
◆フラット35と35年固定の住宅ローンの違い
はじめに、
「フラット35」と
「35年固定の住宅ローン」、
それぞれの特徴とその違いを見ていきましょう。
●フラット35とは
フラット35は、住宅金融支援機構が
民間の金融機関と提携し、
販売する長期固定型住宅ローンです。
商品の内容や利用条件等は、
住宅金融支援機構が定めた基準に則っているため、
金利や事務手数料、付帯サービス以外は
どの金融機関から借りても同じです。
※住宅金融支援機構とは
国土交通省と財務省が所轄する独立行政法人のことです。
住宅金融市場における安定的な資金供給を支援し、
省エネ住宅など、良質な住宅の普及を推進しています。
●フラット35の特徴
☆全期間固定金利
フラット35の住宅ローン金利は、
全期間固定金利となっており、
借り入れ期間中の金利が変わりません。
借り入れ時に総返済額を確定できるため、
返済計画が立てやすい点がフラット35の大きな魅力です。
フラット35であれば、
借り入れ期間中に金利の変動を気にする必要がないため、
安心して利用することができます。
☆団信(団体信用生命保険)への加入が任意
民間の金融機関が提供する住宅ローンとは異なり、
フラット35の場合、団信への加入義務がありません。
(※民間の金融機関が提供する
35年固定の住宅ローンの場合、団信への加入が必須です。)
つまり、「持病がある」といった
健康状態の関係で団信に加入できず、
住宅ローンを組むのが難しい人でも、
フラット35であれば、加入することが可能です。
もちろん、フラット35で団信に加入することもできます。
その場合、住宅ローン金利が
0.2%高くなる点には注意しましょう。
団信に加入しない場合は、万一に備え、
保険会社が提供する
「生命保険」や「収入保障保険」等の
保険に加入しておくと安心です。
☆審査のハードルが低い
民間の金融機関が販売する住宅ローンと比較すると、
審査のハードルが低い点も
フラット35の特徴の一つです。
フラット35の場合、
利用条件(審査条件)が明確に決まっており、
その条件を満たしていれば、
確実に融資を受けることが可能です。
民間の金融機関が販売する
住宅ローンの審査になかなか通らない人や、
収入が不安定な自営業の人でも、
条件さえ満たしていれば
融資を受けることができる点は、
フラット35の大きなメリットといえるでしょう。
☆フラット35 審査条件
・申し込み時の年齢が70歳未満の方、
最終返済時80歳未満の方
(親子リレー返済を利用する場合は、
70歳以上の方の申し込みも可)
・日本国籍または永住許可を有する方
・年収に占めるすべての借り入れの
年間返済額(本件融資を含む)の割合(=総返済負担率)が
下記基準を満たしている方
?年収400万円未満の場合年間返済額が
年収に占める割合:30%以下
?年収400万円以上の場合年間返済額が
年収に占める割合:35%以下
◆35年固定の住宅ローンとは
民間の金融機関(銀行や信用金庫など)が独自に開発し、
提供する住宅ローンです。
各金融機関が独自開発した商品になるため、
金融機関によって、商品の内容や利用条件、
付帯サービス等が異なります。
◆35年固定の住宅ローンの特徴
・金利タイプを選択できる
35年固定の住宅ローンの場合、
金利タイプを「変動金利」、「全期間固定金利」、
「当初固定金利」から選択できます。
フラット35と同様に、
借り入れ期間中の金利を一定にしたい場合は、
「全期間固定金利」を選ぶのがおすすめです。
また、金融機関によっては、
特約期間が35年の「当初固定金利」を選ぶと良いでしょう。
●金利タイプの違い
・変動金利
市場の金利に連動して住宅ローン金利が変動する
住宅ローンです。
金利の変動によって、
住宅ローンの総返済額が大きく変わります。
金利の急変動に対応するため、
金利が上昇した場合も当初5年間は返済額が固定されます。
・全期間固定金利
借り入れから完済まで、金利が一定の住宅ローンです。
変動金利や当初固定金利と比較すると、
金利はやや高めに設定されているが、
借り入れ時に金利と総返済額を確定できるため、
返済位計画が立てやすく、安心して利用できます。
・当初固定金利
特約期間中(当初固定期間中)は金利が固定され、
特約期間が終了するタイミングで、
次の期間に利用する住宅ローンのタイプと
期間を選択できる住宅ローンです。
全期間固定金利と比較すると、
特約期間中は優遇金利幅が大きく、
有利な金利で住宅ローンを組むことができます。
ただし、特約期間終了後、
金利が大幅に上がるケースがある点には
注意が必要です。
●所定の団信(団体信用生命保険)への加入が必須
フラット35とは異なり、
35年固定の住宅ローンでは、
契約者に万一のことがあった場合のリスクに備え、
所定の団信への加入を
住宅ローン利用時の必須条件としています。
ちなみに団信とは、
「団体信用生命保険」の略で
住宅ローン返済期間中に
住宅ローン契約者が死亡または高度障害になった場合に
適用される保険のことです。
団信が適用されると、
住宅ローンの残金を保険会社が
金融機関に支払うことで住宅ローンが清算され、
住宅ローン残高が0円になります。
また、数ある金融機関の中には、
団信に「全疾病保障」や「がん診断保障」を
無料付帯できるところもあるので、
35年固定の住宅ローンを選ぶ際は
団信についても併せてチェックしましょう。
●住宅ローン審査が厳しい
35年固定の住宅ローンは、フラット35と比較すると、
借り入れ(借り換え)審査が厳しく設定されています。
また、審査基準(審査の難易度)が
金融機関によって異なる点には注意が必要です。
金融機関A社の住宅ローン審査に
通過しなかった場合でも、
別の金融機関B社では審査に通過できるケースがあるので、
35年固定の住宅ローンを利用する際は、
いくつか候補を絞り込み、
複数の金融機関に審査を申し込んでおくことを
おすすめします。
●まとめ
今回は、フラット35と
民間の金融機関が提供する35年固定の住宅ローンの
比較をお伝えしました。
同じ「借り入れ期間35年」の住宅ローンを組む場合でも、
フラット35と35年固定の住宅ローンとでは、
住宅ローン審査の基準も違えば、
金利も大きく異なるため、
実際に35年の長期固定で住宅ローンを組む場合は、
それぞれの特徴をしっかりと把握したうえで、
自分に合った商品を選ぶことが大切です。
35年の長期固定型住宅ローンの
借り入れを検討している方は、
今回のメールマガジンを参考に、
フラット35と
民間の金融機関が提供する35年固定の
住宅ローンの違いをチェックし、
住宅ローン選びの際に役立てましょう!
それでは、また!