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豊かな暮らしへの情報

メーターモジュールのすゝめ  #店長流
メーターモジュールのすゝめ  #店長流

■暮らしが少し豊かになります



住宅の間取りをビルダーにつくってもらった時、勘の良い人だと2種類の物差しがあることに気が付けます。

それが、


尺モジュールとメーターモジュールです。


この違いは、1マスをどのサイズにするかの違いです。

これは後で説明しますが、実際には細かい差なのですが、家全体にすると大きな差になる重要なことです。


今回はこのメーターモジュールと尺モジュールの話をしていきます。





■尺とメーターってなに?





まず、尺とメーターの違いです。


尺って言葉、聞いたことがある人も多いと思いますが、建築で言う尺とは「長さ」のこと。

今は長さは1メートルとか、1cmとかのメーター基準で長さを決めますが、昔、それこそ昭和の前半までは尺や寸と言った単位で長さを決めていました。

ちなみに1尺はメートル法に直すと、303mm。


今の時代の感覚だと、とてもキリが悪いです(笑)

なのに、住宅業界はまだこの尺の単位で家を造るのが一般的で、多くの会社やビルダーがこの単位で進めています、これを尺モジュールと言います。


しかし、最近は1メートルを基準にした家造りが出てきて、多くのメーカーが採用しています。

これをメーターモジュールと言います。





■間取り作成はマスをいくつ使うかをまとめる作業




まずはこちらをご覧ください。








尺モジュールで間取りを書く場合のマス目はこんな感じです。



このマスを使ってトイレを書くとこんな感じ。

910x910のマスを使って、サイズを決めていきます。

ちなみに一般的なトイレは910x1820になるので、1マスx2マスのサイズです。


図面にすると・・・・







横幅が910mm、縦が910x2で1820mm。

これが一般的なトイレのサイズです。

ちなみにこの910x1820mmのサイズを1帖と呼びます。



次はこの横に1坪サイズのユニットバスを設置します。


ちなみに1坪を帖に変換すると2帖、メーターで言うと、1820mmx1820mmです。

マスで言うと2マスx2マス。

あと、これをメーターモジュールに変換した場合の図面も並べてみます。








この間取りは共に、トイレが1マスx2マス、ユニットバスが2マスx2マスのサイズです。


図面を見て頂いて分かる通りに、モジュールが異なると、同じマス数の間取りでも、広さが随分変わります。

トイレの場合、横幅が約9cm、女性の握りこぶしの横幅が約9cmと言われるので同じくらい尺モジュールに比べると広がります。

また、縦はその倍なので約18cmも広がります、お子様の靴一足分のサイズの差です。


ちなみにお風呂は縦横共に18cm違うので、まったく違った広さのお風呂に見えます。



このように広さの差はあるもの、住宅の間取りづくりは、マスをいくつ使うかのパズルに近いものになります。




■同じマスを使うならメーターの方が圧倒的に広くなる



先ほど挙げたように住宅はマスを並べて作る作業で、大体各部屋の広さは決まっています。


トイレは1x2のサイズ、お風呂は2x2のサイズ、6帖の部屋は3x4のサイズ、12帖は4x6と言った感じです。

これは尺モジュールもメーターモジュールも変わりません。


しかし、尺に比べメーターは1マスの大きさが広いので、同じマスを使っていても必然的に広くなっていきます。


先ほどの1x2とかの指標を、㎡数で変換すると・・・・

尺だと1x2は1.64㎡、メーターだと2㎡。

2x2は尺だと3.3㎡、メーターだと4㎡。

このように少しづつ大きさが変わります。

勘の良い人だと気が付いたかもしれませんが、メーターから尺に直すと1マスで約0.82倍面積が減ります、逆を言えば約1.2倍です。


もし、尺モジュールで30坪の家があった場合、その間取りをそのまま使ってメーターモジュールで建てると約36.5坪の家なり、6.5坪も大きな家にすることが出来ます。


同じ間取りでも、30坪だとこんなもんか・・・って広さに感じる人もメーターモジュールであれば、36.5坪もあるんだ!になるかもしれません。


他は全く変わりませんが、広さだけが変わるのがこのモジュールの違いです。




■この差を使った悪さに気を付けて




さて、今回このモジュールについて書いたのは、このモジュールの差を上手に使って悪さをする会社があることを知ってもらいたったからです。


まず、このモジュールの差で違うのは広さだけだと言いました。

実は、もっと大事なものも変わってくるのですが、気が付きましたか?

