「あたりまえの家」は
なぜここまで本気で向き合ったのか。
これは商品説明のページではなく、開発秘話のページです。 プロジェクトリーダーの奥柿が何に違和感を持ち、どこで壁にぶつかり、それでもなぜやり切ろうと思ったのか。 コーディネーターの神崎が聞き手となって、その背景にある本音と熱量をたどります。
価格高騰のなかでも、普通に働くご家族が普通に家を持てる形をつくりたいという思いから、 「あたりまえの家」の企画を立ち上げた。
家づくりを考える側の目線に近い立場で疑問を投げかけながら、奥柿の開発背景や本音を引き出していく聞き手役。
始まりは、コロナ禍以降の値上がりに対する、強い違和感でした。
ー神崎:今年、明工建設は創業55周年ですよね。このタイミングでこういう企画を出してきたのは、何か意図があるんですか?
奥柿:はい、正直に言うと、55周年というタイミングだからこそ、やらなければいけないと思ったんです。55年間、御前崎を拠点にこの地域で家を建て続けてきた。その積み重ねがあるから、今だからこそできる企画だと思っています。
奥柿:私はこの業界で20年働いてきたんですけど、以前は、いわゆる一般的な年収の方でも、当たり前に家を建てられていたんですよ。でも、コロナ禍以降の値上がりで、住宅価格がどんどん上がっていった。お金に余裕のある人じゃないと買えないような雰囲気まで出てきてしまいました。
奥柿:なのに、ハウスメーカーの多くは毎年のように増収増益なんですよね。このギャップはさすがにおかしいなって。会社が55年積み上げてきた信頼とネットワーク、それを使わない手はないと思ったんです。
ー神崎:たしかに、建てたい気持ちはあるのに、最初の段階で「うちは無理かもしれない」と思ってしまうご家族は多いですよね。
奥柿:はい。だから、当社も色々な企画や商品を導入してみたんです。ただ、どれも一定の効果はあるものの、根本的な解決にはなかなかつながりませんでした。
奥柿:だったらもう、自分でやるしかないなと思いました。55年分の地域との信頼を、価格に変えて返したい。なんだか意地になってしまったんですけど、ここを諦めたくなかったんです。
55年間この地域で建て続けてきた。その重みを、価格に変えて返したかったんです。
でも、ただ安ければいいという話には、どうしてもしたくありませんでした。
ー神崎:価格の話になると、どうしても「安くするしかない」と考えがちだと思うんですが、最初はやっぱりそこから考えたんですか?
奥柿:そうですね。最初は、やっぱり安い家を考えました。性能や品質を落とせば、十分に安価にすることはできた。でも、今後の生活を考えると、それじゃダメだなと思いとどまったんです。
奥柿:次に、高性能な家を少しでも安くできないかと考えました。代替品を探したり、設計の工夫で何とかできないかと試したりもしました。でも、結局は今の当たり前とされる金額と、そこまで大きな差が出なかった。それでは結局、家を買えない人を増やすだけになってしまうんですよね。
ー神崎:暮らす人のことを考えたら安いだけでも不安ですし、性能が良くても届かなければ意味がない。本当に難しいところです。
奥柿:そうなんです。そこで考えついたのが、高性能だけど、安価な家でした。普通に考えたら、なかなか両立しないじゃないですか。でも、これができたら今困っている人たちが本当に喜んでくれる。これしかないな、って思ったんです。
奥柿:やってみたら、ほとんど無理なんじゃないかと思うくらい大変でした。良いものは高いし、安いものはやっぱりどこか弱くなりやすい。作っても作っても理想とは程遠い商品ばかりで、なかなか前に進めない日がずっと続きましたね。
発想が変わったのは、「まだやれる方法がある」と思えた瞬間でした。
ー神崎:そこから、どうやって今の形にたどり着いたんですか?
奥柿:正直、行き詰まっていましたよ。そんな時に、ある商品に目が留まったんです。「エリア限定販売のハンバーグ」でした。
奥柿:一般的に、販路を広げて大量に作れるようになればなるほど、コストは下がっていく。でもそのハンバーグは、あえて静岡県内だけにとどめている。広げようともしていないんです。
奥柿:だからこそ品質を高く保てて、運搬費用も少なく、広告費もかからない。安く作ることを考えた商品じゃなくて、安く販売できることを考えた商品なんだと気づいたんです。そしてこれ、住宅に使えるなって思いました。
ー神崎:なるほど……安く作るんじゃなくて、安く届ける仕組みを作る。それを住宅に当てはめたということですね。
奥柿:そうです。住宅に「エリア限定」を当てはめてみたら、費用がかなり削減できるって分かった。職人さんの交通費も、監督の管理費も大きく削減できます。余計な費用をかけなくても、品質を維持できる形が見えてきました。
ー神崎:エリアを絞るだけで、そこまで変わるものなんですね。ただ、それだけで1,680万円まで届いたわけじゃないですよね?
