円安162円で大騒ぎする前に

利上げ・増税で日本経済を冷やす方が、よほど危険です

おかげさまです。
明工建設の仁藤です。

今日は、あるメルマガで書かれていた「円安」について、少し私なりの考えをお伝えしたいと思います。

まずは「円安」についての経済解説です。

円が162円を超えている。
このまま200円になるかもしれない。
原因は日米金利差だ。
だから日本も金利を上げるべきだ。
増税などで市場を引き締めるべきだ。
高市政権は円安政策しかしていない。
このままでは所得上昇も物価高で消える。

一見、もっともらしく聞こえます。

しかし、私はこの考え方には大きな問題があると思っています。

なぜなら、円安の問題を「金利差」だけで説明し、解決策を「利上げ」や「増税」に持っていこうとしているからです。

これは、非常に危険な考え方です。

たしかに円安は進んでいます

現在、ドル円は162円台まで円安が進んでいます。ロイターも、7月8日のアジア市場でドルが162.46円まで上昇し、7月2日以来の高値になったと報じています。背景には、中東情勢の緊張によるドル買いもありました。

つまり、円安が進んでいること自体は事実です。

また、日本とアメリカの金利差が為替に影響していることも事実です。

アメリカの政策金利は、6月のFOMCで3.50%から3.75%の範囲に据え置かれています。
一方、日本は6月に日銀が政策金利を1.0%に引き上げたものの、アメリカよりかなり低い水準です。ロイターも、日銀が6月に政策金利を1%へ引き上げた後も、円安圧力が残っていると報じています。

ここまでは分かります。

しかし、問題はその先です。

だから日本ももっと金利を上げるべきだ。
だから増税して市場を引き締めるべきだ。
だから政府の積極財政は危ない。

この結論に持っていくのは、あまりにも短絡的です。

円安の原因は、金利差だけではありません

よく「円安の原因は日米金利差だ」と言われます。

もちろん、金利差は大きな要因です。
金利の高い国にお金が流れやすいのは事実です。

しかし、為替は金利差だけで決まるものではありません。

通貨の価値は、その国の将来に対する評価でもあります。

日本はこれから成長するのか。
日本企業は投資するのか。
日本に工場や産業が戻ってくるのか。
日本人の所得は上がるのか。
日本の供給力は高まるのか。
日本に投資する価値があるのか。

市場は、こうしたことも見ています。

ですから、本当の円安対策は、単に金利を上げることではありません。

日本経済を成長させることです。
日本を投資したくなる国に戻すことです。
国内の供給力を高めることです。
民間企業が安心して設備投資できる環境をつくることです。
地域経済にお金が回る仕組みをつくることです。

