
皆さま、おかげさまです。
明工建設 代表取締役、一級建築士の仁藤 衛です。
今日は、これから家を建てる30代・40代の方に、ぜひ知っておいていただきたい制度改正のお話です。
国土交通省は、改正建築物省エネ法に基づく新たな制度として、
「上位住宅トップランナー制度」
そして、
「先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度」
を、令和9年、つまり2027年4月1日から施行すると発表しました。今回の改正法は、建物を使っている時の省エネだけでなく、建設から解体までを含めたライフサイクル全体の脱炭素化も視野に入れています。
このニュースを見て、
「また省エネ基準が厳しくなるの?」
と思った方もいるかもしれません。
でも、私は少し違う見方をしています。
住宅業界がようやく、「省エネです」と言うだけでは済まない時代に入ってきた。
ということです。
■まず知ってほしい。「上位住宅トップランナー」は住宅そのものの認定制度ではありません
ここは非常に重要です。
「上位住宅トップランナー制度」という名称だけを見ると、
「高性能な住宅を認定して、トップランナー住宅という称号を与える制度」
のようにも見えます。
しかし、国土交通省の発表を見ると、そうではありません。
新制度では、より高い省エネ性能を持つ住宅の供給を促すため、
住宅を特に大量に供給する事業者を指定し、中長期的な計画の提出や、毎年度の取組状況の報告を求める
仕組みになっています。
つまり、
家一棟をランク付けする制度というより、大量供給する住宅事業者に、さらに高い省エネ水準を目指してもらう制度
と考えた方が分かりやすいです。
■対象はかなり大規模な住宅事業者です
今回の政令では、指定対象となる年間供給戸数も具体的に示されました。
建売戸建住宅は年間2,000戸。
分譲マンションも2,000戸。
注文戸建住宅も2,000戸。
賃貸アパートは15,000戸。
という規模です。
ここを見れば分かるように、
町の工務店が直接、
「来年から上位住宅トップランナーに指定される」
という話ではありません。
かなり大量に住宅を供給する事業者が対象です。
■実は「住宅トップランナー制度」そのものは以前からあります
これも少し整理しておきましょう。
住宅トップランナー制度自体は、今回突然生まれたものではありません。
これまでも一定戸数以上の住宅を供給する事業者に対し、
国が定めた、省エネ基準を上回るトップランナー基準を平均的に満たすよう努力義務を課す制度がありました。
従来の報告対象は例えば、
注文戸建住宅なら年間300戸以上、
建売戸建住宅なら150戸以上、
賃貸アパート・分譲マンションなら1,000戸以上、
という仕組みでした。
今回始まるのは、
そこからさらに、
特に供給量の多い事業者へ、一段上の取組を促す仕組み
だと理解すると分かりやすいと思います。
■では、一般の家づくりをする人に関係ないのか?
「対象が大手事業者なら、私たちには関係ないですよね?」
そう思われるかもしれません。
私は、
むしろ関係がある
と思っています。
なぜなら、
国が大手事業者に対して、
「もっと高い省エネ性能を目指してください」
と求めるということは、
住宅市場全体の標準が、
さらに上へ動く可能性が高いからです。
少し前まで、
「省エネ住宅」
と言えば特別でした。
今は違います。
新築住宅では、省エネ基準への適合がすでに重要な前提となり、
さらに2030年度以降の新築住宅についてZEH水準の省エネ性能確保を目指す政策方向も示されています。
つまり、
これからは「省エネかどうか」ではなく、「どのレベルまで省エネなのか」が問われる。
そういう時代です。
■ただし、「法律を満たした=高性能住宅」ではありません
ここは、住宅会社として強くお伝えしたいところです。
省エネ基準に適合しています。
トップランナー水準です。
ZEH水準です。
もちろん重要です。
でも、
それだけで、
必ず暖かい。
必ず涼しい。
必ず空気がきれい。
必ず電気代が安い。
というわけではありません。
なぜなら、
住宅の快適性は、
断熱性能だけで決まらないからです。
気密。
窓。
日射。
換気。
空調。
湿度。
間取り。
施工品質。
住まい方。
これらが全部関係します。
■UA値が良くても、隙間だらけならどうなる?
