家の電気代は気にするのに、車のガソリン代は別会計? EV充電のニュースを見て思ったこと

【仁藤流】子育て世代の家づくりは、住宅ローンだけでなく「住んでからの支出」で考えたい

おかげさまです。明工建設の仁藤です。

今日は、電気自動車の話です。

といっても、車を売る話ではありませんよ(笑)。

2026年10月、EV充電サービス「テラチャージ」を展開するTerra Chargeと、不動産関連サービスを展開するイタンジが業務提携したというニュースがありました。

集合住宅へのEV充電設備の導入を進めるための取り組みだそうです。

マンションやアパートでは、駐車場が共用部分になっていることも多く、充電設備を設置するにも、管理や費用負担など、いろいろな調整が必要です。

そこを何とかしようという動きですね。

私はこのニュースを見て、住宅業界も少しずつ変わってきたなと思いました。

昔は、住宅会社が考える電気といえば、照明やエアコン、給湯器など、家の中で使うものが中心でした。

でも、これからはどうでしょう。

車も電気で走る時代です。

そうなると、家と車を別々に考えるのは、少しもったいない気がするんです。

車がないと、なかなか暮らせない地域ですからね

掛川、菊川、御前崎、牧之原。

この地域で暮らしていると、車は生活の一部です。

通勤に車。

買い物に車。

子どもの送り迎えに車。

休日のお出かけにも車。

ご夫婦で一台ずつ所有しているご家庭も珍しくありません。

そうなると、住宅ローンとは別に、毎月のガソリン代や車の維持費が掛かります。

ところが、家づくりの打ち合わせではどうでしょう。

住宅ローンの返済額は、何度も計算します。

月々いくらなら払えるか。

金利が上がったらどうなるか。

何年で返すか。

これは当然、大切です。

でも私は、いつも思うんです。

住宅ローンだけが、家族の毎月の支出ではありませんよね。

電気代も掛かります。

水道代も掛かります。

車の燃料代も掛かります。

将来は、設備の交換費用や家の修繕費も掛かります。

だから、家の価格だけを見ていても、本当の家計の負担は分からないんです。

EV充電器があれば、必ず得をするのでしょうか?

ここは、少し冷静に考えたいところです。

電気自動車は、走行中にガソリンを使いません。

自宅で充電できれば、外出先の充電施設へ行く手間を減らせる場合もあります。

便利ですよね。

でも、EVにすれば必ず家計が安くなるかというと、そう単純ではありません。

車の購入価格。

走行距離。

電気料金。

ガソリン価格。

充電設備の設置費用。

車の保険や税金。

将来のバッテリーの状態や買い替え費用。

こうしたものによって、経済性は変わります。

例えば、毎日長い距離を走るご家庭と、週末に少しだけ車を使うご家庭では、計算結果が違って当然です。

私は、EVが良いとか、ガソリン車が悪いとか、そういう話をしたいわけではありません。

ご家族の暮らし方に合っているかどうか。

まずは、そこなんです。

家を建てるときに、車のことまで考えていますか?

ここからが、建築屋としてお伝えしたいところです。

家づくりでは、駐車場の位置や台数を決めますよね。

車を何台置くか。

雨の日に玄関まで歩きやすいか。

子どもを乗せ降ろししやすいか。

もちろん、どれも大切です。

でも、これからはもう一つ考えてもいいと思うんです。

「将来、電気自動車に乗るとしたら、どうする?」

今すぐEVを買う予定がなくても構いません。

ただ、将来の選択肢として考えておく。

例えば、駐車場まで電気配線を通せるようにしておく。

分電盤の容量や、充電設備の設置場所を検討しておく。

後から工事しやすいように、配管経路を考えておく。

こうした準備です。

もちろん、すべての住宅にEV充電器を設置する必要はありません。

電気設備の容量や配線、安全性などは、実際の建物や使用する機器に合わせて確認する必要があります。

でも、後から大がかりな工事をするより、新築時に準備しておいた方が合理的な場合があります。

使うかどうか分からない設備を全部買うのではなく、将来困らないように考えておく。

私は、こういう設計が好きなんです。

太陽光発電の電気を、車に使うという発想

明工建設では、スマートオフグリッドハウスという考え方を大切にしています。

太陽光発電。

蓄電池。

HEMSなどによるエネルギー管理。

そして、家で使う電気をできるだけ上手に活用すること。

こうした仕組みを、家全体で考えています。

ここにEVが加わると、また面白くなります。

例えば、昼間に太陽光で発電した電気を、条件が合えば車の充電に使うことができます。

自宅で発電した電気を、家の中だけでなく移動にも活用する。

これは、なかなか合理的な考え方だと思いませんか。

ただし、太陽光発電があれば、いつでも無料で車を走らせられるわけではありません。

昼間に車が自宅にないご家庭もあります。

天候によって発電量も変わります。

充電設備や電力契約によっても条件が違います。

だから、家族の生活時間と車の使い方を一緒に考える必要があるんです。

停電したら、EVが家の電源になる?

