住宅の「値引き」って本当に正しいこと?

先日お客様と話をしていたとき、印象的な言葉をいただきました。
「値引きの話をされた瞬間に、信用がなくなる。それまで良い提案をしてくれていた人でも、急に冷めてしまうんです。」
正確な言葉ではないかもしれませんが、この感覚はとても本質的です。
実際に、多くの方が同じように感じているのではないでしょうか。
家づくりは「信頼」がすべて。だからこそ、この“違和感”は無視できません。
ですが現実には、住宅の値引きを当たり前に行う会社も多くあります。
ネットには「ハウスメーカーから値引きを勝ち取る方法」なんてサイトまである。
そう考えると、もう住宅の値引きは“文化”といっていいかもしれません。
ただ、本当にそれでいいのでしょうか?
今回は、この「値引き」という行為の正体と、会社側の利益との関係を掘り下げていきます。
値引きには2種類ある

住宅の値引きには、大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは「キャンペーンや紹介などの値引き」。
もう1つは「個人交渉による値引き」です。
まずキャンペーンや紹介値引きは、誰でも条件を満たせば適用される“公平な値引き”です。
たとえば「春のキャンペーン中に契約した方に〇〇万円分プレゼント」といったものや、OB様が新しいお客様をご紹介くださったときの「紹介特典」など。
この場合は不公平感が少なく、仕組みとしても明確。金額も大きくなりすぎず、納得感があります。
一方で問題なのは、2つ目の「個人への値引き」。
つまり、「今ご契約いただければ300万円値引きします!」というような交渉型の値引きです。
これは人によって金額が違う“不公平な値引き”です。
たとえば同じ家を建てるのに、ある人は100万円引き、別の人は0円。
八百屋さんで「奥さん、いっぱい買ってくれたから1個おまけしとくね」というのと似ていますが、数千万円の買い物でこれをやるのは、ちょっと話が違います。
その値引き、本当に値引き?
ここで考えてみましょう。
あなたが受けた「値引き」、それって本当に値引きなのでしょうか?
見積り金額から引かれるから、値引きに見える。
でもその見積りを作ったのは誰? あなたではなく、会社ですよね。
つまり、最初の見積り金額自体が“変えられる前提”でつくられている可能性があるということです。
本来、見積りというのは根拠のある数字です。
仕入れや人件費、利益を計算し、会社が存続できる価格で設定している。
だから、正しい見積りなら簡単に変えられるものではありません。
それなのに「今だけ100万円引きます!」という言葉が出てくる。
スーパーでいえば、レジでいきなり「今なら100円引きます!」と言われるようなものです。
賞味期限が近いわけでも、特売日でもないのに、そんなことがあるでしょうか?
値引きの裏にある2つのパターン

私も大手ハウスメーカー、中堅メーカー、地場工務店と幅広く経験してきました。
だから、この業界の裏事情はある程度知っています。その知識を元にお話しします。
実は、こうした値引きには主に2つのパターンがあります。
1つ目は、本当に会社の利益を削って受注を取るパターン。
つまり、値引き額がそのまま会社の利益減になります。
お客様にとってはありがたいですが、店舗単位での経営を圧迫します。
1店舗あたり年間10〜20棟が平均といわれる中で、数件の大幅値引きがあれば、それだけで赤字になることもあります。
その結果どうなるか。
利益が足りず、会社が疲弊する。最悪の場合、契約した後に倒産……そんなケースもゼロではありません。
2つ目は、もっと厄介なパターン。
「最初から値引き分を上乗せしておく」方法です。
たとえば、3000万円で建てられる家に、あらかじめ300万円の“値引き枠”を足して、3300万円で見積りを出す。
そして、「特別に300万円お値引きします!」と提示する。
実際は何も引いていないのに、見た目だけお得に見せているんです。
この方法を使えば、会社は痛くもかゆくもありません。
むしろ、値引きをしないで3300万円で契約できれば、そのまま300万円が利益になる。
営業マンによっては、その分の一部をインセンティブでもらえることもあります。
こうなると、もう誰のための家づくりかわからなくなってしまいますよね。
住宅会社の利益構造を知ると見えてくること
「それでも何千万円もの売り上げあるんでしょ?住宅会社は儲かってるんじゃないの?」
そう思う方も多いかもしれません。
確かに、家1軒あたりの金額は大きい。ですが、実際の利益率はそれほど高くありません。
一般的に言われる粗利率は次の通りです。
- 大手ハウスメーカー:30〜50%
- 中堅・地場ビルダー:25〜35%
- 工務店・大工:15〜25%
たとえば3000万円の家なら、会社に残るのは数百万円。
しかもそこから人件費や展示場の維持費、広告費などが引かれます。
最終的な純利益は10%前後、つまり300万円ほどです。
つまり、300万円の値引きは「会社の利益をゼロにする」行為。
一見、太っ腹に見える値引きが、実は経営的には致命的なんです。
だからこそ、無理な値引きをする会社は危険信号ともいえます。
また、値引ける会社はどこかしら、その金額を用意していると言うことになります。
そもそも値引きだよりにならない計画をしよう

値引き交渉で得をしたように見えても、長い目で見れば損をすることもあります。
なぜなら、無理な値引きは必ずどこかでしわ寄せが出るからです。
たとえば、職人さんへの支払いを減らす、材料のグレードを下げる、工期を短縮する…。
その結果、住み始めてから不具合が出ることもあります。
一方で、値引きをしない会社は、最初から適正価格で提案している可能性が高い。
「最初から正直な見積りを出す」──それこそが、信頼の証です。
値引きがなくても、納得できる家を建ててくれる会社。
その方が、よほど安心して家づくりができます。
気をつけたいキャンペーンもある
最後になりますが、今まで肯定的に話してきたキャンペーンの値引きでも気を付けたいものがあります。
それは、いつ行ってもやっているキャンペーンです。
最近では気が付いた人が多いと言われますが、紳士服屋ってよく『閉店セール』やりますよね。
一般的に閉店セールって聞くと、もうそこで商売をやらないから、在庫が残らないようにたたき売りをしても売るよ!
そんなセールだと思いますが、紳士服屋の場合、数日は休むかもしれませんが、また普通に商売をしています。
どこが閉店だよ!ってツッコミを入れたくなりますが、店員さんによると、数日間閉店するから閉店セールだそうで、店員さん自体も違和感があるようですが、本部から言われるから仕方なくやっていると言っていました。
住宅会社ではこのようにある意味あざといセールは見かけませんが、よく見かけるのが『水回り応援キャンペーン 』とか、『決算セール』とかですが、これらは大体上乗せ型のキャンペーンです。
特に決算セールがあやしい(笑)
各社2~3月にこぞって行いますが、多くの会社は3,4月に決済ではありません。
ある意味便乗キャンペーンってやつですね。
そうなると、会社が決算だから赤字でもやれ!みたいな発信はしませんから、上乗せ型である確率がかなり高いです。
まとめ
住宅の値引きには「公平なもの」と「不公平なもの」があります。
そして、多くの人が不信感を抱くのは、この“不公平な値引き”です。
あなたがもし「なんだか違和感がある」と感じたら、その感覚は正しい。
小さな違和感を見逃さないことこそ、後悔しない家づくりの第一歩です。
安く見せることよりも、正しく伝えること。
そして、値引きよりも誠実さを大切にする会社こそ、本当に信頼できる住宅会社だと思います。
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