電気代は「いくら使ったか」だけでは決まらない。夕方の30分が、日本の電力の常識を変え始めています

おかげさまです。明工建設の仁藤です。

今日は、これから家を建てる方には、ぜひ知っておいていただきたい「電気の話」をします。

少し難しそうに感じるかもしれません。

でも最後まで読んでいただくと、

「なぜ今、太陽光発電だけでは足りないのか」

そして、

「なぜ私はスマートオフグリッドハウスにこだわっているのか」

その理由が、かなり見えてくると思います。

実は今、日本の電力市場では、とても興味深いことが起きています。

電気は、一日中同じ価値ではありません。

日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場では、翌日に使う電気を30分単位で取引しています。つまり、電気には「その時間の値段」があるわけです。

そして現在、その「時間の価値」が非常に重要になってきています。

昼間は電気がある。ところが夕方になると状況が変わる

昔の電力の常識は、比較的単純でした。

大きな発電所で電気をつくり、電力会社が家庭まで届ける。

ところが太陽光発電が大量に普及したことで、この構造が変わりました。

晴れた日の昼間は、全国の住宅、工場、メガソーラーなどで大量の太陽光発電が行われます。

ところが夕方になればどうでしょう。

太陽は沈みます。

太陽光発電は急速に減っていく。

しかし真夏なら、午後6時になっても暑い。

家ではエアコンが動いている。

夕食をつくる。

照明をつける。

テレビを見る。

お風呂を沸かす。

つまり、

「電気を使いたい人はたくさんいるのに、太陽光から供給される電気だけが急速に減っていく」

という時間が生まれます。

ここがポイントです。

発電量そのものを見るのではなく、

電力需要-太陽光などの発電=残りを別の電源で賄わなければならない量

を見る必要があります。

これがいわゆる「残余需要」です。

ここが夕方に急上昇すると、電力システム側は短時間で供給力を確保しなければなりません。

だから、これから重要になるのは単なる「省エネ」ではありません。

電気を、いつつくり、いつ貯め、いつ使うのか。

ここまで住宅側で考える時代になったのです。

JEPX自身もスポット市場を30分単位の商品として運営しており、時間帯によって価格が変化する仕組みになっています。

ちなみに本日2026年8月26日のJEPX公表値でも、24時間平均の指標が25.73円/kWh、8~22時の昼間指標が30.75円/kWhとなっています。市場価格は日々変わりますが、「電気の価値は時間によって違う」ということだけは覚えておいてください。

ここで私は、住宅業界の「ある常識」を疑っています

「太陽光発電を載せれば省エネ住宅です」

本当に、それだけでいいのでしょうか?

太陽光が最も発電するのは昼間です。

ところが多くのご家庭が本格的に電気を使うのは、仕事や学校から家族が帰ってきた夕方以降です。

せっかく昼間につくった電気があるのに、その電気を十分に残しておけない。

そして夕方になったら、また外から電気を買う。

私は、ここにずっと違和感があります。

発電する家から、「発電して、貯めて、賢く使う家」へ。

住宅そのものを変えなければならないのではないでしょうか。

そこで「蓄電池」の意味がまったく変わってきます

蓄電池というと、

「停電した時に使うものでしょ?」

と思っている方がまだ多いです。

もちろん、それも大切です。

しかし、これからの蓄電池はそれだけではありません。

例えば昼間。

太陽光がたくさん発電している。

その電気を家で使いながら、余った分を蓄電池へ入れておく。

そして夕方。

太陽が沈んで発電量が落ちたところで、

昼間に貯めた電気を使う。

すると、電力市場が不安定になりやすい時間帯に、外から買う電気を減らすことができます。

社会全体でも、蓄電池の活用は再生可能エネルギーを増やしていくうえで重要なテーマとして検討されています。電力広域的運営推進機関でも、蓄電池の余力活用や再エネ主力電源化に向けた課題が議論されています。

