お米が高くて困る…という話題、最近よく耳にしますよね。
ニュースでは「構造的な問題だ」「抜本的改革を」なんて言葉が並びますが、
一番困っているのは、まさに今、この瞬間の食卓を支えているご家庭です。
そうした中で行われた備蓄米の放出。
私はこの取り組みを高く評価しています。
なぜなら、「未来を考える」ことの大切さを日頃から口にしている私自身が、
この行動に“未来を見据えた本質”を感じたからです。
ただ、マスコミや評論家などからは批判が多く出ており、とても悲しく思ってもいます。
確かに根本的な解決ではないし、色々な不備もあった。
それを指摘したい気持ちも分かりますが、そんなことを指摘したって今お米が買えない人や、高くて困っている人の役には何の意味もありません。
選挙の為の人気取り?
いいじゃないですか、それで助かる人がいるのなら。
本来政治はそういった国民を守るためになるのですから、今回のことも立派な政治だったと思います。
ただ、人気取りだけの政治では未来が明るくないので、私達国民がそういった政治にならないようにしっかりと見ていくしかないと思います。
どうも日本の人ってこういった問題があると、0から一気に100に問題解決したがりますが、実際には0から1へ、そして2、3、4、5・・・って続けていってようやく100にまで達する。
そういったことの方が現実ではないでしょうか?
色々な考えがあり、きっとどれも正解でどれも不正解なのでしょうが、今回ばかりは少し声を上げたかったので、お話しさせて頂きました。
賛否共にあると思いますが、考えるいいきっかけになればと思います。
今回はその思いをもとに、「未来のために建てる家」と「今を豊かに暮らす家」──
その両立について、住宅会社としての考えを少しだけお話ししてみたいと思います。
◆ 私が“未来の暮らし”を大切にしている理由
私たちは普段から、「今よりも10年後、20年後に後悔しない家づくり」を強く意識してご提案しています。
たとえば住宅性能、省エネ設計、ライフステージに応じた可変性──
いずれも、暮らしが変化しても安心して住み続けられるようにと考え抜いた仕様です。
なぜなら、家は“今この瞬間”のためだけにつくるものではないからです。
未来に起こるかもしれない不安やリスクに備えておくことは、家族を守る上でとても重要な視点です。
でも、だからといって「今の暮らし」が犠牲になっていいわけではない。
むしろ、“未来を見据えているからこそ、今を軽視しない”──
今回の出来事から、そんな大切な原点を思い出させてもらった気がしました。
◆ 将来の備えと、今の心地よさ。そのどちらも必要です
家づくりの現場ではよく、「老後のことを考えて…」「子どもが大きくなったときに…」というご要望をいただきます。
もちろん、それはとても大切なことです。
でも、それが行き過ぎてしまうと、今の暮らしにゆとりがなくなってしまうこともあるんです。
たとえば、将来の二世帯化を想定して最初から2階にキッチンをつくる。
でも当面は使わないし、掃除やメンテナンスの負担ばかりが増える…。
そんなご相談も過去に何度か受けました。
未来のための備えが、いまの暮らしを縛ってしまっては本末転倒。
“未来の安心”と“今の豊かさ”──そのバランスをとることが、家づくりのいちばんのポイントなのだと感じます。
◆ 今の快適さが、結果として未来の豊かさを支える
よく、「今の便利さだけを追うと、将来後悔する」と言われます。
これは確かに一理あるのですが、私たちはちょっと違う視点も持っています。
今の暮らしをしっかり整えることで、
毎日がラクになり、家族との時間が増え、気持ちに余裕が生まれる。
そうして積み重ねた日々が、結果的に将来の後悔を減らすことにつながるのではないでしょうか。
たとえば家事動線。
今、子育てや仕事に忙しいご家族が、ストレスなく動ける設計にすることで、
生活そのものの質がぐっと向上します。
あるいは、家族と顔を合わせやすい間取りや、思わず座ってしまう畳スペースなど──
心の距離を近くする“仕掛け”が、将来の家族の関係にも良い影響を与えると、私は信じています。
◆ 未来が読めない時代だからこそ、“変化に強い”家を
未来のための家づくりとは、「将来こうなるはずだ」と想定して形を固めることではありません。
本当に大事なのは、「どんな未来が来ても対応できる柔軟さ」を持たせることだと思っています。
リモートワークの普及、介護の問題、家族構成の変化、住宅ローンの組み替え…
今の時代、5年先すら予測が難しいと感じることも増えました。
だから私たちは、間取りや空間の使い方に“余白”を残します。
あとから仕切れる部屋、収納を増やせる設計、ライフステージによって用途を変えられる場所。
こうした設計の工夫が、未来に対して「構えすぎない柔らかさ」をもたらしてくれるのです。
◆ 家は「未来のため」だけにつくるものじゃない
冒頭のお米の話に戻りますが、
毎日の食卓を守ることは、“暮らしの基本”そのものだとあらためて感じました。
住宅も同じです。
確かに、性能や構造など未来を見据えた家づくりは必要不可欠です。
でも、それと同じくらい大切なのは、今日も家族で笑い合える「今」の暮らし。
毎日くつろげるリビング、朝の準備がスムーズな洗面室、
疲れて帰ったときにほっとする玄関の雰囲気──
それらの“今の快適さ”が、実は何よりの未来への備えになることもあるのです。
◆ 明工建設としての姿勢
私たち明工建設は、「未来のための家を建てる」という信念を持ちつつ、
「今を犠牲にしないこと」もまた、同じくらい大切にしています。
未来に対応できる性能や設計、資産価値の高い住まいはもちろん、
“今の生活が豊かになること”を第一に考えたご提案を心がけています。
未来を見据えるからこそ、今の暮らしがどうあるべきかを一緒に考える。
それが、後悔しない家づくりの第一歩だと、私たちは信じています。
◆ 最後に──「未来を考えるからこそ、今も大切に」
私は、家づくりは未来の暮らしに向けた“投資”だと考えています。
でもその投資が、“今”という時間を苦しめてしまっては意味がありません。
だからこそ、未来を見据える私たちだからこそ、
“今”の暮らしに丁寧に向き合いたい。
家族が今、笑って暮らせること。
それが、10年後、20年後にも「この家でよかった」と思える理由になるはずです。