例えば、
設計上の断熱性能が高い。
UA値も良い。
でも、
実際の施工で隙間が多い。
すると、
そこから意図しない外気が入ります。
せっかく計画した換気も、
思い通りに空気が流れにくくなる。
冬は冷たい外気。
夏は湿った外気。
こうした影響を受けやすくなります。
だから明工建設では、
設計値だけではなく、
実際に建てた住宅でC値を測定する。
ここを重視しています。
■「制度で評価される性能」と「現場でつくる性能」は別物です
私はここが、
これからの住宅業界で一番重要になると思っています。
制度は、
基準をつくる。
計算方法をつくる。
評価方法をつくる。
でも、
最後に家をつくるのは、
現場です。
断熱材を入れるのも現場。
気密処理をするのも現場。
窓を取り付けるのも現場。
配管の穴を塞ぐのも現場。
つまり、
紙の上で高性能でも、施工が伴わなければ意味がない。
これです。
■今回もう一つ注目したい「大臣認定制度」
今回の改正では、
先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度も始まります。
国土交通省によれば、建築物エネルギー消費性能向上計画の認定対象を拡充し、
国土交通大臣の認定を受けた先導的な省エネ技術等を活用したもの
を制度上評価できるようにする仕組みです。
ここも、
「新技術なら何でも国が性能保証してくれる」
という意味ではありません。
大切なのは、
既存の一般的な評価方法では十分評価しにくい新技術について、
一定の認定ルートを設ける、
ということです。
■私は、この方向性には意味があると思っています
住宅技術はどんどん進歩しています。
高性能な熱交換換気。
高効率給湯。
太陽光発電。
蓄電池。
HEMS。
V2H。
高度な空調制御。
これからは、
AIによるエネルギーマネジメントも増えていくでしょう。
ところが、
新しい技術というものは、
既存の物差しでは正しく評価できないことがあります。
だから、
新しい省エネ技術を適切に評価できる仕組みをつくる。
これは、
住宅技術の進歩を後押しする意味があります。
■でも、新技術=いい家ではありません
ここも重要です。
最新。
AI。
スマート。
大臣認定。
こういう言葉は、
とても魅力的です。
でも私は、
設備の名前だけを追いかける家づくりには賛成しません。
例えば、
最先端のエアコンを入れる。
でも断熱が弱い。
高性能な太陽光を載せる。
でも家から熱がどんどん逃げる。
高級な換気設備を入れる。
でも気密が悪い。
これでは、
穴の空いたバケツに、
高性能なポンプを付けているようなものです。
先にやることは、
家そのものの基礎体力を高めること。
です。
■仁藤流では、まず「使うエネルギーを減らす」
明工建設が考える省エネ住宅の順番は、
単純です。
まず、
断熱。
気密。
窓。
日射。
換気。
ここを整える。
つまり、
そもそも必要なエネルギーを小さくする。
その上で、
高効率設備。
太陽光。
蓄電池。
HEMS。
必要ならEVやV2H。
を組み合わせる。
私はこれが、
一番合理的だと思っています。
■「つくる」前に「使わない」
太陽光発電で、
年間10,000kWhつくれる家。
すごいですね。
でも、
年間15,000kWh使う家だったらどうでしょう。
一方、
年間6,000kWhしか必要としない家なら?
