電気代の請求書を見ながら、ふと思ったこと。

「家の値段」って、本当に建てた時の金額だけなのでしょうか?

おかげさまです。
明工建設の仁藤です。

今日は、ちょっと電気の話をしたいと思います。

先日、スマートオフグリッドハウスの資料を見直していました。

太陽光が何kW。

蓄電池が何kWh。

HEMSがどう動く。

EVとどうつなぐ。

そんな数字がいっぱい書いてある資料です。

建築屋なので、こういう資料を見るのは嫌いではありません(笑)。

でも、ずっと見ていて、

途中から私は設備とは違うことを考えていました。

「そもそも、家の値段って何だろう?」

ということです。

これ、昔から考えていることなんです。


家を買うときは3,000万円、4,000万円を気にするのに……

家づくりを始めると、

「建物はいくらですか?」

「坪単価はいくらですか?」

「月々の住宅ローンはいくらになりますか?」

当然、気になります。

私だって自分がお客さんなら聞きます。

ところがです。

家が完成して鍵を渡した次の日から、

別のお金がずっと出ていきます。

電気代。

場合によってはガス代。

車のガソリン代。

固定資産税。

保険。

修繕。

給湯器やエアコンなどの設備交換。

住宅ローンは見積書に書いてあるから、みんな真剣に考える。

でも、

住み始めてから30年、35年と払い続けるお金は、住宅会社の見積書にはほとんど載っていません。

不思議だと思いませんか?


中部電力管内に住んでいる私たちだから、ちょっと考えてみたい

掛川、菊川、御前崎、牧之原、袋井、島田、藤枝、磐田。

私たち明工建設が家づくりをしている地域では、中部電力エリアで暮らしている方が多いですよね。

だから今回、資料に書かれている全国の電力会社比較だけでなく、現在の中部電力ミライズの情報も改めて確認しました。

すると、ちょうど今、考えておいた方がいいタイミングなんです。

中部電力ミライズは、2026年11月1日からすべての料金メニューについて基本料金単価・電力量料金単価を見直すと発表しています。中部電力ミライズ

さらに、2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金は1kWhあたり4.18円。

国が示している月400kWh使用のモデルなら、再エネ賦課金だけで月1,672円、年間20,064円です。経済産業省

もちろん、

「だから電気料金はこれから絶対に上がり続けます」

なんて私は言いません。

未来の電気料金を正確に当てられる人なんていません。

上がることもあれば、下がることもある。

政府の支援が入ることもあります。

実際、中部電力ミライズでも2026年8〜10月分には政府支援による値引きが実施されています。中部電力ミライズ

でも、ここなんです。

自分では決められない。

電気料金も。

燃料価格も。

制度も。

再エネ賦課金も。

住宅ローンの金利もそうですが、

家を建てた後には、自分ではコントロールできないものが結構あるんです。

だったら私は、

自分たちでコントロールできる部分を増やしておいた方がいい

と思っています。

これが私のスマートオフグリッドハウスに対する考え方です。


「オフグリッド」と言っていますが、山の中で自給自足する話ではありません(笑)

