間取りの優先順位──「性能」だけでは良い家にならない理由

明子： 最近お客様から「断熱等級7がいい」「耐震3が絶対」など、“性能が最優先”という相談が多いんですが…間取りが後回しになってしまう方も多いんです。本当に性能だけで決めても大丈夫なんでしょうか？

店長： 性能が良いこと自体は正しい。でもね、実は「性能が高い＝暮らしやすい家」ではないんだよ。むしろ、暮らしにくい家になることだってあるんだ。

1. 性能ばかりに気を取られると起きる「よくある失敗」

◆ ① 間取りの制約が増え、暮らしにくい家になる

性能を優先すると、構造材の配置や窓サイズ・配置が制限され、こんな問題が起こりがちです。

• 希望の大開口が取れない
• 収納が減る
• 動線が悪くなる
• 暗くて風通しの悪い部屋ができる

性能は上がっても、暮らしにくさが残ってしまっては本末転倒です。

◆ ② 性能アップに予算を使いすぎて後悔する

性能は上げようと思えばいくらでも上げられます。しかし、予算は有限。 性能ばかりに投資すると、

• キッチン・お風呂など設備の満足度が下がる
• 収納不足のまま暮らすことになる
• 外構にお金を回せず住んだ瞬間にストレス

など「暮らしの豊かさ」が損なわれることがあります。

明子： 個人的にここが一番の問題になるケースが多いです。予算は決まっているので、その中でやりくりすると、どうしても全部は叶わない。そこに性能や耐震や・・・ってなると、どんどん間取りに余裕が無くなるんですよね・・・

2. 間取りが“暮らしやすさ”を決める理由

◆ ① 動線が良い家は、毎日の満足度が高い

家事動線・帰宅動線・洗濯動線など、毎日使う“道”がストレスなくつながっていると、生活が圧倒的に楽になります。

◆ ② 収納計画で家の状態が決まる

性能が高くても、片付かない家は暮らしにくい。 収納の量だけでなく、位置と使い勝手がとても重要です。

◆ ③ 明るさ・通風は「心の健康」に関わる

窓の配置・大きさ・方位は、ただのデザインではなく、快適性の根本。 性能だけを優先すると、この最重要ポイントを逃すことがあります。

店長： 性能も大事な快適性なんだけど、家の間取りも大きな快適性のポイントなんだよね。絶対にないがしろにしてはいけないポイントなんだ。

3. 性能と間取りの優先順位をどうつけるか？

◆ 家族にとって「何が一番ストレスか」を整理する

例：

• 冬の寒さがつらい → 断熱を優先
• 片付けが苦手 → 収納と動線を優先
• 地震が不安 → 耐震を優先
• 共働きで忙しい → 家事ラク動線を優先

この“優先順位の違い”こそが、家族ごとに最適解が違う理由です。

4. 明工建設の考え方──性能も大事。でも「暮らし」はもっと大事

店長： 明工は“性能も間取りも高いレベルで両立させる”ことを前提にしているけれど、 何より大切なのはその家族が豊かに暮らせる設計かどうかなんだ。

明子： 性能が良いのは当たり前。でも暮らしにくい家は嫌ですよね…。家族によって“快適の基準”が違うということなんですね。

店長： そういうこと。 性能は大切。でも“暮らし方”の議論を先にすることが、本当に良い家をつくる第一歩なんだよ。