それは・・・


住宅の価格です。


住宅は大きくなればなるほど、価格が上がりますので、同じ間取りでも尺モジュールとメーターモジュールでは価格が異なります。

広さの差は約1.2倍になるので、そのままで言えば住宅の価格も1.2倍と言うことになります。


この差を上手に使って悪さをしてくる会社がいます。


それがローコストメーカーさんです。

ローコストメーカーさんに行かれた人の多くがメーターモジュールで提案を受けます。

まあ、ローコストメーカーさんは元が安価だし、手に入るなら広い家の方が良いと言う方が多いので、違和感なく話をしているかもしれません。


でも、冷静になって見てください。

同じ間取りの家を尺モジュールにすれば、広さを約0.8倍にすることが出来ます。


ローコストメーカーのさんの多くが、坪単価売り。

つまり、1坪当たりOO万円で、今回の家は30坪だからそれにOO万円を足して、売値はいくらです、みたいな商売をされています。

だったら、尺モジュールにすれば同じ間取りでも、価格を0.8倍にすることが出来るんです^^


例えば1坪60万円が設定で30坪の家を建てた場合、60x30=1800万円の支払いです。

これを同じ間取りで尺モジュールにして約0.8倍すると24坪のお家になり、1坪60万円x24坪で価格は1440万円になります。


同じ間取りでモジュールを買えただけで約360万円も支払いが変わります。

今回上げた30坪から24坪への変更は、住宅の規模も変わるので、一概に正解とは言えませんが、このモジュールの差を上手に使って、住宅の価格を上げてくる方法があることを覚えておいて下さい。




■メーターモジュールは工務店と大手ハウスメーカーはやりたがらない




逆に工務店や大手ハウスメーカーはメーターモジュールをやりたがりません。

先ほどは金額の件をつついたので、メーターモジュールに違和感を覚えた方もいたかもしれませんが、メーターモジュールは本来称賛される工法でもあります。


単純に全ての部屋や廊下などが広くなるので、昔に比べて大きくなった現代人の体系に適していることや、バリアフリーなどのユニバーサルデザインを実現しやすく、住みよい家づくりとなるからです。


だから、本来はもっとメーターモジュールが流行らなければいけないくらいです。


しかし、工務店やハウスメーカーはそういったことを知っているにも関わらず、メーターモジュールの採用をしていません。

その理由は大手ハウスメーカーと工務店とでは異なります。





■大手ハウスメーカーの場合




まず大手ハウスメーカーの理由です。

これはローコストメーカーの時と同じ、コストによるものです。

しかし、考え方は全く異なります。


ローコストメーカーはコストUPの為に、メーターを採用していました。

なので、大手ハウスメーカーもコストUPが出来て、会社的には良いんじゃない?