つまり蓄電池は、

「非常用電源」から「家庭の電力を時間移動させる装置」へ

役割が変わり始めているのです。

だから明工建設は「スマートオフグリッド」を考えました

ここで大切なのが「オフグリッド」という言葉です。

山の中で電線を切って、自給自足生活をしましょう、という話ではありません。

明工建設が考えるスマートオフグリッドは、

電力会社とはつながっている。でも、できる限り依存しない。

という家です。

太陽光発電で「つくる」。

蓄電池に「貯める」。

HEMSなどで「管理する」。

必要な時間に「使う」。

さらにEVとV2Hを組み合わせれば、車そのものを大きな蓄電池として住宅側で活用する選択肢も出てきます。

これを私は、

「電気を買う家」から「電気を自分でコントロールする家」への変化

だと考えています。

そして、この話は電気代だけではありません

例えば、台風が来た夜を想像してください。

外は暴風雨。

突然、地域一帯が停電する。

周囲の家の照明が消える。

エアコンも止まる。

冷蔵庫も止まる。

スマートフォンの充電残量も気になり始める。

小さなお子さんがいれば、不安になるでしょう。

高齢のご家族がいれば、真夏や真冬の停電はもっと深刻です。

でも、その時。

自宅の太陽光で発電し、蓄電池に電気が残っていたらどうでしょう。

照明がつく。

冷蔵庫が動く。

スマートフォンを充電できる。

システム構成や蓄電容量、停電時の出力条件次第では、空調なども使える。

外が停電しているのに、

家の中では「いつもの生活」に近い状態を維持できる。

私は、住宅会社が考えるべき防災とは、耐震だけではないと思っています。

地震に耐える。

台風に耐える。

そしてその後、

「家族の生活を止めない」。

ここまで考えて初めて、本当の意味で家族を守る住宅になるのではないでしょうか。

電気料金が将来いくらになるかは、誰にも断言できません

ここは大切なので、はっきり書いておきます。

「これから必ず電気代が何倍になります」

そんなことを私は言うつもりはありません。

燃料価格、為替、発電設備、原子力発電所の稼働状況、再生可能エネルギー、送電網、制度変更など、電気料金を左右する要素はたくさんあります。

未来の価格を正確に予測することなどできません。

でも、

未来の価格が分からないからこそ、自分の家でつくれる電気を増やし、貯められるようにして、外から買う量を減らしておく。

これは、とても合理的なリスク対策ではないでしょうか。

家は「買った瞬間」ではなく、30年後まで続きます

住宅を検討している時、人はどうしても建物価格を比較します。

A社はいくら。

B社はいくら。

坪単価はいくら。

太陽光を付けたらいくら。

蓄電池はいくら。

もちろん予算は大切です。

でも私は、もう一つの数字を見ていただきたい。

「その家に住み始めてから、毎月いくら出ていくのか」

です。

住宅ローンはいつか終わります。

しかし、電気を使う暮らしは続きます。

10年。

20年。

30年。

だから住宅価格だけではなく、

住宅ローン+光熱費+設備更新費+将来のエネルギーリスク

まで含めて考える。

それが本当の家の価格だと私は考えています。

住宅の購入では「損をしたくない」「失敗したくない」という心理が大きく、実際の暮らしや経験者の声を見せることが信頼につながる、という考え方は、これまで学んできたビジネス心理学の資料にもあります。

だから明工建設では、カタログの数字だけではなく、実際に住んでからどうなのかを大切にしています。

スマートオフグリッドハウスは「電気代ゼロを自慢する家」ではありません

ここを一番伝えたいです。

私たちが目指しているのは、

「今月の電気代がこんなに安かった!」

という話だけではありません。

本当に目指しているのは、

外部環境が変化しても、家族の暮らしが簡単には揺らがない家です。

電気料金が上がっても。

電力市場が変わっても。

災害で停電しても。

猛暑になっても。

できるだけ家自身がエネルギーをつくり、蓄え、考えて使う。

私はこれからの住宅に必要なのは、

「省エネ性能」だけではなく「エネルギー自立性能」

だと思っています。

そして明工建設のスマートオフグリッドハウスは、その考えからつくっています。

10年後の夕方を、一度想像してみてください

午後6時。

外はまだ暑い。

家族が帰ってくる。

玄関を開けると家の中は涼しい。

夕食をつくる。

子どもがお風呂に入る。

洗濯機が動いている。

EVも家に戻っている。

でも、その暮らしを支えている電気の多くは、

昼間、自分の屋根でつくっておいた電気。

そんな生活が普通になった時、

「あの時、太陽光と蓄電池まで考えて家を建てておいて良かったね」

と家族で話しているかもしれません。

家づくりとは、今の流行に合わせることではありません。

まだ起きていない未来に、家族が困らないようにしておくこと。

私は、それも住宅会社の責任だと思っています。

電力会社から電気を買うことが当たり前だった時代から、

自分の家で電気をつくり、貯め、必要な時に使う時代へ。

家が「電気を消費する箱」から、

家族のエネルギーを守る小さな発電所・蓄電所へ変わろうとしている。

この変化に気づいてから家を建てるのか。

知らないまま、これまで通りの家を建てるのか。

30年という時間で考えた時、その違いは想像以上に大きくなるかもしれません。

だから私は、縁あって明工建設に家づくりを相談してくださったお客様には、この話をきちんとお伝えしたい。

「家族を守る家とは、地震で壊れない家だけではありません。電気が止まっても、社会が変わっても、家族の日常をできる限り守り続けられる家です」

それが、私たち明工建設がスマートオフグリッドハウスに取り組む理由です。

あなたがこれから建てようとしている家。

その家は30年後も、電気を「買い続けること」を前提にした家でしょうか。

それとも、

電気を自らつくり、貯め、賢く使い、家族の日常を守る家でしょうか。

家づくりを始める「今」だからこそ、一度考えてみてください。

ご縁を大切に、唯一無二の家造り。

おかげさまでありがとうございます。

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