「オフグリッドハウス」と聞くと、

電力会社と縁を切って、

山奥で薪を割って、

全部自分でエネルギーをつくる家。

そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

明工建設が考えるスマートオフグリッドハウスは、そうではありません。

電力会社ともつながっています。

だから私は、

完全オフグリッドというより、

「電力会社に全部を頼らなくても暮らせる方向へ近づけていく家」

だと考えています。

太陽が出たら、

屋根で発電する。

まず家で使う。

余れば蓄電池へ。

条件によってはEVへ。

お湯を沸かすことも考える。

それでも余れば売る。

夜になったら、

昼間に貯めた電気を使う。

それをHEMSが見ながら調整する。

単純に言えば、それだけです。


私が面白いと思ったのは、「家の一日」です

今回の資料の1ページ目には、朝から夜まで家の中で電気がどう動くのかが描かれています。

私はこのページが好きです。

なぜなら、

太陽光発電という「商品」の説明ではなく、「暮らし」が描かれているから。

朝。

太陽が出る。

発電が始まる。

朝食をつくる。

EVを充電する。

昼間は太陽光を家で使う。

余った電気を蓄える。

夕方になって発電量が落ちたら、蓄電した電気を使う。

夜も家族は普通に生活する。

私は、設備って本来こうやって考えるものだと思うんです。


太陽光を「何kW載せますか?」から考えるから、おかしくなる

家づくりをしていると、

「太陽光は何kWですか?」

と聞かれます。

もちろん大切です。

でも私は、その前に、

「その電気を何に使いますか?」

と聞きたい。

発電するだけ?

売る?

エコキュート?

蓄電池?

EV?

夜のエアコン?

停電したとき?

ここまでつながって、

初めて太陽光が家の一部になります。

設備を一個ずつ買うのではなく、

家全体を一つのエネルギーシステムとして考える。

昔から私はこういうのが好きなんです。


11.16kWの太陽光と13.0kWhの蓄電池。その数字だけ見ても意味がない

一つのモデルケースとして、

太陽光11.16kW+蓄電池13.0kWh+AIクラウドHEMS

という構成が示されています。

さらにEV・V2Xを組み合わせるパターンもあります。

数字だけ見ると、

「11.16kW!大きいですね」

「13kWhもあれば安心ですね」

となります。

でも私は、そこだけを見てほしくありません。

蓄電池には、

容量と出力

があります。

どれだけ貯められるのか。

一度にどれくらい使えるのか。

これは別の話です。

資料の簡易配線図にもPCS出力などが書かれていて、「家庭内の消費電力を一定範囲に抑える」という前提で電気を買わない暮らしを描いています。

つまり、

大きな蓄電池を置けば、それだけで電気を買わなくなるわけではない。

ここ、大事です。


「再エネ自給率100%」という言葉も、私は少し丁寧に説明したい

資料には、

「再エネ自給率100%を目指す家」

とあります。

私は「目指す」という言葉が大切だと思っています。

実際の自給率は、

屋根面積。

太陽光容量。

方位。

日射。

季節。

天候。

家族人数。

電気の使い方。

蓄電池容量。

EV。

エコキュート。

エアコン。

いろいろな条件で変わります。

ですから、

「明工建設の家なら365日、買電ゼロです」

とは言いません。

雨の日もあります。

曇りが続くこともあります。

冬と夏でも違います。

でも、

「できるだけ買わなくてもいい家に近づける」

ことはできます。

私はそちらの方が現実的だと思っています。


そして資料を見ていて、一番「仁藤流だな」と思ったページ

3ページ目です。

20年間、35年間の経済効果がグラフになっています。

資料上のモデルケースでは、

太陽光+蓄電池の場合、

20年間で約1,007万円。

35年間では約1,745万円。

さらにEV・V2Xまで含めたケースでは、

20年間で約1,420万円。

35年間で約2,441万円。

という経済効果が示されています。

2,441万円。

大きいですよね。

家が一軒建ちそうな金額です。

でも、

ここで「2,441万円得します!」とだけ言うのは、私は違うと思っています。


2,441万円は「約束された利益」ではありません

この数字は、資料に設定された条件で35年間をシミュレーションした結果です。

将来の電気料金。

売電価格。

EVの利用。

ガソリン価格。

設備の交換。

劣化。

実際の日射。

家族の電力使用量。

これらが35年間まったく予想通りになるわけではありません。

だから、

「明工建設で建てれば2,441万円儲かります」

とは言えません。

でも、このグラフには非常に大事なことが書かれていると思っています。

それは、

家の価格は、引き渡した日の金額だけでは比較できない

ということです。


例えば「300万円高い家」をどう考えるか

Aという家が3,000万円。

Bという家が3,300万円。

ほとんどの人は、

「Bは300万円高い」

と言います。

間違っていません。

でも、

30年間の電気代は?

ガス代は?

車の燃料代は?

外壁は?

屋根は?

エアコンは何台必要?

給湯器は?

太陽光の自家消費は?

停電時は?