同じ太陽光でも、
意味が変わります。
つまり、
発電量を増やすことより、先に消費量を減らす。
これが省エネ住宅の基本だと思っています。
■省エネは、光熱費だけの話ではありません
「省エネ住宅」と聞くと、
多くの方は、
電気代が安くなる家
だと思います。
もちろん、
エネルギー消費を抑えられれば、
家計負担の低減につながる可能性があります。
でも、
私はそれだけではないと思っています。
少ないエネルギーで、
冬の室温を維持しやすい。
夏の室温も整えやすい。
家の中の極端な温度差を抑えやすい。
停電時にも、
室温変化が比較的緩やかになる。
つまり、
省エネ性能は、快適性や災害対応力にもつながっている。
ここなんです。
■明工建設が「健康・省エネ・防災」を分けない理由
私は以前から、
住宅性能を三つに分けて考えないようにしています。
健康。
省エネ。
防災。
別々ではありません。
例えば、
高断熱。
これは省エネです。
でも、
室温の極端な変化を抑えやすくするという意味では、
暮らしやすさにも関係する。
停電時に室温を維持しやすいという意味では、
防災にも関係する。
高気密も同じ。
省エネ。
換気。
湿度管理。
全部つながっています。
■「深呼吸する正圧の家」も、設備単体ではありません
明工建設では、
第一種熱交換換気と、
気密性能、
圧力バランスを組み合わせた、
「深呼吸する正圧の家」
という考え方を大切にしています。
ただし、
正圧だから、
カビもホコリも全部防げる。
という話ではありません。
外気由来の粒子については、
フィルター性能。
建物の隙間。
玄関や窓の開閉。
換気量。
メンテナンス。
こうした条件があります。
だから、
私たちが目指しているのは、
「完全に外を遮断する家」
ではありません。
必要な空気は計画した場所から入れ、不要な隙間風を減らす家。
です。
■耐震等級3も、省エネとは別物。でも家づくりでは一緒に考える
いくら省エネ性能が高くても、
地震で住めなくなったら意味がありません。
だから、
明工建設では、
耐震等級3を基本に、
制震装置も組み合わせながら、
建物そのものの安全性を考えます。
省エネ。
耐震。
換気。
電力。
これを、
別々のパンフレットの商品として考えるのではなく、
一つの生活システムとして設計する。
これが大切です。
■2027年から家が突然変わるわけではありません
この制度が始まると聞くと、
「2027年4月1日から、それ以前の家は全部時代遅れになるの?」
と思う方もいるかもしれません。
そうではありません。
制度が施行されても、
その日を境に住宅性能が突然変化するわけではありません。
むしろ、
住宅市場全体に対して、
少しずつ性能向上を促していく。
そういう性質の制度です。
ですから、
これから家を建てる方が考えるべきなのは、
「新制度まで待つか」ではなく、「今建てる家が将来の方向性に合っているか」
です。
■法律の最低ラインではなく「30年後の普通」を考える
私は家づくりで、
法律を守ることは当たり前だと思っています。
でも、
家は、
今の法律に合格するためにつくるものではありません。
30年。
40年。
50年。
住むものです。
だったら、
「今の最低基準」
だけを見るのではなく、
「10年後、20年後に普通になっている性能は何か」
を考えた方がいい。
これが、
未来から逆算する家づくりです。
■子育て世代ほど「建てた後」を見てほしい
30代で家を建てたら、
60代でもその家に住んでいます。
40代なら、
70代。
今、
子どもが小さい。
でも、
家が古くなる頃には、
自分たちも高齢になります。
その時、
大きな光熱費が必要な家と、
少ないエネルギーで暮らせる家。
どちらが安心でしょう。
設備を大量に使わないと快適にならない家と、
住宅そのものの性能が高い家。
どちらが老後に負担が少ないでしょう。
だから、
省エネは、
「今月の電気代を安くする話」だけではありません。
将来の家計リスクを抑えるための、
長期設計でもあります。
■ただし「省エネ住宅なら資産価値が上がる」とは断言しません
よく、
「高性能住宅なら資産価値が上がります」
という表現があります。
私は、ここは慎重に考えています。
住宅の市場価値は、
土地。
立地。
築年数。
需要。
維持管理状態。
間取り。
性能。
さまざまな要素で決まります。
省エネ性能だけで、
必ず高く売れるとは言えません。
