
おかげさまです。明工建設の仁藤です。
ニュースを見ていて、私は少し気になることがありました。
電気料金です。
家づくりを考えている時、皆さんが最初に気になるのは、やはり住宅価格ではないでしょうか。
「この会社は3,000万円」
「こちらなら2,700万円」
「300万円も違うなら、安い方がいいよね」
そう考える。
当然だと思います。
私だって買う側なら、価格は気になります。
住宅ローンもある。教育費もある。車も必要。旅行だってしたい。
できるだけ住宅にかけるお金を抑えたい。
そう思いますよね。
でも、ここで一つだけ考えてみてほしいのです。
家は、完成した日にお金がかからなくなる商品でしょうか。
違いますよね。
むしろ、
住宅に本当のお金がかかり始めるのは、鍵を受け取った翌日からです。
今日は、そこを一緒に考えてみたいと思います。
電気料金のニュースを「また値上げか」で終わらせない
中部電力ミライズが公表している燃料費調整単価を見ると、2026年10月分の低圧は0.09円/kWhです。
ところが、この数字には国による3.50円/kWhの電気料金支援が反映されています。
そして11月分は、その支援がなくなり4.31円/kWhとなっています。みらいず
ここで私が住宅屋として気になるのは、
「来月はいくら上がる」
ということだけではありません。
もっと長い話です。
これから30年、40年暮らす家のエネルギーコストを、誰がコントロールしてくれるのでしょうか。
電力会社でしょうか。
国でしょうか。
住宅会社でしょうか。
残念ながら、将来の電気料金を約束してくれる人はいません。
だったら家を建てる時に、
「電気をできるだけ買わなくても暮らせる家」
を考えておく。
私はこれも立派な家計防衛だと思っています。
ちょっと質問です
同じような広さ。
同じような間取り。
見た目もきれい。
Aの家は2,800万円。
Bの家は3,100万円。
300万円違います。
ここだけ聞けば、
「Aの方がお得じゃない?」
と思いますよね。
では、質問を一つ増やします。
Aの家は、30年間、毎月の光熱費がBの家より1万円高かったとします。
1万円×12カ月×30年。
360万円です。
これだけで、最初の300万円は逆転します。
もちろんこれは説明のための単純計算で、実際の光熱費差は住宅性能、家族人数、気候、電気料金、設備、生活習慣などによって変わります。
だから私は、
「高性能住宅なら必ず○百万円得します」
とは言いません。
そんなことは、未来の電気料金が分からない以上、誰にも断言できないからです。
でも逆に、
建築価格だけ比べて「こちらの方が300万円安いから得です」と言い切ることもできない。
これも分かりますよね。
住宅価格には、
買う時の価格と、暮らした後の価格がある。
まずここに気づいていただきたいのです。
家を買う時には見えない請求書
住宅展示場で、
床材を見る。
キッチンを見る。
お風呂を見る。
外壁を見る。
収納を見る。
どれも大切です。
ところが、展示場にはなかなか展示されていないものがあります。
20年後の電気料金の請求書です。
そして、
エアコンの交換費。
給湯器の交換費。
換気設備のメンテナンス。
外壁や屋根の補修。
太陽光・蓄電池などの設備更新。
住宅ローン。
固定資産税。
保険。
これらも全部、
家を買ったことによって始まる支出です。
だから私は最近、お客様に家の値段を見る時、
「建物価格」ではなく「暮らしの総額」で考えてください
とお話ししています。
高断熱だけでも足りない、と私は考えています
ここから少し住宅屋らしい話をします。
「省エネ住宅なら高断熱」
これはかなり浸透しました。
もちろん断熱は大切です。
でも私は、
断熱材だけ厚くすれば快適になるほど、住宅は単純ではない
と思っています。
断熱。
気密。
日射。
窓。
換気。
湿度。
冷暖房。
そして住む人。
これらは全部つながっています。