奥柿:エリアだけでは足りなかったです。次に手をつけたのが、使う部材の見直しです。これまでは「何でも使えます」と言ってきて、それが他社との差別化だと思っていた。でも、そのせいで仕入れ先が多くなって、一社あたりの購入額が少ない取引先になっていたんです。
奥柿:部材を絞ることで、一つの仕入れ先から多くの部材を買うことになる。55年の付き合いがある仕入れ先だからこそ、今まではあり得なかったくらい値引きしてもらえるようになったんです。品質を下げずに価格を下げる道筋が、やっと見えてきました。
「55棟限定」も「1,680万円」も、理由を持って決めた数字です。
ー神崎:55棟限定という数字、これは55周年と合わせているんですか?
奥柿:はい、意図して合わせました。55周年の節目に、55棟だけ。単純に語呂合わせと思われるかもしれませんが、ちゃんと現実的な根拠もあります。
奥柿:掛川で55棟と限定したことで、仕入れ先にも「55棟分だけだから」と、少し無理をした値段交渉ができました。実際には当社の利益を考えると、これ以上やったら利益が少なすぎて会社に迷惑をかけてしまう水準になってしまうんです。だからこそ、限定には大きな意味がありました。
ー神崎:55年という積み重ねがあるから、その交渉もできるということですね。そこまで細かく積み上げて、ようやくたどり着いたのが今の金額なんですね。
奥柿:そうです。数円単位での価格交渉もありましたし、その積み重ねでようやく目標だった1,680万円にたどり着けた。価格調整が上手くいったことで、太陽光発電まで入れることができました。
ー神崎:この金額に理由があると聞くと、ただ安くした数字ではないんだなと感じます。
奥柿:この企画は積み重ねの結果1,680万円になったのではなく、ある指標から逆算して、1,680万円が最も良い数字になるように商品づくりを始めた企画なんです。
奥柿:その指標とは、年収400万円の方がローンを組んだ時に、安心ラインと言われるローン返済比率25%以下に収めやすい金額になること。それがこの1,680万円なんです。
奥柿:1,680万円の家に、掛川での平均的な土地と諸経費を加えた総額3,200万円だと、月々の支払いは約8万円になります。この数字が安全ラインとされる返済比率25%以下のライン。当たり前の暮らしをするのに、オーバーローンは絶対に禁止事項。だから私はこのラインを守りたくて、1,680万円を設定しました。
最初は一度あきらめてしまった人に、もう一度前を向いてほしかったからです。
ー神崎:最後に伺いたいんですが、この企画をいちばん届けたいのは、やっぱり一度あきらめてしまった方ですか?
奥柿:そういうわけでもありません。最初は、ハウスメーカーなどで家を諦めてしまった人に届けたい一心から始まった企画でした。私がこの業界に入った20年前、その時の普通の家族が叶えられた幸せを、今の人たちにも味わってもらいたかった。
奥柿:実は、私自身も3年前に家を建てました。恥ずかしい話ですけど、20年も家を売っていたのに、実際に家を手に入れるとこんなに安心できるんだということを、自分が建てるまで本当の意味では分かっていなかったんです。
奥柿:そういった良さが分かった今だからこそ、多くの方に届けたい。55年という会社の歴史と、私の20年。その両方を全部使って作ったのが、この企画です。もう無理だと思ってしまった人にこそ、まだ方法はあるかもしれないと感じてもらいたいんです。
奥柿:もちろん、現在検討中の方や、これから家づくりを始める方にも見てほしい。ある程度エリアを絞っていますので誰にでもとは言えませんが、多くの方に検討していただきたいと思っています。
ー神崎:ありがとうございます。奥柿さんの熱い気持ちが伝わってきました。これを読んだ皆さんには、まずはアクションを起こしてもらいたいなと思います。
55年間この地域で建て続けてきたから、この価格で出せる。家をあきらめた人に、もう一度「自分たちにもできるかもしれない」と思ってもらえる企画にしたかった。
一度あきらめてしまった人も、まだ建てると決めていない人も、一度、お気持ちをお聞かせください。
相談だけでも大丈夫です。家づくりに感じている不安や迷い、そして一度閉じてしまった気持ちも含めて、まずは聞かせてもらえたらと思っています。
奥柿 忍
