６０年保証。
当社もやっていますが、他社特に大手さんはここをよくうたっていますね。
６０年も保証してくれたら安心＾＾
自分が生きているうちは何の心配もいらないね。
そんな会話も家族の中であることでしょう。
しかし、現実はかなり違います。
今回は、この『６０年保証』のせいで、２０００万円以上の出費をしなくてはいけなくなった方のお話をしていきます。
気軽にリフォームの依頼をしたのだけど・・・
これは実際に会った話です。
私は以前にはリフォームも担当していましたので、リフォーム工事の依頼もよく受けていました。
今回はそんなリフォーム工事を依頼してくれたAさんと言うお客様の話です。
Aさんは大体１０年くらい前にリフォームを依頼してくれた方で、その当時で築２０年程度の建物でしたが、傷みが目立ってきており、外壁の塗替えや、内装のやり替え、キッチンの交換などの多くのリフォームの相談を受けました。
ちなみに建てた会社は誰もが知っており、CMなどもバンバンやっているので、名前は上げませんが、そういった大手の会社が建てた建物です。
何回か打ち合わせを重ね、リフォーム工事の見積りも出し、両社納得の上でご契約となりました。
しかし、その数日のことです・・・・
やっぱり契約を破棄できませんか？
Aさんから突然こんな電話がきました。
『先日の契約ですが、やっぱり破棄できませんか？』
突然のことだったので、少し混乱しましたが、理由を聞かせてもらうことにしました。
その理由はこんなものでした。
『先日OOハウス（Aさんの家を建てた会社）の定期点検があり、今回のリフォームの話をしたんです。
すると、OOハウスで建てた建物は、OOハウスがリフォームをしないと全ての保証が切れると言われたんです。
私はキッチンや外壁はまあしょうがないと思っていましたが、構造や基礎などの保証も全部切れると言われたのです。
それはおかしいと言いましたが、そういった契約になっていますので、OOハウスでリフォームをしてくださいとしか言ってくれません。
まあここで喧嘩してもしょうがないですし、保証も欲しいので、OOハウスでリフォームをしようと思います。
申し訳ありませんが、契約を破棄でお願いします』
そう言われたら、こちらも何も言えないので、その契約は破棄とし、OOハウスでリフォームをする形で収まりました。
悔しかったけれど、まあしょうがないよね・・・って気持ちでした。
１か月後にAさんからまた連絡が？
そんなこともあったのを忘れていた１か月後。
またAさんから連絡がありました。
『先日、契約をやめたAです。大変言いづらいのですが、少し話を聞いてもらえませんでしょうか？』
なんだろう？と思いましたが、丁度時間が合ったので、事務所でお話を聞くことに。
少したってAさんが申し訳なさそうに事務所に来ました。
そこで最初に出てきたのが、OOハウスの見積書です。
『この見積りをみてもらえますか？』
そういっ手渡された見積りを見て、正直びっくりでした。
どうびっくりしたかって？
とんでもない高額だったからです。
『この見積りって金額どうですか？正当な金額なのでしょうか？』
私は素直に言いました。
『OOハウスからしたら正当なのでしょうが、当社からしたら高額すぎます』
私がAさんと契約した金額は約６００万円程度。
それでも良いものを使いたいと言うAさんの希望から、かなり良いものを使っていたので、普段よりも高額なくらいでした。
そしてOOハウスの見積りがいくらだったかと言うと、なんと１４００万円・・・・
一応正確に言うと、私の時には見積もっていなかったお風呂の交換と、照明器具、サッシの交換が入っており、金額が高くてもおかしくなかった状況ではありました。
しかし、それらを抜いてもまだ１１００万円程度の見積りで、私の出した金額の大体倍です。
中々の高額な見積り書でしたが、もっとびっくりしたのが、最後の方に書いてあった１文。
『定期点検の結果、上記工事を行なわない場合、OOハウスによる保証の延長は出来ないと判断されました。上記工事を行ない、保証の延長をお願いいたします』
つまり、もしこの工事をしなかった場合は、補修をしない箇所も含め保証が切れるとのこと。
これは中々にひどいなって思いました。
さらに『型式認定』の落とし穴も・・・・
この見積りが高い安い言う前に、実はAさんのお宅はもっと深刻な問題がありました。
それが『型式認定』です。
これは大手ハウスメーカーの家などでよく見る、建物の申請の方法です。
一般の住宅は設計をした後に、構造計算などをして、それを一軒づつ、国や県に申請をする必要があります。
その際に、一軒一軒異なる家なので、１から全て作成し、申請する必要があります。
しかし、型式認定の場合は、設計時に予め登録をしておくことで、何度も同じ申請をしなくてもいいと言った制度を受けられます。