これも、最近よく聞かれる話題です。

V2Hという仕組みをご存じでしょうか。

Vehicle to Home。

電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を、住宅で使うための仕組みです。

対応する車両と機器を組み合わせることで、停電時に住宅の一部、または設備条件によってはより広い範囲へ電気を供給できる場合があります。

災害への備えとして、興味深い技術です。

ただし、ここも誤解してほしくありません。

EVなら何でも家へ給電できるわけではありません。

車種によって対応状況が違います。

V2H機器にも費用が掛かります。

停電時に使える電力や時間にも限りがあります。

車が外出中なら、当然その車から家へ電気を送ることはできません。

ですから、蓄電池とEV、どちらがいいのか。

両方必要なのか。

そもそも何を停電時に動かしたいのか。

そこから考えることが大切です。

冷蔵庫を動かしたいのか。

照明を確保したいのか。

通信機器を使いたいのか。

エアコンまで動かしたいのか。

必要な電力量が違いますからね。

家の値段は、建てたときの金額だけでは決まりません

ここで、いつもの仁藤流の話になります(笑)。

私は、家づくりで大切なのは、目先の価格だけではないと思っています。

例えば、二つの家があったとします。

一方は、建てるときの費用が少し安い。

もう一方は、断熱性能や省エネ設備に費用を掛けている。

どちらが得でしょうか。

これだけでは分かりません。

住んでからの電気代が違うかもしれません。

設備の交換費用が違うかもしれません。

修繕のしやすさが違うかもしれません。

そして将来、EVに乗り換えるとしたら、充電設備を追加する費用も違ってくるかもしれません。

だから私は、家の価格を比べるとき、建てるときの金額だけでなく、住み始めてからの支出まで考えたいんです。

家計にとって大切なのは、契約書に書かれた金額だけではなく、その後に払い続けるお金です。

もちろん、将来の電気料金やガソリン価格は分かりません。

設備には寿命もあります。

シミュレーションどおりにならないこともあります。

だからこそ、良い条件だけでなく、厳しい条件も想定して考えたい。

私は、そこまで含めて家づくりの提案だと思っています。

子育て世代こそ、毎月の余裕を大切にしてほしい

家を建てる頃は、お子さんがまだ小さいご家庭も多いと思います。

でも、子どもは成長します。

保育園。

小学校。

中学校。

高校。

進学。

習い事。

家族の暮らしも、支出も変わっていきます。

家を建てたときには余裕があった住宅ローンも、教育費が増える時期には負担に感じるかもしれません。

だから私は、住宅ローンを払えるかどうかだけではなく、払いながら、どんな暮らしができるかを考えてほしいんです。

例えば、毎月の光熱費を抑えられる家なら、その分を別のことに使える可能性があります。

子どもの教育費。

家族旅行。

将来のための貯蓄。

もちろん、設備投資に掛けた費用との比較が必要です。

でも、家を建てる目的は、住宅ローンを返すことではありませんよね。

家族が気持ちよく暮らすことです。

私は、そこを忘れたくないんです。

マンションのEV充電ニュースから、戸建て住宅の未来が見えてくる

今回のニュースは、集合住宅の充電設備についての話でした。

マンションでは、駐車場の管理や利用ルール、費用負担など、住民同士で調整する必要があります。

戸建て住宅なら、そうした調整は比較的少ない場合があります。

ただし、戸建てでも電気設備の容量や安全性、設置工事の条件は確認が必要です。

つまり、どちらも「充電器を付ければ終わり」という話ではないんです。

私は、今回のニュースを見て、住宅の役割が少しずつ広がっているように感じました。

家は、ただ電気を消費する場所ではなくなってきています。

電気をつくる。

蓄える。

使う。

そして、車にも活用する。

そんな選択肢が増えてきました。

だからこそ、これからの家づくりでは、設備を一つずつ選ぶだけでは足りないと思うんです。

家族の暮らし全体を見て、組み合わせを考える。

これが大切になるのではないでしょうか。

最後に。家は買ったときより、住んでからの方が長いんです

家づくりを始めると、どうしても建物の価格に目が向きます。

坪単価はいくらか。

住宅ローンはいくらか。

オプションはいくらか。

もちろん大切です。

でも、家を建てた後には、何十年もの暮らしが待っています。

毎月の電気代。

車の燃料代。

設備の更新費用。

家のメンテナンス費用。

そして、家族の成長に合わせて変わる生活費。

私は、こうしたことまで含めて、家づくりを考えたいと思っています。

EV充電設備のニュースを見て、改めて感じました。

これからの住宅会社は、家を建てるだけでなく、住んでからの家計まで考える時代なんだろうな。

車の話をしていたはずが、結局いつもの家づくりの話になってしまいました(笑)。

でも、私はそれでいいと思っています。

家というのは、それだけ暮らしのいろいろなことにつながっているんですから。

これから家づくりを考える皆さん。

住宅会社に、ぜひ聞いてみてください。

「この家に住み始めたら、毎月どんなお金が掛かりますか?」

そして、もう一つ。

「将来、車をEVに替えるとしたら、どんな準備ができますか?」

その答えを聞くだけでも、住宅会社の考え方が見えてくるかもしれません。

ご縁を大切に唯一無二の家造り。

住んでからがお付き合いの始まり。

おかげさまでありがとうございます。


参考ニュース

Response.jp「EV充電『テラチャージ』、イタンジと業務提携…集合住宅への導入加速」(2026年10月)

※EVの経済性、太陽光発電による充電効果、V2Hの停電時給電能力は、車種・設備・電力契約・走行距離・生活条件などによって異なります。

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