
もし、わが子が家を建てるなら。
第8回|土地をもらう、もしくは借りられるなら、いろいろと気をつけろ。
「親の土地を使っていいと言われました」「配偶者の実家から土地をもらえることになりました」。土地を持っていない家族にとって、これほどありがたい話はありません。土地代が不要になれば、住宅予算には大きな余裕が生まれます。
しかし、無料でもらえる土地や借りられる土地が、そのまま「一番良い土地」とは限りません。税金、名義、住宅ローン、相続、建築制限、造成費、そして親族との関係。購入する土地とは違う問題が、いくつも重なります。
明工建設の住宅事業部長・奥柿は、わが子には「ラッキーだと思ってすぐに計画を始めるな。誰の土地に、誰のお金で、誰の家を建てるのかを先に整理しなさい」と伝えます。住宅営業の柴田が、その理由を聞きました。
住宅営業柴田
奥柿さん、土地をもらえたり、無償で借りられたりするなら、家づくりではかなり有利ですよね?
住宅事業部長奥柿
土地代を抑えられる効果は大きいです。何百万円、場合によってはそれ以上の予算を、建物の性能やデザイン、将来の貯蓄に回せます。条件が整っていれば、とてもありがたい話です。
ただ、私は「無料だから得」とはすぐに判断しません。土地代がゼロでも、制限や将来の問題までゼロになるわけではないからです。
親族からの話は、好意で始まります。だからこそ、細かい確認をすると「信用していないのか」と思われそうで、口約束のまま進みやすい。そこに一番気をつける必要があります。
最初に、「もらう」と「借りる」を分けて考える
住宅営業柴田
家族の会話では「この土地をあげるよ」「自由に使っていいよ」が、同じような意味で使われることもあります。
住宅事業部長奥柿
でも、法律上も税務上も全く違います。「もらう」は所有権を移すこと。「借りる」は土地の所有者を変えずに、使う権利を認めてもらうことです。
まず、登記事項証明書を取り、現在の所有者を確認します。話をしている親が単独所有者とは限りません。祖父母名義のまま、兄弟との共有、すでに抵当権が設定されている、といった可能性もあります。
そして、誰に渡すのかも重要です。配偶者の親から、その実の子である配偶者へ渡すのか、子どもの配偶者へ直接渡すのか。土地名義と、住宅ローンを借りて建物代を負担する人が誰なのか。「家族だから一緒」で済ませず、権利とお金を人ごとに整理する必要があります。
土地をもらえば、税金と登記費用が生じる
住宅営業柴田
お金を払わずにもらう場合でも、費用がかかるのですか?
住宅事業部長奥柿
土地の贈与を受ければ、贈与税の検討が必要です。国税庁では、土地を路線価方式または倍率方式などで評価するとしています。「売買代金がゼロだから、税務上の価値もゼロ」ではありません。
暦年課税では基礎控除がありますが、土地の評価額はそれを大きく超えることがあります。また、18歳以上の人が父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受ける場合と、配偶者の親など直系尊属ではない人から受ける場合では、使われる税率区分が異なることがあります。
さらに、所有権移転登記の登録免許税や、自治体が課す不動産取得税なども確認が必要です。司法書士への報酬、測量や分筆の費用が必要になることもあります。
税額は、誰から誰へ、いつ、どの土地を渡すかで変わります。名義を決めてから税金を調べるのではなく、税金を確認してから名義を決めるべきです。
- 土地の贈与税評価額と、贈与税の有無
- 所有権移転登記にかかる登録免許税と司法書士費用
- 不動産取得税、取得後の固定資産税
- 土地の一部だけをもらう場合の測量・分筆費用
- 境界確定、農地転用、造成、解体、上下水道などの費用
借りる土地は、家だけ自分のものになる
住宅営業柴田
では、名義を変えず、親族の土地を無料で借りて建てるほうが簡単でしょうか?
住宅事業部長奥柿
地代も権利金も払わずに親族の土地を使う場合は、一般に「使用貸借」と呼ばれます。国税庁は、使用貸借による土地使用権の価額をゼロとして扱うため、借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税が課されることはないと説明しています。
ただし、土地は自分のものになりません。自分が何千万円もかけて建てた家の下に、別の人の土地がある状態です。売る、建て替える、増築する、住宅ローンを借り換えるときに、土地所有者の協力が必要になることがあります。
無料で使えるメリットと引き換えに、土地に関する判断を自分だけでは完結できない。建物の所有権はあっても、暮らしの自由まで完全に自分のものとは限らないことを理解しておくべきです。
住宅ローンが予定どおり組めないことがある
住宅営業柴田
親が「自由に建てていい」と承諾していれば、住宅ローンも問題ありませんか?