これができれば、円の信認は高まります。

逆に、金利を上げ、増税し、政府支出を絞り、企業や家計を冷やせばどうなるでしょうか。

日本はまた成長できない国だと見られます。
企業は投資を控えます。
所得は伸びません。
住宅も建ちにくくなります。
地域経済も弱ります。

その結果、かえって中長期的には円が弱くなる可能性すらあります。

利上げで円安は止まったのか

ここで冷静に見なければいけません。

日銀は6月に政策金利を0.25%引き上げ、1.0%にしました。
では、それで円安は止まったのでしょうか。

止まっていません。

ロイターは、日銀が利上げした後もドル円は162円台まで進み、円が1986年以来の安値圏にあると報じています。

つまり、「利上げすれば円高になる」という単純な話ではないのです。

もちろん、短期的には利上げが円買い材料になることはあります。
しかし、日本経済の成長力を弱めるような利上げであれば、長い目で見て円の信認を高めるとは限りません。

むしろ、今の日本に必要な投資を冷やしてしまうなら、本末転倒です。

今やるべきは利上げではなく、投資です

今の日本経済に必要なのは、成長投資です。

防災。
インフラ。
エネルギー。
農業。
製造業。
半導体。
AI。
医療。
介護。
教育。
住宅。
地域産業。
人材育成。

こうした分野に投資し、国内で生み出す力を高めることが必要です。

物価高の原因も、単に需要が強すぎるからではありません。

エネルギーが高い。
食料が高い。
資材が高い。
物流費が高い。
人手が足りない。
国内供給力が弱い。

こうした供給側の問題が大きいのです。

それなら、利上げで需要を冷やすのではなく、供給力を高める投資をするべきです。

にもかかわらず、「円安だから利上げだ」「物価高だから増税だ」と言うのは、病人に対して体力を削る薬を飲ませるようなものです。

体を強くしなければいけない時に、食事を減らしてどうするのか、という話です。

増税で円高にするという発想は危険です

メルマガでは、「せっかく税収も上がっているので、金利を上げるか、増税などの引き締め策を打って円を高くした方が良い」といった趣旨のことが書かれていました。

私は、これは非常に危険だと思います。

税収が上がっているなら、本来は国民に還元すべきです。
減税、社会保険料負担の軽減、投資減税、住宅支援、地域インフラ投資などに使うべきです。

それを「増税して市場を引き締めろ」と言う。

これは、また日本を緊縮に戻す発想です。

増税すれば、家計の可処分所得は減ります。
消費は弱ります。
企業の売上も弱ります。
住宅取得意欲も下がります。
中小企業の投資も減ります。

その結果、景気は冷えます。

仮に一時的に円高に振れたとしても、国民生活が苦しくなり、国内投資が弱まり、日本経済の成長力が落ちるなら、何の意味があるのでしょうか。

為替の数字を守るために、国民経済を壊してはいけません。

政府の借金が多いから金利を上げられない、という説明もおかしい

よく言われます。

「日本は政府の借金が多いから金利を上げられない」
「だから市場に円を売られる」
「だから財政規律を示さなければならない」

しかし、ここにも大きな誤解があります。

日本政府の国債は、ほとんどが円建てです。
日本は、自国通貨建てで国債を発行している国です。

家計や企業の借金とは性質が違います。

もちろん、だから無限にお金を使ってよいという話ではありません。
制約はあります。

その制約とは、財源ではなく、インフレと供給力です。

政府支出が国内の供給能力を超えて需要を膨らませれば、インフレになります。
しかし、政府支出によって道路、住宅、エネルギー、技術、人材、地域産業などの供給力が高まるなら、それは将来の成長力を高める投資です。

つまり、問題は「国債を出すかどうか」ではありません。

何に使うかです。

バラマキなのか。
消費を一時的に増やすだけなのか。
それとも、日本の供給力を高める投資なのか。

ここを見なければいけません。

円安は悪いことばかりではありません

もう一つ大事なことがあります。

円安は、悪いことばかりではありません。

もちろん、輸入物価が上がるというデメリットはあります。
燃料、食料、建材、資材の価格上昇は、家計にも工務店にも大きな負担です。

これは現場でも感じています。

しかし、円安にはメリットもあります。

輸出企業の利益が増えやすくなる。
海外から見て日本の商品やサービスが割安になる。
インバウンド需要が増える。
地方にも観光消費が落ちる。
海外に出ていた製造業が国内回帰しやすくなる。
国内生産の価値が高まる。

問題は、円安そのものではありません。

円安を活かせるだけの国内供給力が弱っていることです。

国内で作れない。
人手が足りない。
設備が古い。
エネルギーが高い。
地域産業が弱っている。
職人が減っている。

これでは、円安のメリットを十分に活かせません。

だからこそ必要なのは、利上げや増税ではなく、国内投資です。

地域の会社が元気になる。
職人を育てる。
住宅性能を高める。
地域でお金が回る。
エネルギーに強い家をつくる。
地元産業に仕事をつくる。

こうした積み重ねが、円安を日本再生の追い風に変えるのです。

建材価格が上がるなら、なおさら家づくりには知恵が必要です

円安が進めば、建材価格に影響が出る可能性はあります。

燃料費。
輸入木材。
設備機器。
金属。
断熱材。
輸送コスト。

こうしたものが上がれば、住宅価格にも影響します。

だからこそ、家づくりはますます難しくなっています。

ただ安く建てればよい。
今だけ安ければよい。
設備が新しければよい。

そういう時代ではありません。

これからは、長期的に見て家計を守る家が必要です。

断熱性能を高める。
光熱費を抑える。
メンテナンス費を抑える。
災害に強くする。
健康に配慮する。
将来の資産価値を考える。
住宅ローンだけでなく、暮らし全体のコストを見る。

