子どもの足指を見たことがありますか? 家づくりは、足元から考えてみるのも面白い。

【仁藤流】今井一彰先生の「足育」から考える、裸足で歩きたくなる家の話

おかげさまです。明工建設の仁藤です。

今日は、家づくりの話なのに、いきなり足の指の話です。

「仁藤さん、今度は足の指ですか?」

そうなんです(笑)。

でも、これがなかなか面白い話なんです。

皆さん、自分の足の指をじっくり見たことがありますか?

手の指は毎日見ていますよね。

スマートフォンを操作する。

料理をする。

字を書く。

でも、足の指となると、どうでしょう。

お風呂に入るときくらいしか、気にしない方も多いのではないでしょうか。

ところが、私たちの体を毎日支えているのは、その足なんです。

そして、その足が毎日触れている場所。

それが、家の床です。

今日は、そんな足元から家づくりを考えてみたいと思います。

家の基礎が大切なら、人間の足元も大切ですよね

先日、今井一彰先生の足指に関するレポートを読みました。

今井先生は、福岡のみらいクリニックの院長で、足指の状態と姿勢、歩き方、体の不調との関係に注目されている先生です。

資料の中で、私が特に興味を持ったのが、足のアーチを建物の土台に例えた説明でした。

人間の足には、体重を支え、歩くときの衝撃を受け止めるアーチ構造があります。

今井先生は、足の内側、外側、指の付け根付近のアーチに注目し、三脚のように体を支える仕組みとして説明されています。

なるほどなあ、と思いました。

建物も同じです。

どんなに立派な屋根を載せても、基礎や構造がしっかりしていなければ安心できません。

人間も、足元が不安定なら、立ち方や歩き方に影響することがあります。

もちろん、建物と人間の体は同じ仕組みではありません。

でも、見えにくい土台が全体を支えているという考え方は、建築屋としてとても共感できました。

「浮き指」という言葉をご存じですか?

今井先生の資料には、「浮き指」という言葉が出てきます。

立っているときに、足の指が床に十分接していない状態を指す言葉です。

皆さんはどうでしょう。

裸足で立って、自分の足の指を見てみる。

親指は床に触れているか。

小指はどうか。

指が必要以上に曲がっていないか。

普段は気にしないところですが、見てみると意外な発見があるかもしれません。

今井先生は、浮き指や小指が内側へ曲がる「内反小趾」が、姿勢や体のバランスに影響する可能性を指摘されています。

レポートでは、足指の状態に着目したケアによって、姿勢や腰の不調が改善した症例も紹介されていました。

ただし、腰痛や膝痛の原因はさまざまです。

足指だけが原因と決まっているわけではありませんし、足指を整えればすべての不調が治るというものでもありません。

それでも、普段あまり気にしていない足元に目を向けるという発想は、興味深いと思いました。

子どもの足は、毎日の暮らしの中で育っていく

特に、小さなお子さんがいるご家庭には、足の話を知っていただきたいと思います。

赤ちゃんは、最初から歩けるわけではありません。

寝返りをする。

ハイハイをする。

つかまり立ちをする。

少しずつ歩く。

そうやって、体の使い方を覚えていきます。

足の骨や関節も、成長とともに発達していきます。

今井先生は、子どもの足指に長時間の圧迫が加わることを問題視し、靴だけでなく靴下の選び方にも注意を向けています。

資料には、高価な靴やインソールを用意していても、足指の状態が気になったという、ご自身のお子さんについての経験も紹介されていました。

そこで今井先生が着目されたのが、日常的に履く靴下だったそうです。

これは、子育て中の方にとって気になる話ですよね。

ただ、一般的な靴下が子どもの足の変形を引き起こすと、すべてのケースについて証明されているわけではありません。

足の形には、遺伝や成長、靴のサイズ、活動量など、いろいろな要因が関係します。

だから私は、靴下を悪者にするのではなく、

子どもの足を必要以上に締め付けず、自由に動ける環境を考える。

この視点を大切にしたいと思っています。

ところで、家の中でスリッパを履いていますか?

ここからが、建築屋として気になったところです。

皆さん、家の中でスリッパを履いていますか?

冬になると、厚手の靴下とスリッパが手放せない。

そんな方もいらっしゃるでしょう。

今井先生は、かかとが固定されないスリッパでは、脱げないように足指を曲げて歩く場合があることを指摘されています。

確かに、スリッパの形やサイズによっては、足に合わず歩きにくいことがあります。

ただし、すべてのスリッパが有害というわけではありません。

足を保護するために室内履きが必要な方もいますし、転倒を防ぐためには、滑りにくく足に合った履物が役立つ場合もあります。

私は、スリッパを全部やめましょうと言いたいのではありません。

もっと手前の話をしたいんです。

そもそも、どうしてスリッパを履いているのでしょうか?

