掛川で家を建てるときに気を付けたいポイント

明子： 店長、掛川で家を建てたいというお客様が増えてますよね。でも掛川って、地域によってけっこう特徴が違うって聞いたんですが…。

店長： その通りだよ。掛川は南は海、北は山という立地だから、風や気候、土地のクセがはっきり出る地域なんだ。知らずに家づくりを始めると後で困ることが多いんだよ。

1. 掛川で家を建てるときの注意点（地域特性編）

① 風が暮らしを左右する──南は海、北は山の地形

掛川は南が遠州灘、北には山があるため、風の影響を強く受けます。

明子： 夏は風があって涼しいって聞きますけど…冬はどうなんですか？

店長： 冬は「遠州の空っ風」が有名だよね。これが本当に強くて、体感温度がかなり下がる。 だから掛川では風向きを踏まえた外構と窓配置がとても重要なんだ。

② 津波と地盤──南部はリスク確認が必須

掛川の南部は海が近いため、津波の被害をを考慮する必要があります。 また、地域的に地盤が弱く地盤改良が必要になるケースが多いのも特徴です。

明子： 地盤改良って、土地を買ってから追加で費用がかかるやつですよね？ けっこう大事…。

店長： そうだよ。だから土地代だけ見て判断すると危ない。 掛川では「地盤込みで総額を見る」のが家づくりの鉄則なんだ。

③ 車社会のまち──駐車計画は最重要ポイント

掛川は新幹線もJRも通っていますが、生活は完全に車中心です。

明子：「家族一人に一台」って本当なんですか？

店長： 本当だよ。だから最低でも2〜3台は置ける駐車スペースが必要になる。 バスはそこまで本数が多くないから、車がないと生活が成り立たない地域なんだ。

敷地に対してどれだけ駐車しやすいかは、掛川では家の満足度に直結します。

④ 広めの土地が多く価格も安定──配置が重要に

掛川の土地は60坪前後で1,000万円前後と、比較的ゆとりのある敷地が見つけやすい地域です。

明子： 広い土地なら使いやすそうですね！

店長： ところがね、広い土地ほど“どこに家を置くか”で大きく変わる。 風の強い地域だから、配置を間違えると風の通り道を直撃してしまうんだよ。

⑤ 冬は寒くないのに寒い、夏は暑くないのに暑い──気候のクセ

気温だけ見れば冬は3〜5℃、最高12〜13℃と温暖です。 しかし体感温度は「風の強さ」で大きく下がります。

明子： なるほど…数字より寒いってことですね。

夏も湿気が多く、涼しいわけではありませんが、都市部ほど極端な暑さはありません。

掛川では次が重要になります：

• 高気密・高断熱
• 窓の性能と配置
• 風対策の外構

⑥ 農地が多い地域──農地転用は可能だが要確認

掛川は農地が多く、建築可能な土地かどうかの確認が必要です。

店長： 掛川は農地転用が極端に難しい地域ではないけど、 土地ごとに条件が違うから、必ず事前確認が必要だよ。

⑦ 1市2町の集合体──“旧エリアの文化”を必ず理解する

掛川市は平成の大合併で、掛川市・大須賀町・大東町の1市2町が合併して誕生しました。 そのため、同じ「掛川」という名前でも、エリアごとに文化・生活環境・地域性が大きく異なります。

明子： 同じ掛川でも、昔の町の名残が残っているってことですか？

店長： そうなんだ。特に学校・お祭り・地域コミュニティは、旧市町村ごとの色が今もすごく濃いんだよ。

● 旧・掛川市エリア（市街地）

昔から掛川の中心地だったため、 ・お店が多い ・人口が多い ・学校も多く選択肢が豊富 という特徴があります。

そのため家を建てる時に、学区の雰囲気でエリアを選ぶ人も多い地域です。

● 旧・大須賀町・旧・大東町エリア（海側〜郊外）

この2つの旧町エリアは、 ・駅がない ・お店が少ない ・車が必須 という交通・生活環境の違いがあります。

明子： 地元の方がそのまま建てることが多いって聞きました。

店長： うん。だからコミュニティが深いことが多いんだ。 地域消防やお祭りへの参加を“必ず”求められる場面があったりして、 外から引っ越した人には少し驚くこともあるね。

ただし、このエリアは ・家が密集していない ・車の交通量も少ない ・静かで自然が豊か というメリットが大きく、田舎暮らしを楽しみたい人には最高の立地です。

2. 家を建てる前に必ず準備しておきたいこと（共通編）

明子： ここまで聞くと、掛川って“知らないと損するポイント”が多いですね…。何から準備したらいいんでしょうか？

① まずは資金計画から始める

土地より先に総額の見通しを立てることが大切です。 地盤改良や風対策など、掛川ならではの費用も考慮する必要があります。

② 土地と建物のバランスを決める

掛川は広めの土地が買いやすいため、 土地に予算をかけすぎて建物が窮屈になるパターンが起きやすい地域です。

③ 住宅会社選びは“掛川に強い”ことが必須

風・地盤・農地転用など、地域特性に精通している会社でないと、 後で大きなトラブルになりかねません。

3. 掛川での家づくりが成功するためのポイント

店長： 掛川は本当に魅力的な地域だけど、ポイントを押さえないと暮らしやすさが大きく変わるんだよ。

① 暮らし方から逆算する

車社会・風・気候・広い土地。 掛川を理解した上で、家族に合った暮らしを設計することが重要です。

② 未来の街の変化を見ながら土地を選ぶ

掛川は開発も多く、エリアによって価値が変わりやすい地域です。

③ 地域を知る住宅会社に相談する

掛川の特性を熟知している会社なら、 土地選びから家づくり全体をスムーズに進められます。