住宅事業部長奥柿
金融機関ごとに審査や必要書類が違うので、事前確認が必要です。借地でも利用できる住宅ローンはありますが、土地所有者の承諾、契約書、土地への抵当権設定などを求められる場合があります。
たとえばフラット35では、借地の場合、原則として敷地に第一順位の抵当権を設定する取扱いが示されています。地主が申込本人の配偶者または直系親族の場合には、敷地への抵当権設定が必要とされています。
親は土地を使うことには賛成でも、抵当権を設定することには抵抗を感じるかもしれません。計画が進み、契約や設計に費用をかけてから分かると大変です。
「親がいいと言った」と「金融機関が融資できる」は別の話です。土地の名義と借り方を伝え、建築会社を決める前から金融機関に確認してください。
所有者が亡くなれば、話し合う相手が変わる
住宅営業柴田
親子の関係が良好なら、借りたままでも大きな問題にはならないように思えます。
住宅事業部長奥柿
今の所有者との関係だけを見てはいけません。土地の所有者が亡くなれば、その土地は相続の対象になります。国税庁も、使用貸借中の親の土地は将来の相続税の対象になり、自用地として評価されると説明しています。
誰が相続するのか。兄弟姉妹との共有になる可能性はないか。遺産分割の中で、別の財産との調整が必要にならないか。相続人が土地の売却や現金化を希望したらどうするのか。事前に考えておかなければいけません。
口約束をした親がいなくなれば、次に話す相手は兄弟や、その配偶者、さらに次の世代になることもあります。今は「ずっと使っていい」と全員が思っていても、20年後の生活やお金の事情までは分かりません。
建物の寿命より、家族の関係や土地の名義が先に変わる可能性がある。その前提で書面と相続方針を整える必要があります。
相続人全員の「公平」と、自分たちの「当然」は違う
住宅営業柴田
土地を使わせてもらった本人はありがたいですが、ほかの兄弟姉妹にはどう見えるでしょうか。
住宅事業部長奥柿
そこが親族間では難しいところです。本人たちは「使っていいと言われた土地」と考えていても、兄弟からは「一人だけ大きな援助を受けた」と見えるかもしれません。
反対に、もらった側は「使いにくい土地を引き受け、税金や管理も負担した」と感じることもあります。どちらが正しいかではなく、価値の見え方が違うんです。
土地の贈与や使用を、将来の相続でどう扱うつもりなのか。ほかの相続人になる人へ、誰がどの段階で説明するのか。これは家を建てる夫婦だけで勝手に決めてはいけません。
家族だから説明しなくても分かる、ではなく、家族だからこそ、金額と考え方を見える形にしておくことが大切です。
夫婦の関係が変わったとき、土地と建物が分かれる
住宅営業柴田
配偶者の実家の土地へ建てる場合は、ほかにも注意がありますか?
住宅事業部長奥柿
考えにくいことですが、離婚、死亡、介護、転勤などで家族の状況が変わる可能性があります。土地は妻の親名義、建物は夫名義で夫がローンを払っている。その状態で夫婦関係が変わったら、誰が住み、誰がローンを払い、建物を売れるのか。簡単には整理できません。
土地を配偶者だけが贈与でもらい、建物を夫婦共有にする場合も同じです。土地と建物の名義、出資割合、ローン債務がばらばらだと、将来の処分や財産整理が難しくなります。
もちろん、離婚を前提に家を建てる必要はありません。ただ、住宅ローンは何十年も続きます。起きてほしくないことを考えないまま、権利関係を複雑にしてはいけません。
誰の実家の土地かではなく、何が起きても整理できる所有関係かを専門家と確認してください。
「土地がある」と「家が建てられる」は別
住宅営業柴田
権利と税金が整理できれば、その土地に家を建てられますか?