例えば、せっかく断熱性能を上げても、隙間が多ければ計画した通りに空気は動きません。
だから気密性能は、設計上の数字だけではなく、現場で測定して確認する意味があります。
さらに換気。
外へ捨てる室内空気の熱を回収しながら換気するのか、そのまま捨てるのか。
夏の高温多湿な外気をどう扱うのか。
冬の乾いた外気をどう扱うのか。
住宅の省エネは、断熱材一つの商品比較ではないのです。
家全体を一つのシステムとして考えなければいけない。
「第三種換気だから悪い」という話でもありません
ここは誤解してほしくありません。
第三種換気にも、シンプルで導入コストを抑えやすいなどの特徴があります。
だから、
「第三種だからダメ」
「第一種なら絶対にいい」
という単純な話にはしたくありません。
大切なのは、
その住宅の断熱・気密性能、地域の気候、冷暖房計画まで含めて、なぜその換気方式を選んだのか説明できるか。
です。
住宅性能が上がれば上がるほど、
「なんとなく昔からこの仕様だから」
ではなく、
空気まで設計する必要がある。
私はそう考えています。
御前崎で考えたいのは「温度」以上に湿度です
静岡県で暮らしていると、夏に本当に厄介なのは温度だけではありません。
湿度です。
同じ28℃でも、
湿度が高い28℃と、
湿度が適切に管理された28℃では、
体感がまるで違います。
だから明工建設では、
「エアコンを何台付けるか」
だけではなく、
家全体の温度と湿度をどう整えるか
から考えます。
そしてこれは快適性だけの話ではありません。
床下。
壁の中。
小屋裏。
普段皆さんが見ないところの温湿度も、長い目で見れば建物の耐久性に関係します。
つまり、
人が快適に暮らす空気と、家が長持ちする環境を別々に考えない。
これが私たちの家づくりです。
エアコンは「何台付いているか」より「何台必要な家なのか」
これも、家を買う時には意外と見落とします。
各部屋にエアコンが必要な家なら、
リビング。
主寝室。
子ども部屋2室。
場合によっては5台近くになります。
10数年後、それらが順番に故障したらどうでしょう。
交換費用が発生します。
クリーニングも必要になります。
だから明工建設では、住宅そのものの性能と空調計画を整え、少ない冷暖房設備で家全体を快適にすることを目指しています。
ここでも、
「エアコン本体がいくらか」だけを見るのではなく、「その家では生涯何台必要なのか」
を見る。
これが暮らし目線です。
そして「電気を安く買う」から「電気をつくる」へ
これからの住宅には、もう一つの考え方があります。
太陽光発電です。
昼間、屋根で電気をつくる。
家で使う。
余れば蓄える。
必要なら売る。
そして蓄電池やV2Hと組み合わせれば、停電時にも電気を使える可能性が生まれます。
これは単なる「電気代節約設備」ではありません。
私は、
平時には家計を守り、非常時には暮らしを守る設備
として考えています。
ただし、ここでも設備を付ければいいわけではありません。
太陽光が何kW載るのか。
年間発電量はどのくらい見込めるのか。
自家消費はどの程度か。
蓄電池は何kWhなのか。
出力は何kVAなのか。
停電時に100Vだけなのか。
200V機器も使えるのか。
特定の回路だけなのか。
家全体をバックアップできるのか。
ここまで確認して初めて、
「停電に強い家」
という言葉に中身が入ります。
安い家を否定したいわけではありません
ここは、私が一番伝えたいところです。
予算は大切です。
無理な住宅ローンを組んで高性能住宅を買い、その後の生活が苦しくなったら本末転倒です。
だから私は、
高い家を買ってください
とは言いません。
言いたいのは、
同じ物差しで比較してください
ということです。
A社が2,800万円。
B社が3,100万円。
そこで比較を終わらせない。
太陽光は?
蓄電池は?
断熱性能は?
C値は実測する?
換気方式は?
冷暖房は何台必要?
10年後の設備交換は?
20年間の光熱費試算は?
メンテナンスは?
停電した時は?