好きだから。

足を保護したいから。

床が滑るから。

理由はいろいろあると思います。

でも、

「冬は床が冷たくて、履かないとつらいから」

という理由だったら、建築屋として考えたいことがあります。

冬の床が冷たいのは、当たり前ではないんです

昔の日本の家では、冬の床が冷たいのは珍しいことではありませんでした。

リビングは暖房で暖かい。

でも廊下は寒い。

脱衣室も寒い。

朝、布団から出て足を床につけると、

「冷たっ!」

となる。

そんな経験をされた方も多いと思います。

でも、今の住宅は、断熱や気密の技術が進んでいます。

床や基礎、壁、天井、窓の断熱性能を高める。

隙間から余計な空気が出入りしにくいようにする。

空調を適切に計画する。

そうすることで、冬の足元の寒さを和らげることができます。

もちろん、断熱性能が高ければ床が必ず暖かいというわけではありません。

床材の種類や空調の方法、窓の位置などによっても違います。

でも、最初から足元の快適性を考えて設計することはできるんです。

私は、ここが大切だと思っています。

子どもにとって、床は大人が思う以上に身近な場所です

大人は、椅子に座ったり、立ったりして過ごすことが多いですよね。

でも、子どもは違います。

床に座る。

寝転がる。

ハイハイする。

おもちゃを並べる。

そのまま夢中になって遊ぶ。

小さなお子さんにとって、床は生活の中心に近い場所なんです。

だから、床の温度や感触は大切です。

冷たすぎないか。

滑りやすすぎないか。

危険な段差はないか。

掃除しやすいか。

そして、気持ちよく動けるか。

私は、家づくりをするときに、こうしたことまで考えたいんです。

無垢の木の床を、裸足で歩いたことがありますか?

私は、木の床の感触が好きです。

特に無垢の木には、独特の良さがあります。

木目。

質感。

足の裏に触れたときの感覚。

木は熱を伝えにくいため、条件によっては、タイルなどに比べて冷たさを感じにくいことがあります。

ただし、無垢材だから冬でも暖かいと決まっているわけではありません。

家の断熱性能が低ければ、木の床でも寒くなります。

また、木の種類や仕上げによって、硬さや滑りやすさ、傷の付きやすさも違います。

だから私は、床材を見た目だけで選んでほしくありません。

できれば実際に触れて、歩いて、確かめていただきたいんです。

家は、毎日足の裏で感じるものでもありますから。

足指を伸ばす「ゆびのば体操」という考え方

今井先生のレポートには、「ゆびのば体操」も紹介されていました。

足指を無理のない範囲でやさしく動かし、足の動きに意識を向ける方法です。

また、足指を圧迫しにくい靴の選び方や、かかとを安定させること、足に合ったサイズを選ぶことなども紹介されています。

私は、この資料を読んで、健康のために何か特別なことを一度だけするより、毎日の習慣を見直すという考え方が印象に残りました。

家づくりも同じなんです。

特別な設備を一つ入れれば、それで健康的な暮らしが完成するわけではありません。

毎日過ごす温度。

湿度。

空気の流れ。

光。

音。

そして、足元の感触。

そういうものが、日々の暮らしを形づくっていきます。

なお、足指の体操は、痛みがある場合や足に病気がある場合には無理をせず、医療専門職に相談していただきたいと思います。

私が「深呼吸する正圧の家」で大切にしていること

明工建設では、家全体の環境を整えることを大切にしています。

断熱。

気密。

換気。

空調。

窓。

床。

それぞれを別々の商品として考えるのではなく、家全体の仕組みとして考えます。

私たちが提案する「深呼吸する正圧の家」も、そうした考え方の一つです。

ただし、正圧の換気方式だから足指が健康になる、という話ではありません。

断熱等級が高ければ足の変形を防げる、という話でもありません。

住宅会社ができることと、医療が担うことは違います。

私たちができるのは、家族が過ごしやすい温熱環境や、動きやすく安全な空間を考えることです。

その結果として、

冬でも床の冷たさをあまり気にせず過ごせる。

子どもがのびのび遊べる。

裸足で過ごしたい人は、裸足で過ごせる。

そんな暮らしを目指したいと思っています。

靴下を脱ぎたくなる家。私は、そんな家が好きです。

ここまで足指の話をしてきましたが、私が皆さんにお伝えしたいのは、靴下を履いてはいけないということではありません。

スリッパを履いてはいけないということでもありません。

履きたい人は履けばいい。

足を保護するために必要なら、もちろん使えばいい。

ただ、家が寒いから仕方なく厚手の靴下を履く。

床が冷たいから、スリッパが手放せない。

そんな暮らしを、できるだけ減らしたいんです。

裸足でも気持ちいい。靴下でも気持ちいい。

自分に合った過ごし方を選べる家。

私は、そういう家がいいと思っています。

最後に。家づくりは、足元から考えてみてもいいんです

家づくりを始めると、いろいろな数字が出てきます。

坪単価。

断熱等級。

耐震等級。

気密性能。

光熱費。

住宅ローン。

どれも大切です。

でも、家族の暮らしは、数字だけでできているわけではありません。

朝、子どもが起きてくる。

リビングの床に座って遊ぶ。

家族が裸足で歩く。

冬の朝、足元の寒さをあまり気にせず過ごせる。

そんな何でもない時間の積み重ねです。

今井一彰先生の足指の話を読んで、私は改めて思いました。

人間の体を支えている足元。その足元を毎日受け止めているのが、家の床なんだな。

建築屋としては、やっぱりそこが気になります(笑)。

家は、見た目だけで選ぶものではありません。

住んでからの心地よさまで考えるものです。

これから家づくりを考える方は、ぜひモデルハウスや見学会で、床の感触にも注目してみてください。

そして、できればこう聞いてみてください。

「この家は、冬でも足元が快適に過ごせるように、どんな工夫をしていますか?」

その答えには、その住宅会社の家づくりに対する考え方が表れると思います。

ご縁を大切に唯一無二の家造り。

住んでからがお付き合いの始まり。

おかげさまでありがとうございます。


参考資料

『Health Academy 2026年10月号 サマリーレポート』
講師:今井一彰先生(みらいクリニック院長)

※本記事は、同レポートで紹介された足指・足育に関する考え方を参考に、住宅設計の視点からまとめたものです。足指の変形や腰痛、膝痛などの原因・治療効果について、医学的な結論を示すものではありません。

子どもの足の成長と住まいの関係|裸足で歩きたくなる家と床の快適性【仁藤流】 - YouTube

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