そこまで比べて、

初めて、

どちらが本当に高い家だったのか

が分かる。

これ、住宅会社にとっては少し都合の悪い話かもしれません(笑)。

見積書だけなら、

安い方が勝ちやすいですから。


私は昔から「坪単価」があまり好きではありません

「仁藤さん、明工建設って坪いくら?」

よく聞かれます。

もちろん答えます。

でも、

それだけで家を比較するのは、昔から違和感がありました。

例えば車なら、

車両本体価格だけ見て、

燃費も、

税金も、

保険も、

メンテナンスも、

全部無視して比較する人は少ないですよね。

なのに家になると、

「坪単価いくら?」

で比較する。

家の方がずっと長く使うのに。

不思議です。


資料の「氷山」を見て、これだと思いました

今回の資料の最後に、大きな氷山の絵があります。

海の上に見えている部分。

これが、

土地・建物などの初期費用。

そして水面の下。

電気代。

燃料代。

メンテナンス。

住宅ローン以外にも続いていくコスト。

資料ではこれを「ランニングコスト」として表現しています。

これ、私はすごく分かりやすいと思いました。

家づくりで皆さんが見ている金額って、

もしかすると、

氷山の海から出ている部分だけなのかもしれない。


ただし、「健康だから医療費が安くなる」まで私は計算に入れたくない

ここは資料を読んでいて、私なりに少し補足しておきたいところです。

正圧の室内空気環境や温熱環境と、健康・医療費についても表現されています。

明工建設が、

温度差を小さくしたい。

湿度を整えたい。

空気をきれいにしたい。

「深呼吸する正圧の家」をつくりたい。

そう考えているのは事実です。

でも、

この家に住めば病気にならない

とは言えません。

医療費が必ず○万円減ります

とも言いません。

住宅会社は医者ではありません。

私たちにできることは、

家族が健康的に暮らしやすい室内環境を、建築側から一生懸命つくること。

そこまでです。

でも私は、

そこにお金を掛ける価値は十分あると思っています。


補助金も「もらえるから建てる」ではない

今回はGX志向型住宅などの補助制度も掲載されています。

2026年の「みらいエコ住宅2026事業」では、GX志向型住宅について地域区分5〜8なら110万円/戸、1〜4なら125万円/戸が基本補助額です。長期優良住宅やZEH水準住宅についても条件に応じた支援があります。住宅省エネ2026キャンペーン【公式】