住宅事業部長奥柿
まだ分かりません。市街化調整区域では建築に許可が必要となり、建てられる建物が限定される場合があります。地目が田や畑なら農地転用の手続きが必要で、農地の区分などによっては転用が難しいこともあります。
道路も重要です。都市計画区域などでは、原則として建築物の敷地が建築基準法上の道路へ一定以上接している必要があります。見た目は道でも、建築基準法上の道路ではないことがあります。細い道路なら、セットバックで使える敷地が小さくなる場合もあります。
そのほか、上下水道が来ていない、排水先がない、境界が不明、敷地の一部に他人の権利がある、古家や倉庫の解体が必要、盛土や擁壁に費用がかかる、ハザードリスクが高いといった問題もあります。
住宅会社が現地と役所を調査する前に、その土地を前提として間取りや予算を決めないことです。
- 所有者が一人ではなく、共有者全員の同意が必要だった
- 祖父母など以前の名義のままで、相続登記から必要になった
- 住宅ローンのための抵当権設定に、所有者が同意しなかった
- 農地転用や市街化調整区域の許可が難しかった
- 接道条件を満たさず、想定していた家が建てられなかった
- 測量・分筆・解体・造成・水道引込みで大きな費用がかかった
- 相続後に土地が共有となり、売却や建て替えの話が進まなくなった
- 親が外観や間取り、庭の使い方へ強く意見するようになった
無料の土地には、見えない心理的な条件もある
住宅営業柴田
法律や建築条件だけでなく、家族関係にも影響がありますか?
住宅事業部長奥柿
むしろ、契約書に書かれない問題のほうが長く残ることがあります。「土地を出したのだから、間取りにも口を出したい」「近くに住むのだから、将来は介護してほしい」「庭や駐車場を親族も使っていいはず」といった期待です。
土地を受け取った側は、はっきり断りにくくなります。家は自分たちが建てたのに、親の土地という感覚が残り、来訪や使い方への境界が曖昧になることもあります。
親の希望を受け入れること自体が悪いのではありません。それを夫婦とも納得しているかが大切です。土地の援助と、同居、介護、家の設計、敷地の共同利用を一つの話にしないでください。
お金を払わない代わりに、何を期待されているのか。言いにくくても、家を建てる前に確認するべきです。
口約束ではなく、書面にすることが家族を守る
住宅営業柴田
親族間で契約書を作ると、よそよそしく感じられないでしょうか?
住宅事業部長奥柿
書面は、相手を疑うためではありません。今の所有者、家を建てる夫婦、将来の相続人が、それぞれ違う記憶を持たないために作るものです。
借りるなら、対象となる土地の範囲、期間、地代の有無、固定資産税などの負担、増改築や売却時の承諾、所有者が亡くなった場合、契約を終える場合、建物や外構をどうするかを整理します。
もらうなら、誰が取得するのか、測量や登記と税金を誰が負担するのか、将来の相続でどう考えるのかを話します。土地だけでなく、通路、駐車場、給排水管をどこまで使えるかも図面で明確にします。
内容によって必要な契約や手続きは変わります。司法書士、税理士、土地家屋調査士、行政、金融機関へ確認し、夫婦と土地所有者が同じ内容を理解してから進めてください。
「無料の土地」と「自分たちに合う土地」を比べる
住宅営業柴田
確認事項が多いと、それでも親族の土地を使うべきか迷いますね。
住宅事業部長奥柿
そこで一度、「その土地が無料でなかったとしても、住みたい場所か」と考えてほしいんです。
通勤、通学、買い物、病院、災害リスク、周辺環境、建てたい家との相性、親との距離。土地代がゼロという条件を外しても、家族が望む暮らしに合っているかを見ます。
次に、贈与税や登記、造成などを含めた実際の費用と、自分たちで別の土地を買う場合の総額を比べます。無料の土地に建物を合わせるため、希望を大きく諦めるなら、本当に得かは分かりません。
土地を提供してくれる気持ちはありがたく受け取る。でも、使わないという判断もあり得る。好意への感謝と、そこで一生暮らす判断は分けて考えることです。
- 登記事項証明書で所有者、共有者、抵当権などを確認する
- 贈与なのか、無償の使用貸借なのか、有償の賃貸借なのかを決める
- 土地と建物の名義、出資者、住宅ローン債務者を整理する
- 贈与税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税を確認する
- 金融機関へ借地条件、地主の承諾、担保設定を確認する
- 測量・境界確定を行い、使用する土地と通路の範囲を明確にする
- 用途地域、市街化調整区域、農地転用、接道条件を調査する
- 解体、造成、擁壁、上下水道、排水、地盤の費用を出す
- 所有者の相続時に誰が土地を取得する予定かを話し合う
- 親族間でも専門家が確認した書面を残す
土地代が浮く前に、自由まで失わないかを確認する
住宅営業柴田
奥柿さんが、わが子に一番強く伝えるとしたら、どんな言葉ですか?