と思うかもしれませんが、ハウスメーカーの元のコストを知るとそういった簡単な話ではなくなります。


先ほどローコストメーカーの際には坪60万円と言いましたが、今の相場はこの位だと思います。

しかし、大手ハウスメーカーの相場は誤差は当然ありますが、120~150万円が最近の相場となっています。

ローコストメーカーの倍ですね。

使っている物などが違うので、高い安いは言いませんが、この坪単だとメーターモジュールの広さUPが凄いことになります。


先ほど言った、30坪の家が24坪になるの計算をし、その際の坪単価を150万円と仮定します。

すると、24坪の尺モジュールだった場合、3600万円の住宅価格に。

メーターモジュールにして30坪の家にした場合は、4500万円となり、尺と比べて900万円も差が出ます。


これだと高すぎて一般市民だと手が出ない・・・・そんな金額となってしまい、契約をしてくれる確率がガクッと下がります。

でも、同じ間取りで24坪の尺にすれば900万円も安くできるので、契約確率がグッと上がります。


大手も金額が高い方が良いのは当り前ですが、そのせいで契約が出来ないのであれば、意味がありません。

そういった考え方もあり、大手はメーターモジュールを嫌う傾向があります。




■工務店の場合



工務店の場合は、コストとは少し離れます。

工務店の多くは、何十年とその土地で商売をしており、職人も何十年選手みたいなベテランが多くいます。


こういったベテランは修行の期間からずっと、尺モジュールで家を建ててきたので、全ての寸法が尺で頭に入っています。


例えば今使われる主流の柱の寸法は10.5cmx10.5cmの正方形ですが、この数字を大工さんなどに言うと、理解をしてくれません。

代わりに三寸五分の柱って言うと、先ほどの10.5x10.5cmの柱と理解してくれます。

それでも最近は理解が出来る職人が増えましたが、昔ながらの工務店では、未だにこの尺や寸と言った単位で会話をしています。


なので、メーターモジュールで図面を書かれると、意味が分からないです^^;

これは本当にあった話で、ベテランの大工にメーターモジュールの家をお任せした時の話なのですが、

図面を見た瞬間に「寸法が書いていない!分からん!寸法が分からん図面を書くな!」


と言われたことがあります。

当然ですが、図面には寸法の記載があるのですが、それがメーターモジュールだから分からないと言うのです^^;

まあ、その際には何とかなだめて家を造ってもらいましたが、中々の経験になりました。


でもその気持ちも少しは分かります。


下の画像は大工さんが建築に使う、さしがねと言うものです。

これで長さや、直角を示すものなのですが、ちょっとした違和感を覚えませんか?




この違和感分かった人いますか?

そう違和感の原因は1、2、3と数字が書いてありますが、この数字は1cmでも10cmでもなく、1尺、2尺と言った長さの表記なんです^^;


なのでこのさしがねから10cmを図ろうとすると、3.3のところになります(正確には1mm足りないのですが^^;)

このように、毎回毎回寸法を測る度に計算をしていかないといけません。


このことから工務店はメーターモジュールを嫌がる傾向にあります。

決して作れないわけではないのですが、造りづらいといった感覚です。




■同じ坪数なら、メーターモジュールの方が割高になる




あと、工務店がメーターモジュールをしない理由がもう一つあります。

それは、同じ坪数例えば30坪LDKの家を造るなら、メーターモジュールで30坪にした家の方が割高になるからです。


同じ坪数だし、同じ間取りなんだから変わるわけないじゃん?と思われるかもしれませんが、実際には1.1倍くらいにはコストUPしてしまいます。


その理由は日本の住宅のほとんどが尺モジュールだからです。

最近ではメーターも増えてきましたが、正直かなりの少数派。

正確に調べてはいないので感覚での話ですが、10棟の新築があったら8棟は尺、2棟がメーターと言った感覚です。


だから、住宅の部材や建材は尺モジュール対応品が基本で、メーターモジュール対応品はイレギュラー扱いです。

なので仕入れ単価が高めに設定されている場合がほとんどで、同じ坪数分買いたいのに、1~2割増しでしか買えないなんてことが多数起こります。


ハウスメーカーなどはそういった環境を、数の暴力や影響力の力で抑え込むのかもしれませんが、工務店レベルではそれは出来ません。


だから、同じ坪数の家を建てるなら、メーターよりも尺を選ぶことをおススメしてしまうのです。




■そういったことがあってもメーターモジュールはおススメできる




色々なことを書いていきましたが、それでも個人的にはメーターモジュールはおススメできます^^

コストの問題などはありますが、たった数センチの差でも、とても住みやすくなるのは事実だからです。


その一番の証明は・・・・「私の個人宅はメーターモジュールだから」です(笑)

私は、色々なデメリットもあることを理解しながら、それでもメーターモジュールで家を建てました。

やはり、細かいところも少し余裕があるので、暮らしやすい家になったと自負しております。


コストや広さのなどの件があるので、全員におススメすることはしませんが、余裕がある方にはぜひ採用してもらいたいと思っています。

当社の大工はベテランぞろいですが、このメーターモジュールには慣れているので、何の心配もありません^^


工務店で建てたいけれど、メーターモジュールで建てたい方。

いましたら是非お声がけくださいね^^



では、また!