これは大きい。

使えるなら使った方がいいと思います。

でも、

補助金が出るから高性能住宅を建てる

ではありません。

補助金は数年で変わります。

家は何十年も残ります。

順番は、

30年後にも必要な家を考える。
↓
その家に使える制度があれば使う。

だと思っています。


停電したときにも「普通」をどこまで残せるか

私はスマートオフグリッドハウスの価値は、

電気代だけではないと思っています。

静岡に暮らしていれば、

地震。

台風。

豪雨。

停電。

考えたくないけれど、考えておかなければいけません。

今回の資料でも、蓄電池やEVを利用した停電時の電力供給が一つの大きな価値として描かれています。

ただ、

「蓄電池があるから停電しても普段通りですよ」

とは言いません。

蓄電池の残量。

出力。

太陽光の発電。

天候。

バックアップする回路。

使う機器。

これで変わります。

でも、

真っ暗な家でスマートフォンの残量を心配するのと、

照明が点き、

冷蔵庫が動き、

スマートフォンを充電でき、

条件が合えば換気や空調も使える。

これは同じ停電でも、家族の負担が全然違うと思うんです。


私がつくりたいのは「電気代ゼロの家」ではないのかもしれません

ここまで書いておいて変な話ですが(笑)。

私は、

電気代ゼロそのものを目的にした家

をつくりたいわけではないのだと思います。

もっと先です。

電気料金が上がった。

でも家計が大きく揺れない。

台風で停電した。

でも家族が慌てなくて済む。

真夏。

でも少ないエネルギーで家の中が快適。

真冬。

脱衣室へ行くのが嫌じゃない。

EVに替えた。

家でつくった電気を車にも使える。

子どもが大きくなった。

「この家、電気代あまり気にしなくてよかったね」

そんな話ができる。

私は、

設備ではなく、こういう暮らしを売りたいんだと思います。


だから「太陽光を何kW載せますか?」から家づくりを始めません

最初に考えるのは、

断熱。

気密。

窓。

日射。

換気。

空調。

まず、

家そのものが必要とするエネルギーを小さくする。

穴の空いたバケツに、

いくら大きな蛇口を付けても意味がありません。

家が使うエネルギーを小さくしたうえで、

太陽光でつくる。

自分で使う。

蓄える。

必要ならEVにも回す。

HEMSで整える。

この順番です。


「省エネ」より、私は「省エネの達人」という言葉が好きです

表紙には、

「省エネの達人が住む家」

と書いてあります。

これ、いい言葉だと思いました。

省エネというと、

エアコンを我慢する。

電気を消す。

お風呂を早く入る。

そんな「我慢」を想像する方もいるでしょう。

でも私の考える省エネは違います。

家族が頑張るのではなく、家が上手にやってくれる。

太陽が出たら発電する。

余ったら蓄える。

日中にお湯を沸かす。

必要なところへ電気を回す。

HEMSが状況を見る。

そして人間は、

普通に暮らす。

私はそちらの方が好きです。


35年後に答え合わせをしたい

私は家を引き渡すとき、

「完成しました。ありがとうございました」

で終わりたくありません。

できることなら35年後、

お客様と、

今回のこの資料をもう一回見てみたいですね(笑)。

「仁藤さん、2,441万円って書いてあったけど、実際どうだった?」

と言われて、

電気料金の履歴を見ながら、

「さすがにこの数字とは違いましたね」

と笑っているかもしれない。

逆に、

「思った以上でしたよ」

と言われるかもしれない。

未来は分かりません。

でも一つだけ言えるのは、

何も考えず35年間エネルギーを買い続ける家と、どうすれば自分の家でつくり、貯め、上手に使えるかを考えて建てた家では、スタート地点が違う

ということです。


家は、建てた日の値段だけで決めないでほしい

これから家づくりをする方には、

見積書を見たとき、

一度だけ水面の下を想像してほしいと思います。

3,000万円。

3,500万円。

4,000万円。

その横に、

30年間の電気。

給湯。

車。

修繕。

設備交換。

災害時の備え。

それを書いてみる。

すると、

「高いと思っていた家」と、

「安いと思っていた家」が、

少し違って見えるかもしれません。

私は高い家を買ってくださいと言っているのではありません。

まして、

設備をたくさん付ければいいとも思っていません。

家族が何十年も払うお金を、建てる前に一緒に考えませんか。

ということです。


掛川・菊川・御前崎・牧之原・袋井・島田・藤枝・磐田でこれから家を建てようとしている方。

他社さんの見積書でも構いません。

太陽光のシミュレーションでも構いません。

電気料金の明細を持ってきても構いません。

「仁藤さん、結局うちの場合はどうなるの?」

そう聞いてください。

資料の数字をそのまま当てはめるのではなく、

家族人数。

今の電気使用量。

車。

走行距離。

屋根。

日射。

予算。

そして、どんな暮らしをしたいのか。

一緒に考えましょう。

それで、

「うちには大きな蓄電池はいらないですね」

という結論になるなら、それでもいいんです。

私は設備を売りたいわけではありません。

住んでから、「この家にしてよかった」と思ってもらいたい。

昔から結局、そこは変わっていないんだと思います。

家は住む場所から、整える場所へ。

ご縁を大切に唯一無二の家造り。
住んでからがお付き合いの始まり。
おかげさまでありがとうございます。

中部電力の電気料金を考える|太陽光・蓄電池・EVでつくるスマートオフグリッドハウスとは? - YouTube

■ この動画の概要「家の値段」は、建てた時の金額だけではありません。これからの電気代上昇を見据え、太陽光・蓄電池・EV・V2H・AIクラウドHEMSを活用した「スマートオフ…


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