ローンを『増やす会社』と『守る会社』の違いを把握しよう
ローンを『増やす会社』と『守る会社』の違いを把握しよう
A: 店長、ちょっとショックなことがあって…。A様ご夫婦、当社じゃなくて他社さんで建てるって連絡がきました…。
店長: えっ、A様? 来週にはご契約の段取りだったよね。どうして他社を選ばれたのか、理由は聞けた?
A: 最初は「他社に決めました」の一言だけで…。思い切って本音を伺ったら、「あっちのほうが住宅ローンを頑張ってくれた」と…。
店長: なるほどね…。若いご夫婦で、出産も控えていたから、うちは「無理のない計画」を一緒に考えてきたけど…そこが分かれ目になったかもしれないね。
同じ家づくりでも、「ローンを増やしてでも希望に近づける」会社と、「借りすぎから家族を守る」会社では、提案の中身が大きく変わります。
このページでは、店長と新人Aの会話を通して、ペアローンの仕組みとリスク、そして「借りられる限界額」ではなく「守れる返済額」で考える大切さを整理していきます。
このページでは、店長と新人Aの会話を通して、ペアローンの仕組みとリスク、そして「借りられる限界額」ではなく「守れる返済額」で考える大切さを整理していきます。
1. まさかの失注──A様ご夫婦が他社を選んだ本当の理由
A様ご夫婦は20代。これからお子さんが生まれる予定で、将来の家計も考えながら慎重に計画を進めていました。
明工建設では、教育費や車の買い替え、万が一のことも見据えて、一度は「この金額なら無理なく返せる」ラインまでローン額を抑えて提案していました。
A: A様も最初は「それくらいが安心ですね」と言ってくださっていたので、正直、他社に決められたと聞いて驚きました…。
店長: うん。きっと心のどこかに「もう少し広く」「もう少しグレードを上げたい」という本音があって、それを叶えてくれそうな提案に気持ちが動いたんだろうね。
A様に確認してみると、他社は希望金額にかなり近いローンを組めると提案してきたとのこと。
そのカギになったのが、のちほど出てくる「ペアローン」でした。
この章のポイント
・お客様には「本音の理想」と「守りたい現実」の両方がある。
・「ローンを増やしてでも理想を叶える」提案は、一瞬魅力的に見える。
・その裏に、将来の家計リスクが潜んでいることも多い。
・お客様には「本音の理想」と「守りたい現実」の両方がある。
・「ローンを増やしてでも理想を叶える」提案は、一瞬魅力的に見える。
・その裏に、将来の家計リスクが潜んでいることも多い。
2. ペアローンの“甘い顔”に潜むリスク
A様に詳しく聞いてみると、他社の提案はやはりペアローンでした。
ペアローンとは簡単に言うと、夫婦それぞれが別々の住宅ローンを組む仕組みです。
店長: ペアローンの表向きのメリットは、
・借入可能額が増える
・住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられる
こういった部分だね。
・借入可能額が増える
・住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられる
こういった部分だね。
A: たしかに、それだけ聞くと「お得で良さそう」と思ってしまいそうです…。でも店長は、前から慎重でしたよね。
ペアローンが怖いのは、良い面だけを聞いて決めてしまうと、後から引き返しにくいところです。
ペアローンの代表的なリスク
- 実態は「2本分の借金」なので、手続きも返済も複雑になる。
- どちらかが働けなくなった場合、もう一方が2本分の返済を背負う可能性。
- 団体信用生命保険(団信)は通常どちらか一方分のみ。片方が亡くなっても、もう一方のローンは残る。
- 夫婦の収入バランスが変わったときに、家計が一気に苦しくなるリスクが高い。
A: 「控除も2人分」「借入額も増やせますよ」とだけ言われたら、普通は喜んじゃいますよね…。裏側まで想像するのは難しいです。
店長: だからこそ、本当は「増やせるかどうか」よりも、「もしものときも払っていけるかどうか」を一緒に考えなきゃいけないんだよ。
