MEIKO HOME JOURNAL 家づくりコラム / 第5回

見えない性能に、確かめられる根拠を。

なぜ明工建設は、
住宅性能を数値で
確認するのか?

「暖かい」「地震に強い」「省エネ」。
その言葉を、家族が納得できる安心へ。

柱・梁と接合金物を組み合わせた木造住宅の構造
柱・梁・接合部。見えない部分の確かさが、家族の暮らしを支えます。※写真は仮配置です。

INTRODUCTION

「高性能な家」という言葉だけで、
安心できますか?

暖かい家。地震に強い家。電気代がかかりにくい家。

家づくりを調べていると、このような言葉をよく目にします。どれも魅力的ですが、その言葉だけで、実際にどのくらいの性能があるのか分かるでしょうか。

どのくらい熱が逃げにくいのか。建物の隙間はどのくらいあるのか。地震への強さを、何によって確かめているのか。

前回は、太陽光発電と蓄電池についてお話ししました。そこでお伝えしたのは、設備を加えるだけでなく、まず家そのものが少ないエネルギーで快適に暮らせることの大切さです。

では、その家の実力は、どうすれば確認できるのでしょうか。

このコラムでお伝えしたいこと

住宅性能を数値で確認するのは、
「良い家です」という説明に、
確かめられる根拠を持たせるためです。

01住宅性能の多くは、
完成すると見えなくなる

① 見えない部分が、毎日の暮らしを支えている

外壁の色、キッチンのデザイン、床の質感。こうした部分は、完成した家を見れば確認できます。

一方で、壁の中の断熱材、隙間を減らすための施工、柱や梁をつなぐ金物などは、仕上げをすると見えにくくなります。

しかし、見えなくなるからといって、重要でなくなるわけではありません。冬の暖かさや夏の過ごしやすさ、冷暖房の負担、地震への備えなど、長く続く暮らしに関わっています。

見える部分の魅力と、見えない部分の確かさ。その両方を考えることが、家づくりでは大切です。

内装で隠れる前の壁と吹付断熱材
完成後には見えなくなる壁の中。性能を支える施工は、工事中の確認が重要です。※仮配置写真

② 住んでからでは、簡単に直せないこともある

家具や照明は、住み始めてから変更できるものもあります。しかし、壁や屋根の断熱、建物全体の気密、構造の計画を後から改善するには、大きな工事が必要になる場合があります。

だからこそ、「思っていた家と違った」と住んでから気付く前に、設計や工事の段階で確認しておく必要があります。

数値や計算書、測定結果、施工記録は、その確認を支える材料になります。

02断熱性能は、「暖かい」という
感想だけでは比べられない

① 同じ暖かさでも、必要なエネルギーは違う

展示場に入って暖かいと感じたとき、その理由は一つとは限りません。断熱性能に加え、暖房の設定温度や運転時間、窓から入る日差しも関わっています。

暖房を多く使って暖かくしている家と、少ない暖房で暖かさを保ちやすい家。体感が似ていても、必要なエネルギーには違いが生まれます。

暖かさを体感することに加えて、その暖かさを建物がどう支えているのか、確かめることが大切です。

② UA値は、外皮を通じた熱の逃げやすさの指標

断熱性能を見る指標の一つに、UA値があります。正式には「外皮平均熱貫流率」といいます。

壁、屋根、床、窓などを通じて逃げる熱を、外皮の面積で平均した計算上の指標です。基本的に、数値が小さいほど外皮を通じて熱が逃げにくいことを示します。

ただし、UA値には換気による熱の出入りなどは含まれません。実際の室温や電気代は、日射、建物の大きさ、換気、空調、暮らし方などにも左右されます。

断熱等級とUA値は、同じものではありません。

断熱等級は、地域に応じたUA値や、冷房期の日射熱の入りやすさを示すηAC値などの基準に基づき評価されます。UA値一つだけで、家の快適さのすべてを説明することはできません。

03気密性能は、
実際の建物で確かめる

① 良い材料を使うことと、隙間を減らすことは別

高性能な断熱材を使っていても、建物に意図しない隙間が多ければ、そこから空気が出入りします。

気密性には、窓や配管のまわり、部材の接合部などの施工が関わります。そのため、材料の名前だけでは、実際に建てた家の気密性能まで確認したことにはなりません。

計画した性能と、現場でつくられた性能をつなぐために、実際の建物を測る意味があります。

窓に専用の送風機を設置した住宅の気密測定
気密測定の様子。専用の機器を使い、実際の建物の気密性能を確認します。※仮配置写真

② C値は、測定によって求める指標

気密性能を見る指標に、C値があります。測定から求めた建物全体の相当隙間面積を、床面積で割って表したものです。単位はcm²/m²で、数値が小さいほど気密性が高いことを示します。