ただ、
将来的に住宅性能の表示や評価がさらに重視されるなら、
性能が明確で、記録として残っていること
は価値判断の材料になっていく可能性があります。
だから私は、
計算。
施工記録。
気密測定。
メンテナンス履歴。
これを残すことも大事だと思っています。
■制度より先に、施主が住宅会社へ聞いてほしいこと
今回の制度改正を見て、
これから家を建てる方にぜひ聞いてほしい質問があります。
「省エネ住宅ですか?」
ではなく、
こうです。
「UA値はいくつを目標にしていますか?」
「C値は実際に現場で測っていますか?」
「気密測定は全棟ですか?」
「一次エネルギー消費量はどう評価していますか?」
「夏の日射遮蔽はどう設計していますか?」
「換気設備はどんな考え方で選んでいますか?」
「停電時にどの設備が使えますか?」
この質問への答えを聞くと、
住宅会社が、
「省エネという言葉」を売っているのか。
それとも、
住宅性能を本当に設計しているのか。
かなり見えてくると思います。
■仁藤流の結論。「トップランナー」は制度の名前ではなく、家づくりの姿勢でありたい
今回の制度改正を見て、
私は一つ感じたことがあります。
「上位住宅トップランナー」
これは法律上は、
大量に住宅を供給する一定規模以上の事業者を対象にした制度です。
明工建設のような地域住宅会社が、
その指定名称を名乗る話ではありません。
でも、
家づくりの姿勢まで、大手の後ろを走る必要はない。
私はそう思っています。
制度で義務になるから、
高断熱にする。
法律が変わったから、
省エネにする。
補助金があるから、
太陽光を載せる。
ではなく、
家族が、
30年後も、
40年後も、
少ないエネルギーで、
無理なく、
安心して暮らせる。
そのために、
必要な性能を先に考える。
法律が追いついてくる前に、
暮らしの未来を考えておく。
私は、
それこそが地域工務店にできる、
本当の意味での「トップランナー」だと思っています。
2027年4月1日。
制度は変わります。
でも、
家づくりで一番大切なことは、
制度が変わっても変わりません。
家族が、何十年も快適に暮らせること。
必要以上のエネルギーを使わないこと。
災害時にも暮らしを継続しやすいこと。
そして、
完成した時ではなく、住んでから評価される家であること。
明工建設は、
法律の最低基準をゴールにするのではなく、
その先の暮らしから逆算して、
これからも家づくりを考えていきます。
家は、
制度のためにつくるものではありません。
家族の未来のためにつくるものです。
ご縁を大切に唯一無二の家造り。
住んでからがお付き合いの始まり。
おかげさまでありがとうございます。
※本記事で紹介した新制度は、国土交通省が2026年9月11日に公表した内容に基づいています。上位住宅トップランナー制度等に係る規定は2027年4月1日施行予定です。今後、具体的な基準・運用の詳細について追加情報が公表される可能性があります。
国土交通省「改正建築物省エネ法の施行に伴う関係政令を閣議決定」
お読みいただき、ありがとうございます。
もし今回の内容に少しでも共感いただけたなら、
こちらもきっとお役に立てると思います。
明工建設が選ばれる理由とは?
第1位 住む人の幸せを考え抜いた高性能住宅

明工建設の家は強い方が売れる、省エネだから売れる・・・
そんな安っぽい理由で、住宅を高性能にしているわけではありません。
高性能な家に住んでもらった先にある『家族の幸せ』を手に入れてもらいたいから高性能にしているのです。
第2位 圧倒的省エネ住宅で1,000万円以上の節約に

明工建設の考える住宅は、住むだけでお金が貯まります。
光熱費が0円以下にすることが出来る、圧倒的省エネ住宅であなたの家計を守ります。
第3位 売ることが仕事じゃない!お客様のありがとうを考えるご提案

明工建設は住宅を売ることを仕事だと考えていません。
お客様の幸せをとことん考え、その結果『ありがとう』を頂くことを仕事にしています。
その対価としてお金を頂く。これが明工建設のポリシーです。
第4位 最新の技術提供なのに、圧倒的なコスパを実現

M-THE BESTに代表されるように、明工建設の家は常に最新の技術を提供します。
それなのに誰もが納得、いやそれ以上のコスパの良さで皆様に選ばれています。
それを実現出来るのは、圧倒的な仕入れ力と無駄なお金を使わない工事力があるからです。