弱点として、設計時に決められた家しか認定されないので、間取りや建物の仕様に制限が掛かりますが、大手の家は決められた仕様以外は基本使えないので、多くの建物がこの認定を使うことが出来ます。
その結果申請費用などが安くなるといったメリットがある、Aさんもそんな型式認定を受けた建物でした。
この型式認定と言うのが曲者で、登録する際に使用する物を決めるのですが、それを大手独自の部材などを羅列にしておくことが出来ます。
するとその認定を維持するには、大手独自の部材を使うしかなく、当然それらは他の会社は手に入らない為、触ることが出来ません。
今回の場合、外壁やキッチンなどは問題が無かったのですが、サッシなどでその問題が出てきます。
サッシを変える際に、OOハウスの独自の寸法や企画のサイズや造りなので、一般の会社が触ることが出来ません。
また、交換する際のパーツも独自なものが多く、OOハウスなら簡単に手に入りますが、他の会社だとワンオフで作ったりしないといけなくなり、金額がかなりの高額になったりするのです。
今回の見積りにそういった物が入っていたのは邪推すれば、そういったことを利用したとも言えます。
『どうせお前らじゃさわれないだろ？このリフォームはOOハウスの物だ！』
みたいな悪意をその時に感じたことを覚えています。
型式認定は確かにメリットもありますが、デメリットも存在するので、型式認定を使用する際には、しっかりと確認することをおススメします。
あれから１０年・・・またあの季節がやってきた・・・
そういった事情だったので、しっかりと説明をしました。
結果、Aさんは保証はやっぱり欲しいとのことで、その金額をのんでリフォームをすると言った結論になりました。
さて、こんな話をしたのは、ここからの話がしたかったからです。
先日、久しぶりにAさんから連絡がありました。
内容はリフォームの話を聞いて欲しいとのこと。
内容は、１０年前と同じような内容でした。
ただ、Aさんは当時私が勤めていた埼玉県在住の方で、私ではもう工事などをすることは出来ませんでしたが、話を聞いて欲しいとのことでしたので、じっくりと聞かせて頂きました。
今回はキッチンなどはそのままで言うことでしたが、見積り金額は６００万円以上・・・・
内容は、外壁の塗替えに屋根の葺き替え、住宅内部の電線やり直し工事と、水道管のやり直し工事、シロアリの予防工事などがリフォーム内容。
これもまた保証がらみですか？って聞いたら、そうだとのこと。
ちなみにこれもリフォーム専門店で見積もってもらったら、２００万円程度だったって話で、さらに電気や水道は手を付けなくても良いのでは？と言った話でした・・・
もう保証を外せばどうですか？と言ってみたのですが、踏ん切りがつかないとのこと。
でも、このままこれを続けたら、最終的には何千万円もお金を掛けることになりますよって言ったのですが、中々に難しいみたいでした。
まあ、それでも不安だし、不満だから私のところに連絡が来たのでしょうが、あくまでも個人の選択なので、私にはどうすることも出来なった。
きっとAさんは今後も１０年ごとに憂鬱になるんだろうなって、寂しく感じたひとときでした・・・
今回はそんな事例の紹介でした。
実は新築売り上げの1/4以上の売り上げをリフォームでしている
今回話にあったOOハウスですが、去年のデータだと、新築の売り上げの1/4以上の売り上げをリフォームで上げています。
大手の住宅は、メンテが少ないとか、あっても少しで良いとか言って、販売をしていますが、それならなんでこんなにリフォームの売り上げがあるのでしょうか？
明らかに言っていることと、矛盾しています。
『いやいや、リフォームなんだから、OOハウス以外のお客さんが多いんでしょう？』
なんて声もあるかもしれませんが、OOハウスのリフォームの内訳の８割以上が、自社で建て建物と言った報告があります。
逆を言えば、ＯＯハウスのリフォーム部門の売り上げは、新築部門で最初から作られている、つまりリフォーム前提の家だってことです。
騙す、騙されるの話にはしたくありませんが、そういった側面があることに気を付けて、会社は選んでくださいね。
まとめ
今回の記事は、あえて悪意を込めた記事にしました。
理由は、怒っているからです。
結局Aさんは私のお客様にはなりませんでしたが、それでもこうやって頼ってくれる、助けてあげたい人物です。
そういった人をある意味、食い物にしているOOハウスに嫌悪感を抱いています。
だからあえて悪意を持って記事を書きました。
きっと公平性に掛ける記事なので、話半分で理解してくれると嬉しいです。
皆さんは、こういったことまでしっかりと判断して、家づくりをしてくださいね＾＾
今回はここまで！
では、また！
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