、島田、藤枝、磐田で家づくりを考えている皆さん。

住宅展示場へ行ったら、ぜひ聞いてみてください。

「この家は30年後、どうなっていますか?」

「光熱費や修繕費は、どんな想定ですか?」

「なぜ、この断熱や換気の仕様なんですか?」

「この家を将来直すとき、図面や記録は残っていますか?」

そんな質問です。

すぐに答えが出ないこともあるでしょう。

それでいいんです。

一緒に考えてくれる住宅会社かどうか。

私はそこが大切だと思っています。

家康のように天下を取る必要はありません(笑)。

でも、自分たち家族の30年後を考えて、今できる選択をする。

それは、とても大事なことではないでしょうか。

私も建築屋として、まだまだ勉強です。

歴史を勉強していたつもりが、最後はまた家づくりの話になってしまいました。

まあ、いつものことですね(笑)。

ご縁を大切に唯一無二の家造り。

住んでからがお付き合いの始まり。

おかげさまでありがとうございます。

目に見えない力:家康と現代の家づくり - YouTube

■ この動画の概要徳川家康の経済戦略から学ぶ、後悔しない家づくりの本質。目先の建築費だけでなく、30年間の光熱費・修繕費・将来価値まで考える「本当にコスパの良い家…

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