借入期間は短い方がいい?──実は“長い方が得”なケースもある理由
導入:ローンは短く返した方が得?その思い込み、見直しませんか?
「ローンはできるだけ早く返した方がいい」。一見もっともらしく聞こえるこの考え方、実は思わぬ落とし穴があるのです。今回は“借入期間”に注目して、あなたにとって本当にお得な返済戦略を一緒に考えていきましょう。

店長、前にローンの金利とか返済方法の話をしましたけど、今度は“借入期間”についてちょっと気になってて……。

お、いい視点だね!借入期間の選び方で、返済の負担も総額も大きく変わるんだよ。

やっぱり短い方がいいんですよね?利息も少ないし、完済も早くなるし…正義って感じします!

うん、たしかに“数字だけ見れば”短い方が得。でも実はね、現実の生活では“長く借りるほうが得”になるケースも少なくないんだ。

えっ!?長い方が得って…それ、ちょっと意外すぎます。どういうことなんですか?

よし、それなら今日は「借入期間の選び方」について、じっくり解説していこう。利息の話も、控除の話も、ぜんぶまるっと!
第1章:借入期間が短いとどうなる?──支払総額・月額返済
借入期間を短くすれば、その分利息が減るため、総支払額は少なくて済みます。しかしその代わり、月々の返済額はグッと上がります。

じゃあ例えば…3000万円を20年で返済するとして、金利が1.5%だったら、月々の支払いってどのくらいになるんですか?

だいたい月14万5000円くらいだね。これ、年間にすると174万円。年収500万の人だと、手取りの半分近くがローンに消える計算になるよ。

えっ…それは思ったより重い…。たしかに利息は減らせるけど、毎月の支払いに余裕がなくなりそうです。

そうなんだよ。「利息が少ない=得」って考えがちだけど、現実には“月の生活を圧迫してまで得”をとるのはリスクがある。

なんか…今まで「早く返せば勝ち」って思ってた自分が浅はかに思えてきました。家買ったら終わりじゃなくて、そこから暮らしが始まるんですよね。

いい気づきだね。ローンは“いかに早く返すか”より、“いかに無理なく返し続けられるか”の方が重要なんだ。
第2章:借入期間が長いとどうなる?──利息は増えるが余裕も増える
一方で借入期間を長くすると、月々の返済額はグッと抑えられます。その分、利息は増えますが、生活に余裕を持たせられるのが最大のメリットです。

今度は逆に、3000万円を35年ローンにすると月々の支払いはどれくらいなんですか?

金利1.5%なら、だいたい9万3000円くらい。20年ローンと比べると、5万円以上差があるよ。

おお、月5万円の差ってめちゃくちゃ大きいですね!家計に余裕ができそうです。

そうそう。その余裕を貯金や教育資金に回したり、ゆとりある暮らしを実現することもできる。

ただ…その分、利息は増えちゃいますよね?どのくらい損になるんだろう。

たとえば総額で200万円~300万円くらいの差が出ることもある。でも、それを“損”と考えるか、“安心代”と捉えるかがポイントだね。

なるほど…。毎月の気持ちの余裕って、数字以上に大きいかもしれません。

その気づきが一番大事。住宅ローンは“完済の速さ”より、“完済できる暮らし”を目指すべきなんだよ。
第3章:繰上返済を前提にした考え方──柔軟性が最大の武器
実は多くの人が「長期借入+繰上返済」という方法で、安心と効率を両立させています。借入期間を長くして、家計に余裕がある月だけ繰上返済する。これこそ現実的な家づくりの知恵かもしれません。

店長、もし繰上返済するなら、最初から長めに借りておいて、余裕あるときに返すって手もアリですか?

それ、まさに正解。返済を柔軟にコントロールできるようにしておく方が、精神的にも家計的にも安心感が違うよ。

固定費はなるべく抑えたいですもんね…特に子どもができたときとか、何が起こるか分からないし。

そうそう。月々の返済を抑えておいて、ボーナスや臨時収入があった時に繰上返済する。無理のない形で総支払額を減らしていけるんだ。

それなら「繰上返済しなきゃ損!」って気負わなくても、自分のペースで調整できるから安心ですね。

そう。「生活の中にローンを合わせる」って発想が、いまの時代の住宅ローンではすごく大切なんだ。
第4章:住宅ローン控除や将来設計も含めて考える──“制度”を味方につける
住宅ローンは、ただの借金ではありません。制度を知って味方につければ、長期ローンのデメリットも打ち消す力になります。

店長、ちょっと気になったんですが…住宅ローン控除って、借入期間にも影響あるんですか?

もちろんあるよ。住宅ローン控除は「年末時点の残高に対して」一定割合が戻ってくる仕組みだから、返済を急ぐと逆に控除が減るんだ。

ということは、長期で借りて残高がある方が、控除額が増えやすいってことですよね?それってすごい盲点かも…!

その通り。もちろん制度の内容は年によって変わることもあるけど、“減税メリット”は正しく活用すれば大きな武器になるよ。

知ってるか知らないかで、何十万円も変わってきそうですね…怖いけど勉強になりました!

控除だけじゃないよ。子育て支援制度や補助金制度なども含めて、“賢く組む”のがこれからの住宅ローン戦略なんだ。
第5章:まとめ──“暮らしに合わせる”が正解
借入期間は短くすれば得、長くすれば損──そんな単純な話ではありません。大切なのは、「数字」ではなく「暮らしに合った設計」。どんな選択も、家族の安心やゆとりに直結しているからです。

ここまで聞いて、借入期間って単なる「年数の違い」じゃなくて、暮らしそのものの話なんだなって気づきました。

その通り。無理に短くして苦しい生活をするより、長く借りてゆとりを持ちつつ、余裕があるときに繰上返済。それが一番現実的で賢い方法かもしれないね。

最初は“金利がどう”とか“早く返した方が…”ばっかり気にしてたけど、今は“返せる計画”の方が大事って分かりました!

よし、それが分かれば住宅ローン選びも怖くない。明工建設では、そんな“暮らし基準”の家づくりとローン相談を大切にしてるんだ。
借入期間は「短くするか長くするか」だけじゃなく、「どんな暮らしを送りたいか」で選ぶ時代へ。家づくりの成功は、あなたの暮らしのリズムを守る返済計画から始まります。明工建設では、そのお手伝いを全力でさせていただきます。