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マイホーム建築の前に知っておくべき「住宅ローン」の危険性#仁藤流(一級建築士+一級施工管理技士)

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マイホーム建築の前に知っておくべき「住宅ローン」の危険性#仁藤流(一級建築士+一級施工管理技士)
マイホーム建築の前に知っておくべき「住宅ローン」の危険性#仁藤流(一級建築士+一級施工管理技士)

マイホーム建築の前に知っておくべき「住宅ローン」の危険性

マイホーム建築の前に知っておくべき「住宅ローン」の危険性

今回は、「住宅ローン」に潜む危険性を見ていきます。※本連載では、オーガニックで豊かな暮らしの家づくり推進協議会・会長で、明工建設株式会社の代表取締役・仁藤 衛氏の著書、『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)の中から一部を抜粋し、家づくりに潜む「7つの落とし穴」を明らかにし、それらを回避するためのポイントを解説します。

仕事が不安定でも、高額なローンが組める時代に

住宅は、人生の中でももっとも大きな買い物。キャッシュで家を買えるような人はそう多くはいません。ほとんどの人は、数十年の住宅ローンを組み、憧れのマイホームを手に入れることになります。自分の家を持つという夢を叶えてくれるのが住宅ローンということですが、実際のところは、住宅ローンで人生が狂ってしまったという人がたくさんいるというのも事実です。これが6番目の落とし穴です。

もう何年も前の話ですが、家を新築したからと誘われて、ある人のところに遊びに行ったことがあります。今は倒産してしまった会社の輸入住宅で、モダンで素敵なお家でした。

ところが数年後、その家には別の人たちが住んでいました。どうやらローンの支払いが滞ってしまい、引っ越されたとのこと。子どももいましたが離婚もされ、一家はバラバラになってしまったようでした。今思えば、かなり建築費の高い家だったことを覚えています。もしかしたら無茶なローンを組んでいたのかもしれません。

この家族も、まさか、楽しいことが待っているはずの新居を失うことになるとは想像もしていなかったでしょう。リストラされたり、勤務先が倒産したり、ボーナスが出なくなったり、離婚もそうですが、人生には思わぬアクシデントが起こります。無理のあるローンや不利なローンを組んでしまうと、返せなくなった途端に家も失い、借金だけが残り、一家離散ということも十分考えられるのです。

競売にかけられた家に、住み続けているというケースもあります。インターネット上に家の中の写真が掲載され、買い手がつけば出ていくことになるのです。家族の幸せのために組んだはずの住宅ローンに、思わぬ形で苦しめられることもあるということを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。

今は、契約社員で仕事をしている人が、4000万円のローンを組めたりする時代です。これは、従来であれば不可能だったことです。雇用の安定していない人が(今の時代、正社員でも安定しているとは言えませんが)、高額のローンを組むのはとても危ういことです。しかも今は、頭金がなくてフルローンになってしまう人も多いのです。奥さまが妊娠されて、「子どもができるから早く家を」と急いで住宅購入に踏み切る方も多いです。妻がしばらく仕事ができなくなり、収入が夫だけという状態は、さらに危険性が増します。

大手ハウスメーカーが「ローン会社」を保有する理由

住宅ローンは、今や4000種類くらいあると言われています。最低でも金融機関の数だけ存在します。住宅ローンと一口に言っても、その中身は千差万別なのです。

あなたは、「モーゲージバンク」というものがあるのはご存知でしょうか? ローン貸し出しを専門とする金融機関のことで、銀行や公庫の住宅ローンとは、資金調達の方法が違っています。

大手ハウスメーカーは、独自に子会社としてこのようなローン会社を持っています。いくつかの大手ハウスメーカーが共同出資してローン会社をつくっている場合もあります。つまり、お客さまがローンを借りやすくなるように、大手のハウスメーカーは受け皿を用意しているというわけですね。

住宅会社にしてみれば、家を販売できればいいのです。その後、お客さまがたとえローンを支払えなくなったとしても、それはローン会社との問題であって、営業マンは痛くも痒くもありません。ローンさえ組めれば家が売れますから、お客さまの支払い能力以上に、なんとかしてローンを組ませようとする営業マンもたくさんいるということです。

じつは、中古住宅仲介会社(スムストック)、つまり、何らかの理由で手放さざるを得なくなった住宅の売り買いを仲介する会社も、大手ハウスメーカーが10社で運営しているのです。このような受け皿まで用意しているという現実が何を物語っているか、お客さまが本当に安心してローンを組んで家を建てられるのか、私はちょっと疑問に感じています。