そこまで並べてから、
「では、どちらが私たち家族にとって安いの?」
と考える。
そうすると、最初とは少し違う景色が見えてくるかもしれません。
私自身、昔からこう考えていたわけではありません
明工建設にも、地域のパワービルダーの下請けとして住宅を建てていた時代が10年ほどあります。
決められた仕様。
決められた価格。
決められた工程。
たくさんの住宅をつくりました。
その経験は、今の私にとって大切な財産です。
同時に、考えるきっかけにもなりました。
完成して引き渡した後、
そこで家族は30年、40年暮らします。
だったら住宅会社の仕事は、
「完成させること」で終わっていいのだろうか。
そう考えるようになりました。
住宅会社にとっては数カ月の工事でも、
お客様にとっては、その後何十年も続く暮らしです。
主語が違っていたんです。
「お客様のために」より、「お客様の目線で」
これは今、私がとても大切にしていることです。
住宅会社は、
「お客様のために、この設備をおすすめします」
と言います。
でも、そこで一度、
お客様の椅子に座って考えてみる。
私が30代で、
子どもがいて、
これから教育費が増えて、
住宅ローンを35年払って、
電気代も払って、
車も買い替えて、
老後資金も準備するとしたら。
欲しいのは、
カタログに書かれた最高スペックでしょうか。
それとも、
毎月安心して暮らせる家でしょうか。
私は後者だと思うようになりました。
だから明工建設は、性能を単品で売る会社ではありません。
断熱だけ。
太陽光だけ。
蓄電池だけ。
換気だけ。
耐震だけ。
ではなく、
健康・快適・省エネ・防災・家計を一つにつなげて考える。
それが現在の明工建設の家づくりです。
住宅会社を決める前に、この質問をしてみてください
私は会社名や広告ではなく、質問に対する答えを比べてほしいと思っています。
「この家で年間どのくらいのエネルギーを使う想定ですか?」
「C値は実測しますか?」
「なぜ、この換気方式なんですか?」
「夏の湿度はどう管理しますか?」
「冷暖房は何台必要ですか?」
「太陽光を載せた場合、買電量はどう変わりますか?」
「10年、20年後に交換する設備は何ですか?」
「停電したら、どこまで普通の生活ができますか?」
そして最後に、
「建物価格ではなく、30年間の暮らしにかかるお金を一緒に考えてもらえますか?」
と聞いてみてください。
全部完璧に答えられる会社である必要はありません。
未来の電気料金など、誰にも分からないからです。
むしろ私は、
分からないことを「分からない」と言ったうえで、
条件を置いて一緒に計算してくれる会社
の方が信頼できると思います。
家は「買った日」がゴールではありません
電気料金のニュースを見ながら、私は改めて思いました。
住宅は、
建てる時より、暮らし始めてから差が出ます。
真夏の夜。
真冬の朝。
梅雨のじめじめした日。
電気料金の請求書が届いた日。
台風で停電した夜。
エアコンを交換する10数年後。
子どもが独立した20年後。
そして住宅ローンを払い終える頃。
その一つ一つで、
「あの時、この家を選んで良かった」
と思えるかどうか。
私は、そこまでが住宅会社の仕事だと思っています。
もし今、家づくりで迷っているなら
いろいろな住宅会社を見てください。
たくさん話を聞いてください。
明工建設以外の見積書でも構いません。
住宅会社でもらった性能表でも構いません。
太陽光のシミュレーションでも構いません。
全部持ってきてください。
そして一緒に、
「何が違うのか」
を整理しましょう。
私たちの家を買うと決めてから来ていただく必要はありません。
家づくりで本当に大切なのは、
営業マンに決めてもらうことではなく、
自分たち家族が、なぜこの家を選ぶのか説明できるようになること
だと思うからです。
価格だけを見ていた時には見えなかったものが、
光熱費。
健康。
湿度。
空気。
メンテナンス。
防災。
そして30年後の家計まで並べてみると、
少しずつ見えてくるかもしれません。
「安く建てる家」と「安く暮らせる家」は、同じとは限りません。
そして、
「高性能な家」と「幸せに暮らせる家」も、ただ設備を増やせば同じになるわけではありません。
家族に必要なものを、必要なだけ。
それらを一つにつないで、暮らし全体を整える。
そこまで考えて、
「もう迷わない。この家なら家族と暮らしていける」
と思えるところまで来てから、家を選んでください。
明工建設は、その判断のお手伝いをする住宅会社でありたいと思っています。
ご縁を大切に唯一無二の家造り。
おかげさまで、ありがとうございます。
参考情報
中部電力ミライズは2026年10月分の低圧燃料費調整単価を0.09円/kWh(国の電気・ガス料金支援▲3.50円/kWhを反映)、11月分を4.31円/kWhと公表しています。料金は契約メニューや使用量などでも異なるため、実際の請求額は各家庭で確認する必要があります。みらいず
お読みいただき、ありがとうございます。
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