3. 説明したつもりと伝わっていなかった現実
今回のケースで、もうひとつ大きな学びになったのは、こちらは説明したつもりでも、お客様には十分に伝わっていなかったという点です。
A: 正直に言うと、ペアローンのメリット・デメリットは一度ご説明していました。でもA様からは「そんなに大変なものだと思っていなかった」と言われてしまって…。説明不足だったと反省しています。
店長: 住宅ローンの話って、どうしても専門用語が多くなるからね。
「聞いたことはあるけど、腹落ちしていない」という状態になりやすいんだ。
「聞いたことはあるけど、腹落ちしていない」という状態になりやすいんだ。
お客様がうなずいてくれていても、「理解」まで到達しているか、「なんとなく納得」レベルなのかは、慎重に確認しなければなりません。
伝える側が意識したいこと
- 難しい言葉を、なるべく「暮らしの言葉」に置き換えて話す。
- 「ここまでイメージできていますか?」と、途中途中で確認する。
- 不安やモヤモヤをその場で言ってもらえるような関係性づくりを意識する。
A: 私たちの仕事って、ただ商品を説明するんじゃなくて、住宅ローンを「翻訳」してお伝えする役割なんですね…。もっと自覚を持たないといけませんね。
店長: うん。その意識があれば、今回の失注もきっと次のご家族を守るための経験になるよ。
4. 借りすぎは最大のリスク──“増やす会社”と“守る会社”
住宅ローンは、たくさん借りることが目的ではありません。
本来のゴールは、家族の暮らしを壊さずに、安心して返していけることです。
店長: 他社さんの中には「あと500万円までなら借りられますよ」と、
ギリギリまでローンを増やす提案をするところもある。
短期的には設備や広さをグレードアップできるけど、その分、家計はずっと緊張状態が続くことになるよね。
ギリギリまでローンを増やす提案をするところもある。
短期的には設備や広さをグレードアップできるけど、その分、家計はずっと緊張状態が続くことになるよね。
A: 家が立派になっても、返済に追われて旅行も行けない、教育費も削る…となったら、本末転倒ですよね。
“ローンを増やす会社”と“守る会社”の違い(イメージ)
- ローンを増やす会社:
「まだ借りられます」「せっかくだからグレードアップしましょう」と背中を押す。 - 守る会社:
「ここから先はリスクが高いです」「この金額なら将来も安心です」とあえてブレーキをかけることもある。
店長: 僕らは“売るため”ではなく、“守るため”に住宅ローンを一緒に考えたい。
短期的に見ると、それでご縁を逃すこともある。でも、借りすぎて苦しむご家族を増やしたくないんだよ。
短期的に見ると、それでご縁を逃すこともある。でも、借りすぎて苦しむご家族を増やしたくないんだよ。
A: 私も、“本当に守れる金額”を伝えられる営業でいたいです。A様の件を無駄にせず、次のお客様に生かしていきます。
まとめ:ローンを「増やす」のではなく、「暮らしを守る」視点で
・ペアローンは、借入額や控除の面でメリットがある一方で、リスクも大きい仕組み。
・「説明したつもり」ではなく、お客様の理解と納得まで伴っているかを丁寧に確認することが大切。
・住宅ローンは、たくさん借りることがゴールではなく、将来の暮らしを壊さない範囲で借りることが何より重要。
明工建設は、数字だけでなく、ご家族の人生設計や価値観もふまえて住宅ローンの相談に乗らせていただきます。
「この金額で本当に大丈夫かな?」と不安を感じたら、どうぞ一度、私たちにご相談ください。
・ペアローンは、借入額や控除の面でメリットがある一方で、リスクも大きい仕組み。
・「説明したつもり」ではなく、お客様の理解と納得まで伴っているかを丁寧に確認することが大切。
・住宅ローンは、たくさん借りることがゴールではなく、将来の暮らしを壊さない範囲で借りることが何より重要。
明工建設は、数字だけでなく、ご家族の人生設計や価値観もふまえて住宅ローンの相談に乗らせていただきます。
「この金額で本当に大丈夫かな?」と不安を感じたら、どうぞ一度、私たちにご相談ください。