大切なのは、会社の過去の最高記録や、別の家の測定結果だけで判断しないことです。

自分たちの家を、いつ、どのような条件で測り、どのような結果だったのか。その確認に意味があります。

なお、気密性を高めることは、換気を止めることではありません。必要な空気の入れ替えは、換気設備で計画的に行います。

04地震への強さも、
言葉ではなく根拠を確認する

① 一つの部材だけで、家全体の強さは決まらない

太い柱や強い金物を見ると、安心感を覚えるかもしれません。しかし、地震に対する建物の強さは、一つの部材だけで決まるものではありません。

建物の重さ、壁の量と配置、柱や梁、接合部、基礎などを、建物全体として検討する必要があります。

大きな窓や吹き抜けを設ける場合も、希望する空間と構造上の安全性を一緒に考えることが大切です。

② 等級に加えて、計算方法と評価の根拠を見る

耐震等級は、地震に対する構造の性能を示す指標です。明工建設では、間取りに合わせた許容応力度計算を行い、耐震等級3を確認する家づくりに取り組んでいます。

等級の数字だけでなく、その家の構造をどのような方法で検討し、どのような計算書や評価書で確認できるのかを見ることが大切です。

住宅の構造を検討した許容応力度計算書
一棟ごとの構造を検討した計算書。説明を、確認できる根拠につなげます。※仮配置写真

ただし、耐震等級が高ければ、あらゆる地震で無傷になるという意味ではありません。地盤の状態や揺れ方なども被害に関わります。

何を根拠に、どこまで備えているのか。そこまで説明することが、安心につながると考えています。

05計算・測定・検査には、
それぞれ役割がある

① 計算は、建てる前に性能を検討するため

窓を大きくすると、断熱性能はどう変わるのか。希望する間取りで、必要な構造性能を確保できるのか。

設計時の計算は、こうした選択を感覚だけで進めないための手段です。建物のすべての性能を完成後に直接測れるわけではないため、計算には欠かせない役割があります。

② 測定と検査は、つくられた状態を確認するため

一方、気密測定は、実際の建物を測って気密性能を確認します。断熱材の施工や構造の接合部などは、工事中の検査や写真記録も重要です。

住宅性能を確認する主な方法
確認すること方法の例確かめたい資料
断熱の設計性能UA値などの計算対象の家の外皮計算書
実際の気密性能気密測定測定条件と結果の報告書
構造の安全性構造計算・性能評価構造計算書・評価書など
施工の状態工事中の検査・記録検査記録・施工写真

計算で計画し、現場で形にし、測定や検査で確かめる。それぞれをつなぐことが重要です。

06数値は、競争するためではなく
暮らしに生かすためにある

① 一つの数値だけを追うと、見落とすことがある

「もっと小さいUA値にしたい」「もっと良いC値にしたい」。性能に関心を持つと、そのように考えることもあります。

性能を高めることには意味があります。しかし、そのために予算を大きく超えたり、必要な明るさや使いやすさを損なったりすれば、家族の満足度が高くなるとは限りません。

断熱だけでなく、夏の日射対策、換気、空調、間取り、維持管理まで含めて考える必要があります。

② 同じ地域でも、必要な設計は変わる

掛川・菊川・袋井などで家づくりをする場合も、敷地の向き、周囲の建物、日当たりによって条件は変わります。

日中も家で過ごすのか、夕方以降に家族が集まるのか。家全体を快適にしたいのか、部屋ごとの調整を重視するのか。暮らし方によっても、適した計画は異なります。

数値を良くすることを、
暮らしを良くすることへ。

性能を、家族の毎日につなげる。

07「これは、わが家の数値ですか?」
と聞いてみる

① 代表値・目標値と、自分たちの家の結果を分ける

パンフレットの数値は、代表的なプランの計算結果でしょうか。会社が目標としている数値でしょうか。それとも、自分たちの家について確認した数値でしょうか。

同じ断熱材や窓を使っていても、建物の形や窓の面積などが変われば、UA値は変わります。

説明を受けたときは、「今回の間取りと仕様で確認した数値ですか?」と聞いてみてください。

② 専門用語を覚えるより、確認したい5つのこと

計算方法をすべて覚える必要はありません。その代わりに、次の点を確認すると、家づくりの進め方が見えやすくなります。

  1. この数値は、計算値・実測値・目標値のどれですか?
  2. 自分たちの家の結果は、いつ確認できますか?
  3. どのような計算書や測定報告書を受け取れますか?
  4. 設計どおりの施工を、現場でどう確認しますか?
  5. 目標に届かなかった場合は、どのように対応しますか?

良い数値に加えて、確認方法と対応まで説明できるか。その姿勢も、住宅会社を選ぶ判断材料になります。

08数値の先にある、
家族の毎日を考える

① 「信じてください」に、確認できる根拠を添える

家づくりには、住宅会社への信頼が欠かせません。しかし、担当者の熱意や経験だけですべてを判断するのは難しいことです。

だからこそ、明工建設では「大丈夫です」「高性能です」という説明に、確認できる根拠を添えることが大切だと考えています。

断熱等級6以上を標準とする断熱計画や、許容応力度計算による構造の検討。その内容を、専門用語だけで終わらせず、暮らしと結び付けてお伝えします。

② 欲しいのは、立派な計算書だけではない

冬の朝、起きるのがつらくないこと。夏に家へ帰ったとき、ほっとできること。光熱費への不安を減らせること。地震への備えを、根拠を持って考えられること。

お客様が求めているのは、そのような暮らしではないでしょうか。

数値で確かめ、その数値が暮らしにどう関わるのかまで説明する。それが、明工建設の大切にしたい家づくりです。

明工建設サイト掲載の住まいの外観イメージ
見た目の美しさと、暮らしを支える基本性能。その両方を考える家づくりへ。※仮配置写真

SUMMARY

数値は、家族の暮らしを支える
約束の根拠

  • 完成すると見えない性能こそ、設計と工事の段階で確認する
  • 断熱・気密・耐震を、それぞれに適した方法で確かめる
  • 計算値・実測値・目標値を区別する
  • 会社の代表値と、自分たちの家の結果を分けて見る
  • 数値だけですべては決まらないことも理解する
  • 確認した性能を、家族に合った暮らしへつなげる

「暖かい家です」「地震に強い家です」という言葉に根拠があれば、住まいをより具体的に理解できます。

何となく良さそうだから選ぶのではなく、自分たちの家に何が備わり、どのように確認されるのかを知って選ぶ。

数字を自慢するためではなく、
納得して、安心して、
暮らしを始めていただくために。

明工建設は、一棟ごとの説明と確認を積み重ねていきます。