これが本当の家づくりです。

金利や円安に振り回される時代だからこそ、目先の価格だけでなく、長期の経済性を見る必要があります。

所得上昇を物価高で消さないために必要なこと

メルマガでは、「このままでは所得の上昇も物価高で全部消えそう」と書かれていました。

この不安は分かります。

しかし、だからといって利上げや増税で景気を冷やせば、所得上昇そのものが止まります。

物価高に負けないためには、所得をさらに上げる必要があります。
そのためには、企業が投資し、利益を出し、賃金を上げられる経済が必要です。

つまり、必要なのは緊縮ではありません。

成長です。
投資です。
生産性向上です。
地域経済の強化です。
中小企業が元気になることです。

政府が投資し、民間が投資し、地域が動き、所得が増える。
これが本当の物価高対策です。

逆に、金利を上げ、増税し、投資を冷やせば、物価は多少落ち着くかもしれませんが、所得も伸びなくなります。

それでは、国民は豊かになりません。

高市政権のアキレス腱は「円安政策」ではない

メルマガでは、「ここが高市政権のアキレス腱だ」と書かれていました。

つまり、円安政策しかやらないことが弱点だ、という見方です。

しかし私は、見方が逆だと思います。

本当のアキレス腱は、積極財政や成長投資が中途半端で終わることです。
そして、財務省や日銀やメディアの圧力に負けて、また緊縮に戻ってしまうことです。

円安が怖いから利上げ。
物価高が怖いから増税。
国債が怖いから支出削減。
市場が怖いから投資縮小。

これをやったら、日本はまた失われた30年の延長に戻ります。

今、本当にやるべきことは、日本を成長する国に戻すことです。

投資する国に戻す。
所得が増える国に戻す。
地域が元気になる国に戻す。
家を建てられる国に戻す。
子育てできる国に戻す。
若者が未来を描ける国に戻す。

それができれば、円の信認も高まります。

結論:円安を恐れるより、成長を止めることを恐れるべきです

円安は確かに生活に影響します。
建材価格にも影響します。
燃料費にも影響します。
家計にも企業にも負担があります。

しかし、だからといって、利上げや増税で経済を冷やすのは間違いです。

本当に恐れるべきは、円安そのものではありません。

本当に恐れるべきは、日本がまた投資をやめることです。
企業が投資をやめることです。
家計が未来を諦めることです。
地域が衰退を受け入れてしまうことです。
家づくりが単なる価格競争に落ちてしまうことです。

私たちに必要なのは、正しい経済観念です。

経済とは、お金の数字を整えることではありません。
経済とは、経世済民です。
世を経め、民を済う。
つまり、人々の暮らしを豊かにし、地域を良くし、未来をつくることです。

明工建設は、家づくりを通じて、その経世済民を実践していきたいと考えています。

円安の時代だからこそ、エネルギーに強い家を考える。
物価高の時代だからこそ、長く家計を守る家を考える。
金利が動く時代だからこそ、無理のない資金計画を考える。
地域経済が不安定な時代だからこそ、地元に根ざした家づくりを考える。

誰と家をつくるか。
誰と事をつくるか。
誰と未来をつくるか。

これが、これからの時代にますます大切になります。

新聞やメルマガの不安をあおる言葉に振り回されず、本質を見ていきましょう。

円安を恐れるだけではなく、円安を活かせる地域経済をつくる。
金利を恐れるだけではなく、長期的に家計を守る家をつくる。
物価高を嘆くだけではなく、未来に投資する暮らしをつくる。

そのために、明工建設はこれからも、経世済民の視点を大切にした家づくり、事づくりをお届けしてまいります。

ご縁を大切に唯一無二の家造り。

おかげさまでありがとうございます。

明工建設が語る日本経済と家づくり - YouTube

【チャプター(目次)】00:00 明工建設が語る日本経済と家づくり00:40 経済不安の正体を紐解く01:48 緊縮財政の大きな過ち03:02 「円安」を再考する04:04 大胆な投資の力0…

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