変動金利は本当に危険なのか?
――固定か、変動かではない。“住んでからのコスト”で人生は決まる
こんにちは。明工建設の仁藤です。
私は普段、「家づくりの人」として知られていますが、実は長年、経済・金融・マクロ政策を学び続けてきました。理由はシンプルです。
家は“金融商品”であり、住宅ローンは“人生最大の経済判断”だからです。
前回の記事では、
日銀の利上げをきっかけに、銀行が一斉に住宅ローン金利を引き上げている現状に対し、
「それは本当に国民目線なのか?」という疑問を投げかけました。
そして今回は、その続編であり完結編です。
1|変動金利は「危険」なのか?この問い自体がズレている
世の中では、こんな言葉が飛び交います。
- 「変動金利は危ない」
- 「固定金利のほうが安心」
- 「金利が上がったら破綻する」
しかし、経済を少し深く学ぶと、
この議論そのものが本質を外していることに気づきます。
なぜなら――
金利は“原因”ではなく、“結果”だからです。
本当に問うべきなのは、
金利が動いたとき、
あなたの暮らしは耐えられる構造になっているか?
ここです。
2|経済の世界では「家計の敵」は明確に決まっている
私がエコノミストとして一貫して重視している視点があります。
それは、
家計を壊す最大要因は、
金利変動ではなく、固定化された生活コストである
という考え方です。
冷静に数字を見てみましょう。
■ 住宅ローン金利の影響
- 金利が0.1%上昇
→ 月数千円〜1万円前後(借入額による)
■ 一方、住んでから一生続くコスト
- 電気代・ガス代
- 冷暖房費
- 修繕・メンテナンス費
- 水回りの更新
- そして「健康コスト(医療費・体調不良)」
これらは、
- 毎月
- 毎年
- 何十年も
確実に家計を削り続けます。
3|固定金利=安心、は経済的には幻想に近い
固定金利を選ぶ人の心理はよく分かります。
「将来が不安だから」
「金額が変わらないほうが安心だから」
しかし、エコノミストの視点で見ると、
固定金利とはこう定義できます。
将来の不確実性を、
高めの金利として“前払い”している状態
つまり、
- 金利が上がらなくても
- 景気が悪くても
銀行には必ず勝ちが残る設計です。
保険として否定はしません。
ただし問題は、
その“保険料”は、
本当に払う必要があるリスクなのか?
という点です。
4|変動金利が危険になる人、ならない人の決定的差
ここが、住宅ローン相談で最も重要な分岐点です。
❌ 変動金利が「危険」になる人
- 住んでからの光熱費が高い
- 家計に余白がない
- 修繕・医療費を想定していない
- 「今月払えるか」だけで家を選んだ
⭕ 変動金利でも破綻しにくい人
- 光熱費が極端に低い
- 家の性能が高く、将来修繕が少ない
- 家計に調整余地がある
- 生活コストを“設計”している
つまり、
金利の種類ではなく、
家そのものの経済性能が運命を分ける
ということです。
5|仁藤が一貫して唱えてきた、たった一つの結論
私は、家づくりの現場でも、
経済の話でも、
ずっと同じことを言っています。
家は「買うとき」より
「住んでから」のほうが、
圧倒的にお金がかかる。
これは感覚論ではありません。
家計簿レベルで証明できる事実です。
- 金利は外部要因
- 政策で変わる
- 個人ではコントロールできない
しかし、
- 断熱性能
- 気密性能
- 空気環境
- エネルギー自給率
これらは、
**最初の選択でほぼ固定される“内部要因”**です。
6|金利より怖い「見えないコスト」の正体
経済の世界では、
「見えないコスト」ほど怖いものはありません。
住宅で言えば、それは――
健康コストです。
- 寒暖差の大きい家
- 湿度が乱れる家
- 空気の質が悪い家
これらは、
- 睡眠の質低下
- 慢性的な体調不良
- 医療費の増加
につながります。
これは、
金利が0.3%上がるどころの話ではありません。
7|結論|固定か変動かで悩む前に考えること
このブログの結論を、
あえて一文で書きます。
変動金利は、単体では危険でも安心でもない。
それを危険にするかどうかは、
「住んでからのコスト」を
どこまで抑えられているかで決まる。
金利は主役ではありません。
主役は、
- 暮らしの設計
- 家の性能
- 家計の体力
です。
だから私は、
これからも言い続けます。
住宅ローンの相談は、
金利の話から入るな。
暮らしの話から始めろ。
それが、
経済を理解した者としての、
そして家づくりのプロとしての
仁藤流・最終結論です。
🔔 最後に
金利は、怖がるものではありません。
理解し、使いこなすものです。
この文章が、
あなたが「安心」を数字ではなく
暮らしそのもので手に入れる
判断材料になれば幸いです。
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