住宅事業部長奥柿
「無料」という言葉だけで、人生で一番長く住む場所を決めるな、と言います。
親族の土地を使うことが悪いのではありません。権利、税金、建築条件、住宅ローン、相続、家族の期待を全部見たうえで、それでも自分たちに合っているなら、これほど恵まれた選択肢はありません。
反対に、確認するのが気まずいからと口約束で進めるなら、私は止めます。家を建てた後の問題は、土地をくれた人だけでなく、配偶者、子ども、兄弟、その次の世代にまで残る可能性があるからです。
土地代が浮くことより、その土地で家族が自由に、安心して暮らし続けられることのほうが大切です。
今回のまとめ
親や配偶者の親などから土地をもらう、または借りられることは、住宅予算にとって大きなメリットです。しかし、「土地代がかからない」という一点だけで決めると、後から税金、住宅ローン、相続、建築制限、造成費、親族関係などの問題が見つかることがあります。
もらう場合は、贈与を受ける人、土地の評価額、贈与税、登記費用などを事前に確認します。借りる場合は、土地所有者が別のまま家を建てることの制約、金融機関の担保条件、所有者が亡くなった後の相続まで考える必要があります。
また、親族が所有している土地でも、必ず家が建てられるとは限りません。市街化調整区域、農地転用、接道、境界、上下水道、造成、災害リスクなどを住宅会社と行政に確認し、建築可能性と総費用を出してから判断してください。
一番大切なのは、親族の好意に感謝しながらも、家族の暮らしと権利を曖昧にしないことです。口約束で始めず、専門家を交えて書面に残す。その土地が無料でなくても選びたい場所かを考える。そこまで確認できて初めて、もらえる土地・借りられる土地は、本当にありがたい土地になります。
税金・権利・建築条件について
本記事は一般的な注意点を整理したもので、個別の税額や法的判断を示すものではありません。土地の名義、親族関係、契約内容、地域の規制によって結論は変わります。計画前に、税理士・司法書士・土地家屋調査士・金融機関・自治体の担当窓口へご確認ください。
参考にした公的情報
土地の贈与税評価は国税庁「土地家屋の評価」、贈与税の計算と親族関係による税率区分は国税庁「贈与税の計算と税率」、親族間の使用貸借と将来の相続税は国税庁「親の土地に子供が家を建てたとき」、借地で住宅ローンを利用する場合の一例はフラット35「敷地が借地の場合」、農地転用は農林水産省「農地転用許可制度」、開発許可は国土交通省「開発許可制度の概要」を参照しています。
明工建設 高性能 省エネ 住宅の特長
明工建設が選ばれる理由とは?
明工建設 高性能 省エネ 住宅とは
第1位 住む人の幸せを考え抜いた高性能住宅

明工建設の家は強い方が売れる。
省エネだから売れる。また、明工建設 高性能 省エネ 住宅を目指しています。
第2位は、明工建設 高性能 省エネ 住宅により、1,000万円以上の節約につながります。

明工建設の考える住宅は、住むだけでお金が貯まります。さらに、明工建設 高性能 省エネ 住宅 は、光熱費を0円以下に抑えることができます。
第3位 売ることが仕事じゃない。
さらに、明工建設 高性能 省エネ 住宅を意識したご提案です。

明工建設は住宅を売ることを仕事だとは思いません。
また、お客様の幸せをとことん考え、感謝の言葉を得ることを目標にします。
その対価としてお金を頂きます。
これが明工建設 高性能 省エネ 住宅のポリシーです。
第4位です。
しかし、最新の技術提供なのに、明工建設 高性能 省エネ 住宅は圧倒的なコスパを実現します。

M-THE BESTに代表されるように、明工建設 高性能 省エネ 住宅の家は常に最新技術を提供します。
さらに、誰もが納得、いやそれ以上のコスパの良さで選ばれています。
これを実現するのは、圧倒的な仕入れ力と無駄なお金を使わない工事力があるからです。




